売れないマンションの原因8つと対策15選|売却成功までの手順を徹底解説

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マンション 売れない

売りに出して3ヶ月が経つのに、内覧の申し込みがほとんど入らない。

なかなか買い手が見つからず、「このまま売れ残るのでは」と気持ちばかりが焦っている方も多いでしょう。

価格を下げるのか、仲介を頼む会社を替えるのか、それとも買取へ切り替えるのか。決め手になる情報を探している方もいらっしゃると思います。

売れ残りの理由は「物件」「売主」「不動産会社」「売却時期」という4カテゴリに整理でき、カテゴリごとに効果が見込める打ち手が用意されています。

この記事では、公的なデータや法令を手がかりに、8つの原因と15の対策、さらに最後の選択肢となる買取や賃貸、無償譲渡を選ぶ際の見極め方を順を追って説明します。

最後までお読みいただければ、ご自身のマンションで次に打つ手が見えてくるでしょう。

※2026年10月現在の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。

目次

売れない状態の判断基準と売却にかかる期間の目安

マンションが売れない状態とは?売却期間の目安と判定基準

本当に「売れない」のかどうかは、焦りや感覚で決めず、数字をもとに落ち着いて見極めることが大切です。ここでは判断の手がかりになる基準をまとめます。

中古マンション売却に要する期間は平均3〜4ヶ月

中古マンションを売り出してから売却が完了するまでには、3〜4ヶ月ほどかかるのが一般的な目安とされています。

首都圏の中古マンションについて、公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の市況統計レポートでは、物件が登録されてから成約するまでにかかった日数が、2025年は約82.5日、過去5年の平均は約79日と発表されています。

成約後にも、内覧から申込、契約、決済へと進む手続きが控えているため、売却が完了するまでは3〜4ヶ月程度を見込んでおくと安心です。

売り出しからの期間売主が取りたい対応の目安
〜1ヶ月静観する時期。値下げや不動産会社の変更は急がないほうが無難
〜3ヶ月内覧が0〜1件にとどまるなら原因の洗い出しを開始
〜6ヶ月原因を突き止め、対策に取り組む時期
6ヶ月超買取や賃貸といった最後の選択肢を検討する時期
※同機構が公表しているデータをもとにした目安です。実際にかかる期間は、物件の立地や築年数、市場の状況によって前後します。

「売れない」と見極める3つの目安

売り出してから3ヶ月たっても内覧が0件、6ヶ月以上たっても申込が入らない、2回以上価格を下げても反応が乏しいといった状況は、売れていない状態とみなす目安として広く用いられています。

  • 目安1:内覧0件のまま3ヶ月が経過 — 価格・広告の出し方・物件の魅力のどこかに大きな問題が潜んでいるおそれ
  • 目安2:申込0件のまま6ヶ月以上 — 価格や物件の状態、販売の条件を根本から見直す必要がある段階
  • 目安3:2回以上の値下げでも反応が乏しい — 媒介契約の内容や販売戦略自体を見直すタイミング

    ※地方都市にある物件や築年数の古い物件、間取りが特殊な物件は成約までに時間がかかりやすく、6ヶ月経っても通常の範囲内と考えられるケースもあります。

売れない状態を放置した場合に生じる3つの問題

売れないマンションをそのままにしておくと、保有コストが積み重なる、売れ残りの印象がつく、相続の際に家族へ負担がかかるという3つのリスクが表面化するおそれがあります。

区分マンションを持ち続けるためのコストは、固定資産税・都市計画税が年間10〜20万円、管理費・修繕積立金が月額2〜4万円程度というのがよく挙げられる目安です。

合計すると年間40〜60万円となり、6ヶ月売り出しているだけでも20〜30万円の負担が上乗せされます。

加えて、売り出しが長引くとポータルサイトで「掲載開始日」の日付が古いままになり、買主から「問題を抱えた物件なのでは」と警戒されやすくなります。

また、所有者が亡くなって相続が発生すると、団体信用生命保険に加入しているかどうかやローンの種類次第では、固定資産税やローンの残債といった負担を相続人が引き継ぐ可能性があります。

売却が長引くリスクと避け方は、不動産売却で後悔しないための注意点12個で詳しくまとめています。

マンション売却が進まない8つの要因【セルフチェック一覧】

マンションが売れない8つの原因【自己診断チェックリスト】

マンションが売れ残る理由は、物件そのもの、売主、仲介を担う不動産会社、売り出す時期と市場という4つの観点に分けられます。各観点に2つずつ、計8つの原因が当てはまります。

