【初心者向け】不動産売却で後悔しない注意点12個を契約の段階別に解説

本ページはプロモーション(広告)が含まれています。

先に要点を申し上げると、不動産売却にまつわる心配を減らすには、押さえどころとなる12の注意点をあらかじめ把握しておくことが近道といえます。

次の表では、売り出す前・売っている最中・売れた後という流れごとに、気を配りたいポイントを整理しました。

売却契約前売り手側にも費用が発生する点を把握する
「大手なら安心」と決めつけずに仲介会社を見極める
家の売却はどこに頼む?不動産会社を選ぶ正しい手順
査定の依頼先は複数の会社にする
売却契約中囲い込みをする不動産会社に注意する
内覧の前に室内を丁寧に掃除する
内覧の場で口頭の約束を交わさない
安易なリフォームは控える
物件の不具合は隠さず伝える
売却契約後売買契約書の内容を隅々までチェックする
受け取った手付金にすぐ手を付けない
売却の翌年は確定申告を忘れないよう注意する

この表に沿って準備を整えておけば、はじめて売却に臨む方でも落ち着いて手続きを進めやすくなるでしょう。

とはいえ、「不動産売却」とひとくくりにしても、物件の種別や、住み替え・離婚といった売主それぞれの事情によって、気を付けたい点は少しずつ変わります。

本記事では、そうした違いにも目を配りつつ、売却で外せない注意点をていねいにお伝えします。

本記事に目を通していただくと、不動産を売るときに気を付けたい点をひととおり把握できます。

加えて、物件の種類や売主ごとの事情を踏まえた、より細かな注意点もつかんでいただけます。

安心して売却を進めるための手引きとして、本記事をご活用ください。

売却時に気を付けたい点については、宅地建物取引士と一級建築施工管理技士の資格を持つ方による解説動画もあわせてご覧ください。

※不動産売却チャンネル

※2026年10月現在の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。

目次

流れで見る不動産売却の12の注意点

売却を進めるうえで押さえておきたいポイントは、次の3つの場面ごとに整理できます。

場面が変われば、意識しておきたいポイントも変わってきます。

最初に不動産売却の流れを把握しておくと安心です。気になる注意点へは、下の表のリンクから移動できます。

売却契約前売る側にも費用が発生する点を把握しておく
「大手なら安心」と決めつけずに仲介会社を選ぶ
家の売却はどこに頼む?不動産会社の上手な選び方
査定は複数の会社にまとめて依頼する
売却契約中不動産会社の「囲い込み」に注意する
内覧の前に室内をしっかり掃除しておく
内覧の場で口頭の約束は交わさない
安易にリフォームへ踏み切らない
物件の不具合は包み隠さず伝える
売却契約後売買契約書は隅々まで目を通す
買主から受け取った手付金にはすぐ手を付けない
売却の翌年は確定申告を忘れないようにする

売却の過程では、仲介会社への依頼や、売主・買主の間で交わす大切な契約書類のやり取りなど、さまざまな手続きが発生します。

手間がかかりそうに感じるかもしれませんが、1つずつ中身を把握しながら進めれば、はじめての売却でもつまずく可能性を抑えられます。

ここからは売却の流れに沿って、各ポイントを順に確認していきましょう。

不動産売却で成果を出すための市場の調べ方

不動産売却で成果を出すための市場の調べ方

市場調査の基本は、すでに成立した取引、今後を占う指標、いま売りに出ている競合の三位一体で状況をとらえることです。

成約実績から価格の下限をつかみ、人口の動きで売りどきをはかり、競合との比較で上限を探る流れを踏めば、裏付けのある価格戦略を組み立てやすくなります。

ここからは、それぞれの調べ方を順番に見ていきます。

過去の売買データでつかむ地域の不動産市況

市場調査の起点となるのは、同じエリアでどのような物件がどの程度の価格で取引されてきたかという情報です。

売買の履歴を押さえておくと、自宅が今どのくらいの価格帯で売れそうかを想像しやすくなり、強めの価格で勝負するか、早く手放すことを優先するかを決める助けになります。

株価がそうであるように、不動産価格でも最も信頼できる目安は「現実に成立した取引」です。成約事例を集めておけば、机上の相場(※)にとどまらない実際の成約レンジが見えるため、査定額が相場とかけ離れて高い、あるいは低いといったズレを避けやすくなります。