物件に由来する要因(築年数/立地/管理の状況)

築20年超・駅から徒歩10分超・管理の行き届かなさの3点は、購入検討者が条件を絞り込む段階で候補から外されやすい代表的な要因です。

買主が利用できる融資や税制の条件には、築年数が関わってきます。住宅ローン控除を例にとると、2022年度税制改正以降は、1982年1月1日以降に建てられた住宅であるか、新耐震基準への適合を証明できる住宅であれば適用を受けられます。

駅からの距離や周辺環境、学区といった立地の条件は後から変えられないものの、管理の状況は管理組合への聞き取りや書類の準備によって良くできる余地が残っています。

とりわけ築年数の古い物件では、「修繕積立金が将来足りなくなるのでは」「建替えの話し合いが進まないのでは」と買主が不安を抱くことが少なくありません。修繕の履歴や長期修繕計画書を販売資料として用意しておくだけでも、受け止め方が変わることがあります。

築年数が古く問い合わせが少ないときは、築50年マンションは売れない?売るためのポイントで物件のタイプに応じた売り方を確認してみてください。

売主に由来する要因(売出価格/内覧時の対応)

相場と比べて10%以上高い価格で売り出している、あるいは内覧の際の掃除や応対が行き届いていないと、買主の判断に直接響き、売れ残りにつながります。

売主に原因があるケースは比較的取り組みやすく、その日のうちに始められる対策が多いのが特徴です。

価格が妥当かどうかは、レインズや国土交通省の「不動産情報ライブラリ」を使って確かめます。同じエリアで築年数が近い物件の成約事例・取引価格を調べ、自分の売出価格とどれだけ離れているかを見てみましょう。

相場との差が大きいと、買主がポータルサイトで設定する価格帯の絞り込み条件に合わず、検索結果に出てこない場面が増えてしまいます。

内覧では、部屋の清潔さや日当たり、においが買主の最初の印象を大きく左右します。

3〜15万円程度のハウスクリーニングを依頼する、あるいは片付けと簡単な掃除をするだけでも、部屋の見え方はかなり良くなります。

応対の場面では話しかけすぎないようにし、聞かれたことに誠実に答えると信頼を得やすくなります。

不動産会社に由来する要因(広告の不足/囲い込み)

専属専任媒介や専任媒介で契約したのにレインズへ登録されていない、自社が抱える購入希望者にしか紹介しない「囲い込み」がある、広告への掲載がおざなりになっている、といった状況は、売れ残りを招く原因の中でも特に大きなものといえます。

売主の立場からは把握しづらく、意識して確認しなければ見過ごしてしまいがちです。

宅地建物取引業法第34条の2第5項と同法施行規則第15条の10第1項では、レインズへの登録期限を、専任媒介契約で契約日から7日以内、専属専任媒介契約で5日以内と義務として定めています。

ところが、登録だけは済ませておき、他社から問い合わせが入ると「商談中」と事実に反する説明をして断る「囲い込み」が、長く業界の課題とされてきました。

売主と買主の双方から手数料を受け取れる両手仲介に持ち込めるため、不動産会社の動機がゆがみやすい仕組みになっています。

なお2025年1月からは、レインズに設けられたステータス管理機能によって、売主自身が取引の状況を確かめやすくなる運用がスタートしています。

加えて、レインズ上に示された取引状況が実際と食い違っている場合には、宅地建物取引業法第65条第1項に基づく指示処分の対象になることもはっきり示されました。

広告面については、SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホーム等の大手ポータルに載っているか、写真の数や質、物件紹介文の内容が十分かといった点を、販売報告書とレインズの「登録証明書」で照らし合わせて確認できます。

注意点 〔新サイト名〕編集部

専任系の媒介契約を結んでいる場合は、囲い込みが起こりやすい点に注意しましょう。見分ける手がかりは3つあります。①不動産会社にレインズの「登録証明書」を出してもらい、ステータスが「公開中」になっているかを見る、②家族や知人に頼んで、別の不動産会社から自分の物件について問い合わせてもらい、「商談中」と断られないかを確かめる、③法律で頻度が決められた販売活動報告書(専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上)に、問合せ件数と内覧件数の内訳がはっきり書かれているかを確認する、の3点です。報告が「広告を出しています」程度で、具体的な件数が書かれていないときは、囲い込みを疑ってみるべきサインと考えておきましょう。

時期・市場に由来する要因(季節性/競合物件)

閑散期(1月・8月)、周辺での新築マンション分譲、金利が上がっていく局面は、売却のペースを落とす外的な要因となります。

不動産の取引が活発になるのは、新生活を控えた2〜3月と、転勤シーズンにあたる9〜10月で、内覧も成約もこの時期に集まりやすくなります。

反対に、1月、GW明けの5月、お盆の8月は、買主の動きが鈍くなりがちです。

加えて、周辺で新築マンションの販売が始まると、買主が比べる物件が増え、中古マンションの魅力が相対的に薄れるおそれがあります。

金利が上がっていく局面では住宅ローンの審査が厳しくなり、買主の購入予算が小さくなりやすい傾向があります。試算では、変動金利で0.3%の上昇があると、35年返済で3,000万円を借り入れる場合に毎月の支払いが約4,000円増え、買主が出せる上限額は約100〜150万円低くなる計算です。

市場の変化は売主ひとりの力では避けにくいため、売り出す時期や価格の戦略を不動産会社と話し合いながら調整していくのが現実的な対応です。

8原因のセルフチェック一覧

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分類要因チェックする点当てはまる場合に優先したい対策
物件築年数築20年超か/住宅ローン控除の要件を満たすか耐震基準適合証明の取得・修繕履歴の準備
立地・管理の状況駅から徒歩10分超/共用部分の傷み管理組合で現状を確かめ、販売資料を用意
売主売出価格相場を10%以上上回っている不動産情報ライブラリやレインズで価格を再確認
内覧時の対応内覧のあと商談につながらない掃除・片付け・応対マナーの見直し
不動産会社広告の不足ポータル掲載数が少ない/写真が古いまま広告の状況とレインズ登録証明を確かめる
囲い込み他社経由の問合せが断られている別の経路から問い合わせて確認・媒介契約の見直し
市場・時期季節性1月・5月・8月の閑散期に売り出している2-3月・9-10月の繁忙期に改めて売り出す
周辺の競合・金利新築分譲や金利の上昇による影響価格戦略を練り直す・販売条件で差をつける

専門家の視点で整理するマンション売却の判断手順

専門家が見たマンション売却の判断フロー

「自分の場合はどの選択肢を取ればよいのか」をはっきりさせたいときは、売れない要因の仕分けから最終的な売却方法の選択まで、段階を追って確認していくと迷いにくくなります。

ステップ1:売れない要因の仕分け(市場・物件・売主・会社)

売れない理由のなかでも、改善の余地が広い売主自身と不動産会社の側に先に手を入れるのが基本の考え方です。

物件の条件や市況は売主の努力だけでは変えにくい部分が大半なので、自分で動かせる範囲から着手したほうが効率的といえます。

仕分けの進め方
  • 市場面:売り出した時期が閑散期と重なっていないか、周辺で新築マンションの分譲が始まっていないか
  • 物件面:立地や築年数、管理状態に関して、書類をそろえれば改善につながる点はないか
  • 売主面:相場より売出価格が10%以上高く設定されていないか、内覧時の対応に改善点はないか
  • 会社面:レインズへの登録状況、ポータルサイトへの広告掲載、販売活動報告書の内容が具体的かどうか

自分では変えられない外的な要因を最初に押さえておけば、手を打てる要因にエネルギーを注ぎやすくなります。

ステップ2:価格を下げるか依頼先を替えるかの見極め方

内覧は入るのに成約しないなら価格、内覧自体が少ないなら不動産会社の販売活動に問題がある可能性と考えると整理しやすくなります。

シンプルな基準ですが、次に打つ手をかなり絞り込めます。

状況ごとの考え方をまとめると、次のようになります。

  • 月の内覧3件以上・申込なし → 価格が原因になっていることが考えられるため、値下げを検討
  • 月の内覧1件未満・3ヶ月の合計が2件以下 → 広告や露出の不足が疑われるため、依頼先の変更や媒介契約の種類の見直しを検討
  • 月の内覧2〜3件・申込なし → 室内の清掃や掲載写真といった物件の見せ方と、価格の両方を点検
  • 値下げ後も内覧が入らない → 不動産会社の販売活動や媒介契約の種類を根本から見直す