※机上の相場は、現地に足を運ばず、データとして手元にある情報のみから算出した不動産の価格相場を指します。

具体的な手順については、「2-3「家の売却相場」を自分で調べる方法とポイント」で詳しく紹介しています。

公的なデータベースで過去の成約価格を確かめる作業は、市場調査における第一歩といえます。

費用をかけずに見られる公的サイトを使って、裏付けのある価格帯をあらかじめつかんでおくと安心です。

不動産経済指標と人口動向から読み解く売却のタイミング

現在売れる価格に加えて今後の価格の動きまで見通せれば、売り出す時期をより良く選べるようになります。

先行きを読む材料として有効なのが、人口移動や住宅着工件数といったマクロ指標です。

需給のバランスが変わると、まったく同じ物件であっても、半年後には価格が下がったり上がったりする場合があります。

エリアの住宅供給の量や、人の転入・転出の傾向は、国土交通省の「住宅着工統計」や総務省の「住民基本台帳人口移動報告」で確認でき、今後の価格を予測する手がかりになります。

仮に周辺の市区町村で人口が3年連続で減り続けており、同時に着工される新築マンションが増えているなら、数年先に中古物件の価格が下がるおそれは大きくなるでしょう。

以下に示すのは宮城県のデータで、着工される新築マンションの数が増える一方、人口は減っています。

住民基本台帳の人口移動報告
参照:総務省「住民基本台帳人口移動報告」
住宅着工統計
参照:国土交通省の「住宅着工統計」

県全体を対象としたデータのため、同じ県内でも地域ごとに状況は異なりますが、おおまかな判断の目安としては役立つはずです。

マクロ指標に目を通しておけば、すぐに売り出すか、翌年まで様子を見るかを客観的に考えやすくなります。

売り出し中の競合物件と比べる適正価格の見極め方

売り出し価格を最終的に決める段階では、いま市場に出ている競合物件と比べる作業が欠かせません。条件の近い物件よりも魅力的に見えれば、早期かつ好条件での成約が期待できます。

ポータルサイトを使う買主は、いくつもの物件を並べて見比べています。築年数や広さ、駅からの距離が同程度なのに自分の物件だけ価格が高いと、内覧の候補にすら入らない可能性があります。

反対に、相場よりやや安めに見せる方法や、価格は据え置いてリフォーム後の写真を載せる方法など、ほかの物件との違いを打ち出す工夫を考えやすくなります。

掲載価格を手がかりに相場をつかむ例

スーモやアットホームで「築15年以内」「70㎡以上」「駅徒歩10分以内」のように条件を絞り込み、いま掲載されている価格を一覧にまとめます。

平均額が4,200万円だった場合、4,380万円で売り出せば「高め」と受け取られ、3,980万円であれば「お得」と感じてもらいやすい、というイメージです。

あわせて、マンションの管理費・修繕積立金や、眺望、階数などの項目も見比べ、自分の物件の長所と短所を整理しておきましょう。

物件比較

価格の下限は過去の成約データで、上限はいま売り出し中の競合物件で確かめると、裏付けのある適正な価格帯が浮かび上がります。

相場感をつかんだうえで他の物件にない強みを用意し、買主に“第一候補”として選んでもらうことが、売却をうまく進めるポイントです。

【売却契約前】トラブルや後悔を防ぐために押さえたい準備事項

【売却契約前】トラブルや後悔を防ぐために押さえたい準備事項

不動産の売却で気を配るべき点は、契約を結ぶ前の準備期間から生じていることを意識しておきましょう。

売り出しの前に確認しておきたいのは、次のような項目です。

ここからは、各項目を1つずつ順番に解説します。

売主側にも出費が生じる点の把握

不動産の取引では、売り手であっても支払いが生じる点を頭に入れておきましょう。

物を手放す側は「代金を受け取るだけ」と思われがちですが、不動産の場合は売主にも次のような出費が求められます。

かかる費用は、どの売主にも共通するものと、状況次第で生じるものの2種類に分けられます。最初に、共通して負担する費用から見ていきます。

どの売主にもかかる費用(共通)