こうして仕分けておくと、「値下げと依頼先の変更を一度に実施する」「値下げだけを何度も重ねる」といった効率の悪い打ち手に陥りにくくなります。

ステップ3:仲介と買取のどちらを選ぶかの決め方

売却の期限まで3ヶ月以内なら買取、6ヶ月以上の猶予があるなら仲介で売り出しつつ価格を調整という選び方がよく見られます。

どこまで時間をかけられるかと、手元に残る金額との兼ね合いで、判断の基準が定まります。

  • 転勤や離婚などで3ヶ月以内に手放したい → 買取が現実的な選択肢
  • 6ヶ月以上の猶予があり、手取りを最大限にしたい → 仲介を続けながら計画的に値下げ
  • 想定される手取り額の差が100万円以下 → 時間とリスクを減らせる利点が大きく、買取に合理性がある
  • 特殊な条件・接道なし・著しい築古など、物件の性質上仲介での売却が難しい → 訳あり物件を専門に扱う業者による買取

最終的には、仲介と買取それぞれの査定を複数社から取り寄せ、手取り額・売却までの期間・リスクの3軸で比べてみると、納得のいく判断につながりやすくなります。

ポイント 〔新サイト名〕編集部

「自分の物件にとってどれが正しい選択なのかわからない」という場合も、確認したい材料は3つに絞れます。①直近2ヶ月の内覧件数、②購入申込書が届いているかどうか、③媒介契約の種類とこれまでの期間です。この3点がわかれば、次に打つ手の8割ほどは見通しが立ちます。たとえば、専任媒介を結んで4ヶ月、内覧3件で申込ゼロという状況なら、値下げを検討しながら、媒介契約の更新タイミングで他社の査定を取り直すとよい時期です。一般媒介を結んで3ヶ月、内覧0件という場合は、広告の露出が足りていないと考えられるので、専任媒介に切り替えて広告を出してもらうよう働きかけるか、依頼先そのものを替えるかを検討しましょう。不動産会社はそれぞれ立場や利害が違うため、相談先によって意見が分かれることもありますが、この3つの数字は立場に左右されない客観的なデータです。査定を比べる前に、まずはご自身でこの3点を整理しておきましょう。

価格を下げる前に取り組みたい対策5つ【優先度順】

値下げ前にやるべき5つの対策【優先順位付き】

価格の引き下げは、ほかの手を尽くしてから検討したい選択肢です。

費用をかけずに、あるいはわずかな出費で取り組める対策を、優先度の高いものから順に進めていくと、手元に残る金額を大きくしやすくなります。

3種類ある媒介契約の違いと切り替えの検討

専任媒介を結んで2〜3ヶ月たっても反応が乏しいときは、更新の時期に合わせて一般媒介への切り替え・依頼先の変更・売り方の再検討を並べて比べるのがおすすめです。

宅地建物取引業法第34条の2で定められている媒介契約は3種類に分かれ、売主がどこまで自由に動けるか、不動産会社がどれだけ積極的になりやすいかが、それぞれ違います。

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契約の種類複数社への依頼自分で見つけた買主との取引業務の報告レインズへの登録契約期間の上限
一般媒介可可任意任意行政指導で3か月以内
専任媒介不可可2週間に1回以上契約日から7日以内3か月以内(法定)
専属専任媒介不可不可1週間に1回以上契約日から5日以内3か月以内(法定)

専任系は依頼先が1社に限られるので、広告費をかけてもらいやすくなる半面、物件情報を他社に回さない「囲い込み」が起こる懸念も大きくなります。

一般媒介では会社同士が競い合う形になりやすいものの、各社の熱意は控えめになりがちです。

専任媒介と専属専任媒介は3ヶ月ごとに更新を迎えるので、この時期に別の会社にも査定を依頼し、売り方を練り直すのが一般的な進め方です。

※契約を解除できる条件は、結んだ契約の内容によって変わります。違約金の有無や、報告義務が守られなかったときの扱いについては、契約書を確かめたうえで、必要があれば専門家へ相談してください。

仲介会社の販売状況を見極める5つの確認ポイント

販売活動がきちんと行われているかは、次の5項目を見ると客観的に判断しやすくなります。

  1. レインズ登録証明書を求める — 専任系の契約では登録が法律で義務づけられています。ステータスが「公開中」になっているかを見ます
  2. ポータルサイトへの掲載 — SUUMO・LIFULL HOME’S・アットホーム等に、自分の物件が載っているかを確かめます
  3. 内覧の数 — ひと月ごとの内覧予約数。伸びないときは価格・広告・物件の魅力のどこかに問題がある可能性があります
  4. 問い合わせの数 — 内覧に至る前段階の反響数で、広告がどれだけ効いているかの目安になります
  5. 報告の頻度と中身 — 専任は2週間に1回、専属専任は1週間に1回が決まりです。どれだけ具体的に書かれているかも大切です