売却する人が共通して負担する費用には、次のようなものがあります。

◎仲介手数料

金額<400万円超>
取引物件価格(税抜)×3% + 6万円+消費税

<200万円~400万円以下>
取引物件価格(税抜)×4%+2万円+消費税

<200万円以下>
取引物件価格(税抜)×5%+消費税
概要仲介を依頼した不動産会社へ支払う報酬

◎印紙税

契約書に記された金額税額
1万円未満非課税
10万円以下200円
10万円を超え 50万円以下のもの200円
50万円を超え 100万円以下のもの500円
100万円を超え 500万円以下のもの1,000円
500万円を超え1千万円以下のもの5,000円
1千万円を超え5千万円以下のもの10,000円
5千万円を超え 1億円以下のもの30,000円
1億円を超え 5億円以下のもの60,000円
5億円を超え 10億円以下のもの160,000円
10億円を超え 50億円以下のもの320,000円
50億円を超えるもの480,000円
金額の記載のないもの200円
国税庁ホームページをもとに作成

◎抵当権抹消費用

費用の目安不動産1個につき1,000円

<司法書士へ手続きを任せるケース>
上記 + 5000円~2万円
概要抵当権の抹消登記を行うときにかかる

◎住宅ローン返済手数料

費用の目安無料~5万5000円程度
※借入先の金融機関や手続きのやり方により変わる
概要ローンの残債をまとめて完済する際、金融機関へ支払う

◎譲渡所得税

費用の目安所有期間が5年以下⇒売却益×39.63%
所有期間が5年超⇒売却益×20.315%
概要売却によって利益が生じたときに課される税で、所得税・住民税・復興特別所得税をまとめた呼び方

想像以上にさまざまな出費が重なることが見えてきます。

状況次第で売主にかかる費用(場合による)

続いて、物件や売主の事情によっては負担が生じうる費用を紹介します。

◎ハウスクリーニング費用

費用の目安1万5000円~12万円程度
概要住みながらか退去済みか、さらに間取りの広さでも料金が変わる

◎測量費用

費用の目安50万円~100万円程度
概要土地を測量してもらうためにかかる

◎解体費用

費用の目安木造:2万5000円〜5万円/坪
鉄骨造:3万4000円〜5万円/坪
鉄筋コンクリート造:4万円〜8万円/坪
概要建材や構造、規模に加え、取り壊す建物のまわりの環境によっても金額が上下する

◎売買契約に関連する書類の取得費用

費用の目安1部200円〜600円
概要住民票や筆界特定書などを取り寄せる費用。状況により提出を求められることがある

物件の状態や売主の事情によって生じる費用に限っても、まとまった支出になる可能性があります。

売却を検討している方は、手続きに入る前に必要な費用の総額をおおまかに見積もり、資金の段取りを整えておくと安心です。

「大手だから安心」と思い込まない不動産仲介会社選び

大手=良いではない理由

売却の成否は、依頼先となる不動産会社によって大きく左右されます。

納得できる価格で、スピーディーかつ円満に手放すうえで、依頼先の選定は重要な1つの要素と考えられます。

「大手に任せておけば安心」と思われる方も多いものの、いつも当てはまるわけではありません。

大手にも地元に根差した中小業者にも、それぞれ強みと弱みがあります。

以下では、「大手が正解」と言い切れない理由と、納得のいく会社の選び方を順に解説します。

大手が最適とは言い切れない背景

仲介会社を検討するときは、「大手の会社だから安心」と決めつけずに比べることが大切です。

大手に任せたからといって、高い価格で売れるとは限らないためです。

大手と中小の会社では、下記のように強みを持つ分野と弱い分野が分かれる傾向があります。

まずはタイプ別の特徴を確認してみましょう。

比較項目大手の仲介会社中小の仲介会社
強みを持つエリア都市部特定エリア・地方・郊外
販売活動にかける費用高い低い
買主を集める力高い低い
保有するエリア情報広範囲限られたエリアに特化

※表の評価は本記事の主観による目安です。大手・中小のどの会社にも一律に当てはまるものではありません。

表の内容を整理すると、大手と中小それぞれの特徴は次のとおりです。

<大手の会社>

  • 都市部の物件に強い
  • 広い範囲で積極的に売り出しやすい
  • 多くの買主を呼び込みやすい
  • 幅広い地域の情報を持っている

<中小の会社>

  • 特定エリアや地方・郊外の物件に強い
  • 販売にかける費用が抑えめで、広範囲での展開は苦手な場合もある
  • 買主を集める面ではやや弱い
  • 限られた地域について詳しい情報を持っている

売りに出す予定の物件が地方にある場合などは、地域の事情に通じた中小会社のほうが、高値での売却につながる可能性も考えられます。

こうした点を踏まえると、「大手の仲介会社を選べば正解」と単純には言えないことが見えてくるはずです。

安心して任せられる不動産会社の見極め方

任せて安心な会社を見つけるには、複数社を比べたうえで、担当者の対応や提案の中身を丁寧に見極めることが大切です。

査定額の高さだけで判断せず、「その金額になった根拠」や「どのような戦略で売り出すのか」を分かりやすく説明してくれる会社を選ぶのがおすすめです。

あわせて、これまでの売却実績や利用者の評判、担当者の話しやすさもチェックしておきたいポイントです。

返事が遅い、説明がはっきりしない、契約を強引に迫ってくるといった会社は、候補から外しておくと安心でしょう。

効率よく比べたい方は、一括査定サイトのおすすめランキングを参考にしてみてください。

無料で複数社の査定結果を受け取って見比べることで、ご自身の物件に合った会社を探しやすくなります。

自分で調べる家の売却相場と買い叩きへの備え

あらかじめ自宅の適正な相場を把握しておくことも、大切なポイントです。

相場がわかっていれば売れやすい価格の目安がつかめるうえ、仲介会社と話を進める際に、不当な安値で買い叩かれるのを防ぎやすくなります。

では、自宅の適正な相場はどのような方法で調べられるのでしょうか。

以下で2つの方法を取り上げます。

レインズマーケットインフォメーションでの相場の調べ方

レインズ公式
出典:レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーションは、国土交通大臣の指定を受けた「不動産流通機構」が運営と管理を担うサイトです。

適正価格の目安をつかむには、サイト上でご自宅と条件の近い物件を探し、成約した価格をチェックしてみましょう。

不動産情報ライブラリでの取引価格チェック

不動産情報ライブラリ
出典:不動産情報ライブラリ

不動産情報ライブラリは、国土交通省の管轄で提供されているサイトです。

不動産の取引価格のほか、地価公示や都道府県地価調査に関する価格なども調べられます。

ご自宅周辺の住所で、条件の似た不動産が実際にいくらで取引されたかを確かめられるので、客観的な視点から適正な相場を把握するのに役立ちます。

相場を知る手段として、ぜひ取り入れてみてください。

査定は複数の会社へまとめて依頼|一括査定サイトの活用

不動産の査定を申し込むときは、複数の仲介会社にまとめて依頼するのがおすすめです。

いくつかの査定額を並べてみるとおおよその相場がつかめ、より有利な条件で売却できる可能性が高まるためです。

査定を1社だけに任せると、提示された金額が相場より高いのか低いのかを見極められず、思い描いた価格での売却が難しくなるおそれがあります。

ポイント 〔新サイト名〕編集部

査定額が妥当かどうかは、複数社の結果を比べることで見きわめやすくなります。ただし査定は売却の最初の一歩で、その後には契約や引き渡しといった段階が続きます。どの段階で何をすべきかがわかる全体の地図を用意しておくと、不安を和らげやすくなります。家を売るための具体的な流れと戦略をプロの視点で確認し、迷わず次の段階へ進みましょう。

さらに、査定のやり取りを通じて各社の担当者と接することで、どの担当者が親身に向き合ってくれるかを比べられます。

大切な不動産の販売に熱意を持って取り組んでくれる担当者かを見極めるためにも、いくつかの不動産会社に連絡を取って査定を依頼するようにしましょう。

情報を1度入力するだけで、複数社の無料査定をまとめて受けられる不動産一括査定を使うと、最初の手間を省けて便利です。

一括査定サイトとそれぞれの特徴は下記のとおりです。査定を受けたあとに、その会社へ売却を任せる義務はなく、断ることもできます。

表の中のリンクから各サイトへ移動できますので、ぜひ役立ててください。

おすすめの不動産一括査定3選
すまいValue
すまいValue
業界を代表する大手不動産会社が共同で運営
3ヶ月以内の売却成約率71.3%(※)
▼大手6社へまとめて査定を依頼▼
すまいValueで査定を申し込む
すまいステップ
すまいステップ
「すぐに売りたい」という希望に応える高い売却率が魅力
独自基準を満たした優良不動産会社を厳選
▼エース級の担当者と出会える▼
すまいステップで査定を申し込む
LIFULL HOMES
LIFULL HOME’S
匿名での査定にも対応
提携不動産会社数No.1