上の項目を順に確かめていくと、仲介会社が本腰を入れて売ってくれているかどうかが見えてきます。

報告書に数字がほとんど書かれていないときは、面談や電話で詳しい説明を求めると安心です。

内覧で好印象を得る工夫(掃除・ホームステージング・接客)

プロによる清掃と片付けを行うだけでも、内覧に来た人の受け止め方はかなり変わり、5〜15万円程度の出費で取り組めます。

内覧は買主が買うかどうかを最後に決める場面なので、このとき受けた印象が成約に至るかどうかに大きく影響します。

取り組む内容売主自身でできるか費用のおおよその目安期待できる変化
片付け・不用品の処分自分で可能0円〜(処分費別)部屋に広がりが出る
ハウスクリーニング専門業者へ依頼3〜15万円水回りが清潔な印象に
ホームステージング(簡易版)専門業者へ依頼5〜30万円暮らしの様子を想像しやすくなる
手軽なリフォーム(壁紙・床材)専門業者へ依頼10〜50万円築年数の古さを感じさせにくい
内覧時の接し方の見直し自分で可能0円買主に安心感・信頼感を与える

なかでもキッチン・浴室・トイレ・洗面といった水回りは買主が注目しやすい場所で、清潔に保たれているかどうかで受ける印象がかなり違ってきます。

換気や消臭でにおいを抑えておくことも、あわせて行っておくと安心です。

売主から働きかけられる物件の見せ方

写真の撮り直し、リフォームした箇所の打ち出し、周辺施設の良さのアピールは、売主の側から不動産会社にお願いできる取り組みです。

販売資料の出来ばえは、内覧に至る前の問い合わせ数に直接影響します。

写真については、日差しが入る時間帯に撮ったリビング・キッチン・寝室を中心に、20枚以上載っているかを確認しておきましょう。

不動産会社を通じて、プロのカメラマンに撮影してもらうサービス(5〜10万円程度)を頼む方法もあります。

物件の紹介文には、「学区」「眺望」「周辺施設」「リフォーム履歴」など買主が気にする点をできるだけ詳しく盛り込んでもらうよう依頼します。

リフォームした箇所は「水回りを全面交換(2023年)」のように時期を添えて書くと、設備がまだ新しいことが買主に伝わりやすくなります。

依頼先の見直しと複数社への再査定

媒介契約を更新する時期に合わせて別の会社にも査定を依頼し、売り出し価格や販売方針を客観的に見比べるのが一般的です。

専任系の契約で3ヶ月たっても反応がないときや、活動報告の中身があいまいなときは、複数社に見積もりを取り直して比べてみる意味があります。

3〜5社程度に改めて査定を頼み、出てきた査定額・売り方の提案・媒介契約の種類を並べて比べます。

会社によって査定額が数百万円単位で違うこともよくあるため、いくつかの会社の意見を照らし合わせると、相場に見合った価格の感覚を持ちやすくなります。

※査定で示された金額が、そのまま売れる値段になるわけではありません。実際の売却価格は買主との話し合いを経て決まります。

複数の会社を手早く比べたい方に向けて、マンション査定サイトおすすめ11選で比較サービスを選ぶときのポイントをまとめています。

売却を考え始めたら、最初の一歩として複数の会社に査定を頼んでみるのがおすすめです。

LIFULL HOME’Sの無料一括査定を使えば、いくつもの不動産会社へ一度に査定を申し込めて、売れそうな価格の目安をつかめます。

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反響が戻らないときの価格見直し戦略【下げ幅と時期】

それでも売れない場合の値下げ戦略【適正幅とタイミング】

ここまでの改善策を試しても問い合わせが増えないときは、価格の見直しを検討する段階に入ります。

価格を下げる好機は媒介契約の更新時

価格を改定する時期としては、媒介契約を更新するときや3ヶ月ごとに行う定期的な見直しの場面がよく選ばれる目安とされています。

契約期間である3ヶ月サイクルに合わせて価格を調整すれば、不動産会社が販売方針を練り直す時期と重なるため、売却活動を無駄なく進めやすくなります。

売り出しからの期間取り組みたいこと価格改定の目安