▼郊外・地方の物件をお持ちの方にもおすすめ▼
LIFULL HOME’Sで査定を申し込む
※出典:すまいValue公式サイト(2023年度内に査定を依頼し、依頼から1年以内に媒介契約を締結、さらに媒介契約から1年以内に成約した方のうち、媒介契約から3ヶ月以内に売却へ至った方の割合)
SREリアルティ
無料
SREリアルティ
運営:SREホールディングス
一括査定と合わせて使いたい!
エージェント制で信頼のパートナーを
ソニーグループの技術を活用したAI査定と、売主に寄り添う「エージェント制」を採用。 一括査定で価格を比較すると同時に、専任担当として最善を尽くす不動産のプロに戦略を相談しませんか。
\ 最短60秒で入力完了・オンライン面談もOK / SREリアルティで不動産査定・無料相談する >
※サービスエリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県です。

不動産売却で求められる書類と揃え方

不動産売却で求められる書類と揃え方

売却時に用意する書類は、〈権利証+税通知〉〈土地図面〉〈物件状況・設備表〉の3セットに分けて考えると準備を進めやすくなります。

所有権の証明、境界の確認、不具合の開示という要点を押さえられれば、買主が抱く心配が和らぎ、希望に近い価格での成約も期待できます。各書類の入手手順や記入のコツを、以下で順に確認していきましょう。

登記識別情報(権利証)と固定資産税通知書のチェック

売買契約の際、物件の持ち主が売主本人であることを裏付けるうえで最も重視されるのが【登記識別情報(以前は権利証と呼ばれていた書類)】です。

加えて、固定資産税通知書は毎年の税負担を買主が見積もる手がかりとなります。両方とも余裕をもって手元に揃えておけば、手続きが滞りにくくなります。

確認事項権利証(登記識別情報)
書類の働き登記名義人であることを示し、所有権移転登記の手続きで使用
なくした場合再発行の制度はなし。司法書士と相談のうえ、本人確認情報方式や事前通知の手続きで代替
押さえどころ追加の手続きで数万円ほどの費用が生じることも。早い段階での所在確認がおすすめ

登記名義人である証として、所有権移転登記のときに司法書士へ提示するのが権利証で、売却には欠かせない書類といえます。

【「登記識別情報」の実物写真】

登記識別情報
登記識別情報通知

手元に見当たらない場合、法務局での登記に際して「事前通知」や「本人確認情報」といった別の手続きを踏むことになり、数万円〜の費用がかかるケースもあります(出典:法務局 登記識別情報の再発行手続き)。

固定資産税通知書は、土地と建物の評価額が記された公的な資料です。買主にとっては、購入後の維持費を試算するうえでのよりどころとなります。

いざ売却に動き出そうと家中を探したものの、権利証が出てこないという例は少なくありません。

見つからなかったときは早めに司法書士へ連絡し、本人確認情報方式と法務局の事前通知のどちらで進めるかを相談するとよいでしょう。

固定資産税通知書は自治体から毎年4〜6月に送られてきます。直近年度のコピーを仲介会社に預けておけば、内覧の場でも説明をスムーズに進めてもらえます。

公図・測量図は法務局で入手!無い場合は測量業者へ依頼

土地を含む物件の売却では、公図や測量図、境界確認書のように「土地の形状と境界」がわかる書類が重要になります。揃っていると買主の心配を解消しやすく、価格の交渉でも優位に立ちやすくなります。

面積や隣の土地との境目がはっきりしないと、買主は「購入後に越境をめぐって揉めるかもしれない」と身構え、値引きを求めてくる傾向があります。

境界確定図が用意されていれば、売買後に問題が起こるリスクを大きく抑えられるといわれています。

書類公図(地形図)
用途土地のおおよその位置や形状が確認できる
入手先法務局または登記情報提供サービスで取得できる

公図は法務局で申請すれば取得でき、手数料も数百円程度に収まります。

測量図や境界確認書については、以前依頼した測量業者の書類や隣地所有者と取り交わした書面が自宅に保管されていないか探してみましょう。

見つからない場合は、売り出す前に簡易測量(10万〜30万円前後)を頼んでおくのも一案です。買主の信頼を得やすくなり、納得のいく価格での成約につながりやすくなります。

物件状況報告書・設備表の作成によるトラブル防止

中古物件を売る際は、売主が「物件状況報告書」と「設備表」に記入し、雨漏りやシロアリ被害、給湯器の不具合といった情報を偽りなく伝えることが、トラブルを防ぐうえで重要です。

2020年の民法改正により、買主は「説明を受けていなかった欠陥」について、損害賠償や契約の解除を求めやすくなっています。

詳しくは、前述の7-3「違反事例とトラブル回避のための対策」もあわせてご確認ください。

物件状況報告書
設備表

参照:国土交通省

物件状況報告書には「雨漏りの有無」「配管の水漏れ」「近隣からの苦情」といった確認項目が並んでいます。安易に「不明」と記入せず、専門業者による点検の結果や修繕の記録を添えると、買主に安心してもらいやすくなります。

設備表には「エアコン3台:2018年製造、正常に作動」「食洗機:故障中、買主側で交換予定」のように具体的な状態を書き込み、引き渡し後に“言った言わない”の食い違いが生じないようにしましょう。

国土交通省のトラブル防止マニュアルにおいても、売主が物件の現状を細かく申告すれば、のちの紛争を減らせるとされています。

物件状況報告書と設備表は、いわば「住宅の健康診断書」です。小さな不具合まで正直に記しておけば契約後のもめごとを防ぎやすくなり、買主の信頼を得て成約までの期間短縮も期待できます。

【物件種別】売却で気を付けたいポイントを不動産のタイプごとに整理

【物件種別】売却で気を付けたいポイントを不動産のタイプごとに整理

ここまでは、どの不動産を売る場合にも共通して押さえておきたいポイントを取り上げてきました。

加えて、売りに出す物件のタイプによっても、意識しておきたい点がそれぞれ異なります。

以下のタイプに分けて、順に確認していきます。

マンションは周辺で売りに出ている物件の単価を確認したうえでの価格設定

ご自身のマンションの売り出し価格は、周辺で競合する物件の単価を確かめたうえで設定するのがおすすめです。

▼物件単価の考え方

面積あたりの価格のことで、物件価格を面積で割って求めます。

計算例:

  • マンションの広さ:70㎡
  • 価格:3,500万円

物件単価は、3,500万円÷70㎡で50万円/1㎡となります。

周辺で売りに出されている物件の単価を把握しないまま価格を設定すると、買い手がなかなか見つからず売却が長期化したり、本来より安い金額で手放して損をしたりするおそれがあります。

近隣マンションの相場の動きを確かめつつ、売り出し価格を検討しましょう。

条件に恵まれた物件なら相場より強気の価格設定も選択肢に

もしご自身のマンションに、

「ルーフバルコニーがある」
「最上階に位置する」
「南向きである」
「角部屋である」

といったはっきりとした強みがあるなら、事情は変わってきます。

周辺の物件と比べて少し上乗せした価格で売り出すことも、十分に検討の余地があるでしょう。

戸建ては売れるまでの期間がマンションより長めになる傾向

戸建ては、マンションと比べて売却までに時間を要しやすい点に気を付けましょう。

一般的に、戸建てが売れるまでには平均で約6か月ほどかかるといわれています。これに対してマンションは平均約3~4か月で売れており、戸建てより短い期間で売却が完了している様子がうかがえます。

ただし、これらは平均値にすぎず、物件によっては6か月もかからずに売れるケースもあります。

とはいえ、急いで戸建てを売却したいときに、マンションと同程度の期間で売れると見込んでいると、スケジュールに狂いが生じかねません。

時間に余裕がない場合は、不動産買取という方法も検討しながら、必要書類の用意や不動産会社との連絡を早めに進めておくと安心です。

土地は境界の確定と所有権の移転がポイント

続いて、土地を売る際に気を付けたい点を確認します。ここでは次の2つを取り上げます。

  • 境界をはっきりと確定させる
  • 所有権を買主へ移す

以下で一つずつ解説します。

土地の境界の確定

土地を売るときに特に気を配りたいのが、境界が正しく確定しているかどうかという点です。

地積測量図や登記簿謄本は土地の広さを把握する手がかりになりますが、そこに書かれた面積が、実際にあなたが持っている土地の広さと一致しないケースもあります。

書類上の面積をもとに売買する「公簿売買」は、珍しい取引ではありません。しかし、土地の広さによって建てられる建物の規模も変わるため、公簿売買で取引した土地がのちにトラブルの原因になるケースも見られます。

地積測量図で示された位置に境界標や境界杭が見当たらない場合や、公的な書類上の面積と実際の面積に差がある場合には、測量士へ相談し、境界標を復元したり確定測量を行ったりしてもらいましょう。