〜1ヶ月広告や反響のデータを集めながら経過を観察価格は据え置き
1〜2ヶ月内覧数の推移をチェックし改善策を実施価格は据え置き
3ヶ月(媒介契約の更新)反響が乏しければ最初の値下げを検討売出価格比5%前後
6ヶ月再び媒介を更新し、販売方針を根本から再検討売出価格比5〜10%
6ヶ月超仲介を続けるか買取へ移るかを判断個別の状況に応じて判断
※表の内容はあくまで一般的な目安です。妥当な下げ幅は物件の市場性や売り出し時の価格設定によって変わるため、実行する前に複数の不動産会社へ相談することをおすすめします。

下げ幅の基準は売出価格比5〜10%程度

1回の価格改定で下げる幅は売出価格の5〜10%程度が多く、少しずつ刻むよりも買主の目を引く幅で下げるほうが効果を得やすいといわれます。

下げ幅が控えめすぎると買主に「もう少し待てば安くなる」と受け取られやすく、反対に大きく下げすぎると相場を割り込むおそれがあります。

例:3,000万円で売り出している物件なら
➡︎5%で150万円、10%で300万円の値下げがひとつの目安

50万円や100万円といった小幅な値下げを何度も重ねると、「売主が焦っている」と見られやすく、効果が出にくくなります。

下げ幅を検討するときは、レインズや国土交通省の不動産情報ライブラリを使って近隣エリアの最近の成約事例を調べ、無理のない調整幅を見定めます。

あわせて、値下げ後の価格で売れた場合の手取り額が受け入れられる水準かどうか、前もって試算しておくことも大切です。

売却を有利に進める具体的なコツは家を高く売る方法5選!にまとめて紹介しています。

買取査定との比較による底値の見極め

どこまで下げられるかの下限は、買取価格(目安として仲介価格の70〜80%程度)と考えられます。

価格がこの水準より下がる場合は、買取を選んだほうが最終的な手残りが多くなることもあります。

買取査定を受けておくと、所有するマンションの「底値」を把握でき、値下げを判断する際の客観的なものさしになります。

仮に、仲介での売出価格を3,000万円、買取査定額を2,250万円(仲介の75%)と想定してみます。

何度か値下げを重ね、最終的に2,400万円で成約したとすると、税込約87万円の仲介手数料が引かれ、手取りは約2,313万円です。対して、手数料がかからない買取の手取りは約2,250万円のため、両者の開きはそれほど大きくならない可能性があります。

値下げした場合と買取の場合の手取りを並べて比べておけば、「ここから先も下げるなら買取に切り替えたほうが得策」という線引きがはっきりします。

※買取価格は物件の状態や立地、市場の動向によって上下します。査定は複数の買取業者から取り寄せることをおすすめします。

ポイント 〔新サイト名〕編集部

価格を何度も下げながら売り続けるやり方は、囲い込みを招きやすいので注意しましょう。相場より高い価格で売り出し、3ヶ月後に値下げ、6ヶ月後にもう一度値下げ、という流れが長引くほど、不動産会社は自社で抱える買主に紹介しやすくなり、両手仲介を狙える状況ができあがってしまいます。相場に近い妥当な価格で売り出せば、3ヶ月以内に買主同士の競争が自然に起こりやすくなり、値下げをしないまま手取りを最大限に残せる可能性が高まります。査定を依頼するときは「相場どおりの価格で売り出した場合、どのように販売を進めるのか」を各社に聞き、回答を比べてみてください。

仲介以外に残された3つの方法【買取・賃貸への転用・無償譲渡】

最終手段の3つの選択肢【買取・賃貸・無償譲渡】

仲介で買い手が見つからないときに検討できるのは、買取、賃貸、無償譲渡の3つです。

不動産買取(早さと確実さを優先する方法)

買取を選ぶと仲介手数料がかからず、数日〜数週間ほどで代金を受け取れる一方、価格は仲介で売る場合の70〜80%程度に収まるのが通例とされています。

買取を選ぶ利点と注意点
  • 短期間で売却を終えられる
  • 内覧の準備や立ち会いがいらない
  • 仲介手数料を支払わずに済む
  • 契約の中身次第で契約不適合責任の免除・軽減を受けやすく、引き渡し後に揉めるおそれを小さくできる
  • 仲介と比べて手にする金額が2〜3割ほど下がる