測量を終えると、次のような書類が手に入ります。

  • 確定測量図または現況実測図
  • 境界確認書

これらの書類がそろっていれば、売る側も買う側も不安なく取引を進めやすくなります。土地を手放す予定があるなら、覚えておきたいポイントです。

所有権移転登記の手続き

土地の買い手が見つかって売買契約を締結しても、登記上の名義人が自動的に切り替わるわけではありません。

名義を買主へと変更するには、所有権移転登記を申請することが求められます。この手続きで押さえておきたいのは、次の2つです。

  • 所有権が買主に移ってから1か月以内に手続きを終える必要がある
  • 売主・買主の双方が共同で申請する必要がある

売買代金の全額が支払われる決済のタイミングに合わせて、司法書士へ手続きを任せ、同時に済ませるのが一般的です。

【売却活動中】起こりやすいトラブルと気を付けたいポイント

【売却活動中】起こりやすいトラブルと気を付けたいポイント

売り出しの準備ができたら、いよいよ買主探しのスタートです。販売期間中に気を付けたいポイントは、次の5点です。

では、1つずつ順番に確認していきましょう。

仲介会社の「囲い込み」への警戒

依頼先を1社に絞る「専属媒介契約」や「専属専任媒介契約」などを結んだ場合は、仲介会社が物件を抱え込む「囲い込み」が起きていないか、売主自身でも確認しておくことが大切です。

「囲い込み」の意味

売却の依頼を受けた不動産会社が、物件情報を他社に回さず、他社経由での販売を意図的に妨げる行為をいいます。

たとえば、他社から「この物件を顧客に案内したい」と問い合わせがあっても「すでに買い手が決まっています」といった事実と異なる説明をして断り、自社だけで買主を見つけられるよう情報を抱え込むケースです。

売主側から見ると、囲い込みには次のような不利益があります。

  • より高い価格で成約できた可能性を失う
  • 売れるまでの期間が延びてしまう

たとえば4000万円で売り出した直後に、他社経由で満額での購入を希望する人が現れたのに、仲介会社が自分の判断だけで断ったケースを考えてみてください。

もしその後、4,000万円で購入する人がなかなか見つからなければ、数百万円ほど価格を下げて販売を続けることになります。

売主からすれば、高値で手放せる好機を失ったうえに売却まで時間もかかり、不利益ばかりが残ってしまいます。

囲い込みを防ぐために売主ができる対策としては、契約先とは別の不動産会社に物件の状況を問い合わせてみる方法がおすすめです。

実際にはまだ売れていないのに、別の会社から「その物件はもう売れてしまったようです」と言われた場合は注意が必要です。

契約中の不動産会社が、物件情報を囲い込んでいるおそれがあります。

内覧の前に念入りに片付けたい場所は「玄関」と「水回り」

マンションや戸建てを売るときは特に、内覧の前に室内を丁寧に掃除しておきましょう。

部屋が整っていると物件の印象がよくなり、買主の「この家を買いたい」という気持ちも高まりやすいためです。

重点的に掃除しておきたいのは、次の2か所です。

  • 玄関
  • 水回り(キッチン・浴室・トイレ)

玄関

玄関は内覧に来た人が真っ先に目にする場所であり、家全体の第一印象を左右します。

置いてある物を減らしてできるだけ広く見せ、拭き掃除も丁寧に行って清潔感を出しましょう。

見落としやすいのは玄関の壁です。床のタイルばかりに気を取られがちですが、壁には靴の汚れや外から持ち込まれたほこりが付いていることがよくあります。

床だけでなく壁まで忘れずに掃除して、内覧に来た人によい印象を持ってもらえるようにしましょう。

水回り(キッチン・浴室・トイレ)