転勤や離婚、相続といった理由で売却の期限が迫っている、内覧に応じるのが難しい、引き渡し後の揉め事を避けたい、といった場合には、買取を選ぶことに十分な合理性があると考えられます。

賃貸への転用(持ち続けながら家賃を得る方法)

賃貸に回すのは物件を持ち続けることが前提となるため、見込める家賃収入から空室リスクや管理コストを差し引いた収支を試算したうえで判断することになります。

立地に恵まれて借り手の需要が期待できる物件であれば、長い目で見たときに売るより貸す方が得られるリターンが大きくなる場合もあります。

賃貸に切り替える利点と注意点
  • 毎月の家賃で安定した現金収入が得られる
  • 資産として持ち続けられ、将来の値上がりにも期待できる
  • 市況が上向くまで売却を先送りできる
  • 空室が続くおそれ
  • 入居者との間で起こるトラブル
  • 管理の費用(管理会社へ委託すると家賃の3〜10%)
  • 設備が壊れた際の修繕費の負担

見極めで特に重要になるのは、住宅ローンの返済が終わっていないケースの扱いです。

※住宅ローンの多くは自分が住むための「居住用」を条件としているので、賃貸へ移る際には事前に金融機関へ相談するよう求められる場合があります。

マンションを売る・貸すの判断ポイントでは、収支の試算方法と見極めの基準をくわしく紹介しています。

無償譲渡・空き家バンク活用・相続放棄

売っても利益が出そうにない物件については、譲渡や相続放棄によって保有コストが積み重なるのを防ぐ方法もありますが、税務や法務の専門家に相談することが欠かせません。

築年数が古い、地方にある、特殊な条件を抱えているといった理由で買い手が現れない物件にとっての、最終的な手段という位置付けです。

無償譲渡は、相手が個人なのか、自治体やNPO等なのかによって取り扱いが変わります。

個人に無償で譲る場合は「贈与」に当たり、譲り受けた人に贈与税がかかるおそれがあります。

加えて、時価よりも大幅に安い価格で譲った場合にも、差額の部分が贈与と判断されることがあるので気を付けましょう。

地方の物件であれば、自治体が運営する空き家バンクに登録して活用できる場合もあります。

相続放棄をするには、原則として自分のために相続が始まったと知った時点から3ヶ月以内に、家庭裁判所へ申述することが求められます。

※いずれの方法も税務・法務面のリスクが大きいため、税理士や司法書士、弁護士など各分野の専門家へ相談したうえで決めることをおすすめします。

最終手段の比較一覧(タップで開きます)
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方法受け取れる金額の目安かかる期間おもな利点おもな注意点
仲介相場どおりの価格(100%)3〜6ヶ月より高い価格で売却できる見込み売れるまでに時間がかかる場合がある
買取仲介の70〜80%数日〜数週間早さと確実さ手にする金額が低くなる
賃貸毎月の家賃による継続的な収入入居者が決まる時期による持ち続けたまま収益を得られる空室の不安と管理の費用
無償譲渡0円数ヶ月維持費の負担がなくなる利益は出ず、税金面に注意

仲介と買取で手元に残る金額の試算

【試算の前提】対象: 築15年の中古マンション/取得費: 2,500万円(※わかりやすさを優先し、建物の減価償却費に当たる額は差し引いていない概算です)/所有期間: 5年を超える長期譲渡所得として税率20.315%を適用/譲渡費用は仲介手数料や印紙税などをおおまかに見積もり

次の表では、仲介で売った場合と買取で売った場合のそれぞれについて、手元に残る金額をモデルケースで試算しています。

内訳ケースA:仲介で3,000万円ケースB:買取で2,250万円
売れた価格3,000万円2,250万円
支払う仲介手数料(税込)約105.6万円0円(買取では発生しない)
印紙税約2万円約1万円
譲渡所得約392.4万円-251万円(譲渡損失が発生)
譲渡所得税(20.315%)約79.7万円0円
手元に残る額(特別控除を使わない場合)約2,812.7万円約2,249万円
手元に残る額(3,000万円控除を使う場合)約2,892.4万円約2,249万円
両者の差額—約643万円(仲介の方が多い)
※あくまで概算の試算です。実際に手元に残る金額は、売却価格や諸費用、税額、特例を使えるかどうかによって変わります。正確な金額を知りたい場合は、不動産会社の査定や税理士への相談をご活用ください。

※居住用財産3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条)を使うには、所有や居住に関する要件など、個別の条件を満たす必要があります。(参照:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁)

仲介ではなかなか売れない物件について買取の相談をすることは、早めに現金化したい方にとって現実的な次の一手になります。

LIFULL HOME’Sでは、仲介の査定に加えて買取の査定も、共通のフォームから申し込めます。

できるだけ早く現金に換えたい場合は、買取に対応している会社へ一度に相談を持ちかけられます。

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よくある質問(FAQ)

マンションがなかなか売れずに悩む売主が抱きやすい疑問を、Q&A形式で取り上げます。

どのくらいの期間売れなければ「売れない」状態と考えられますか?

目安としてよく挙げられるのは、販売開始から3ヶ月の時点で内覧が0件のまま、もしくは6ヶ月以上にわたって問い合わせなどの動きが見られないケースです。

一方で、地方都市にある物件や築年数の古いマンションは成約に時間がかかりやすく、6ヶ月が経っても通常の範囲内といえる場合があります。

値下げに踏み切る時期と下げ幅の目安はどれくらいですか?

目安とされるのは、媒介契約を更新する時期や、3ヶ月ごとに価格を見直す時期に、現在の売出価格に対して5〜10%ほど下げる方法です。

少しずつ何度も下げると、買い手に「売主が急いでいる」と受け取られるおそれがあります。ある程度まとまった幅で1回ずつ見直すほうが効果を期待しやすいといわれています。

専任媒介契約で成果が出ない場合、解約や別の不動産会社への変更はできますか?

媒介契約の有効期間は法律で3ヶ月以内と定められているので、更新のタイミングで別の会社へ依頼先を変えることも可能です。

有効期間の途中で解約する場合の扱いは契約によって異なり、違約金や、報告義務を果たさなかった際の取り扱いについて取り決めがあるケースもみられます。

囲い込みをされていないか確かめる方法はありますか?

①レインズの登録証明書を出してもらい、ステータス欄が「公開中」になっているかを見る、②知り合いに頼んで別の不動産会社から問い合わせてもらい、「商談中」を理由に断られないかを試す、③販売活動報告書で問合せと内覧それぞれの件数が分けて書かれているかを確かめる、という3点をチェックすると、囲い込みに気づきやすくなります。

売れない状態を放っておくと、どのような影響がありますか?

固定資産税や管理費、修繕積立金が積み重なっていく負担(年40〜60万円ほど)、販売期間が延びることで生まれる「売れ残っている物件」という印象、相続が起きたときに家族へかかる負担と、3つの問題が表に出てくるおそれがあります。

できるだけ早い段階で原因を突き止め、対策に取りかかることが大切です。

まとめ|売却が進まないマンションで検討したい次のステップ

ここまでの内容を整理すると、以下のようになります。

  • 「売れない」と見なす基準:内覧が3ヶ月0件のまま/申込みが6ヶ月以上入らない/2回以上値下げしても反響がない
  • 考えられる8つの原因:立地・築年数・管理状態/価格設定・内覧対応/広告不足・囲い込み/季節要因・市場競合
  • 価格を下げる前に試したい5つの対策:媒介契約の見直し、販売活動の5項目チェック、内覧の改善、物件の魅力の打ち出し、仲介会社の変更
  • 価格見直しの進め方:媒介契約の更新タイミングで売出価格の5〜10%を目安に調整し、買取査定で下限の価格をつかんでおく
  • 3つの最終手段:仲介の70〜80%が目安となる買取、賃貸への切り替え、無償譲渡(専門家への相談が前提)
  • 判断の流れ:まず原因を切り分け、次に値下げか会社変更かを決め、最後に仲介を続けるか買取へ移るかを選ぶ

ご自身の物件に合った行動を選ぶ際は、内覧件数、申込書が届いているかどうか、媒介契約を結んでからの期間という3つの事実をまず書き出してみてください。そのうえで何社かに査定と売り出し方の提案を依頼して見比べると、遠回りせずに判断しやすくなります。

各社の査定額を並べてみると、相場に見合った価格や売り方を客観的に見比べる手がかりになります。

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田崎 義人のアバター 田崎 義人 賃貸不動産経営管理士

大学在学中に、人材派遣・セールスアウトソースのスタートアップに参画。その後、賃貸不動産会社専門商社に移り、新規事業開発・営業責任者として東証マザーズ上場後に執行役員を務める。
【資格】
賃貸不動産経営管理士

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