キッチン・トイレ・浴室といった水回りは、清潔さが何より見られる場所です。

水垢やカビが付きやすく、掃除が行き届いていないと、内覧者に気になる点として残ってしまうおそれがあります。

キッチンでは、コンロまわりの油汚れ、シンクの黒ずみ、食べかすのほか、レンジフードまで丁寧に掃除しておきましょう。

トイレは便器だけでなく、壁・棚・ドアなど手の届く範囲をなるべく清潔に保ちましょう。嫌な臭いがこもらないよう、無香料の芳香剤を置いておくのもひとつの方法です。

浴室は浴槽に目が行くため掃除する方が多いものの、天井や浴室の窓まで丁寧に磨いておきましょう。なかでも鏡がきれいだと、浴室全体の印象がぐっとよくなります。

自分で掃除しても落ちないカビがあるときは、専門の清掃業者への依頼も検討してみてください。

内覧中の口頭での約束に注意|トラブル予防のポイント

内覧の場では、売主と買主が口頭で約束を交わさないことが基本です。

約束ごとや条件の提示は、すべて仲介を担う不動産会社を介して行わないと、後になってトラブルの原因になりかねません。

たとえば内覧に来た人から「リビングにあるエアコンは置いていってもらえますか?」と尋ねられ、その場で軽く引き受けてしまうと、事情が変わったときに大きなもめごとに発展するおそれがあります。

内覧ではあくまで「室内を見てもらう場」と割り切り、内覧者と直接の約束はしないようにしましょう。

売却前の安易なリフォームに注意|まずは担当者へ相談

売却前に安易にリフォームするのも控えましょう。

売主が良かれと考えて室内に手を入れても、買主の側は「自分の好みに合わせて改装したい」と考えているケースが多いためです。

実際、ここ数年は自分たちの暮らしに合わせたリフォームを楽しもうと、中古物件を選ぶ買主が増えています。

「中古マンションを選びたい」というニーズの高まりは、首都圏における中古マンションの販売戸数が2016年に新築マンションを超えたことからも読み取れます。

首都圏マンション市場動向
出典:国土交通省「マンションを取り巻く現状について」

「リフォーム済みなら売れやすい」という思い込みは見直し、リフォームの要否は不動産会社の担当者と十分に話し合ったうえで判断するようにしましょう。

物件の欠陥は隠さずに開示|売主に求められる義務

物件の欠陥がわかっている場合は、買主に包み隠さず伝える必要があります。

「欠陥を知られたら購入を見送られるかもしれない」と不安になる気持ちは理解できます。

しかし、欠陥を把握していながら契約書類に書かずに隠したまま売却すると、民法で定められた「契約不適合責任」の対象となり、売主が責任を問われることになります。

欠陥が後から明らかになった場合、買主には次のような対応を段階的に取ることが法律上認められています。

  • 欠陥部分の修理や交換を、売主の負担で行うよう求める
  • 売買代金を減らすよう請求する
  • 損害賠償を求める
  • 売買契約そのものを解除する

こうした事態を避けるためにも、事前に把握している欠陥は買主へあらかじめ開示し、契約書類にも明記しておくことで、大きなトラブルを防ぐようにしましょう。

【売却契約後】契約を結んだ後に気をつけたい3つのポイント

【売却契約後】契約を結んだ後に気をつけたい3つのポイント

買主との契約が無事にまとまっても、まだ気を抜くには早い段階です。

売却が決まった後に取り組みたいのは、次の3点です。

ここから1つずつ順に解説します。

売買契約書の記載内容を隅々までチェック

契約書類は、書かれている内容をすみずみまでチェックしておきましょう。

いったん締結した売買契約は、後から気軽に取り消せるものではないためです。

署名した後で「書いてある内容が違っていた!」と慌てることのないよう、取り決めた条件どおりになっているか、自分の希望がきちんと反映されているかを丁寧に見ておくことが大切です。

主なチェック項目は、次のとおりです。

売買契約書でチェックしておきたい項目
物件の情報が登記事項証明書(登記簿)の内容と食い違いなく書かれているか
売買代金や手付金の金額に誤記がないか
買主の測量で登記簿上の面積と差が出たとき、土地代金をどう精算するか
売主から買主へ所有権が移転するタイミングはいつか
エアコン・照明器具といった付帯設備のうち、どれを置いていくのか
引渡しまでに物件や設備が滅失・破損したときの扱いはどうなるか
契約不適合責任が及ぶ範囲と期間
契約違反で解除となったときに発生する違約金の取り決め
抵当権(担保)を抹消する時期と、抹消できなかったときの扱い など

以上の項目に目を通して気になる点が見つかったら、遠慮なく不動産仲介会社の担当者に相談し、納得したうえで手続きを進めていきましょう。

受け取った手付金はしばらく手元に温存

買主から受け取った手付金は、しばらく手をつけずに残しておくと安心です。

手付金は、買主が「この物件を買います」という意思を示すために売主へ渡すお金のことです。支払いは原則として現金で行われ、金額の目安は購入価格の5~10%程度とされています。

仮に2000万円で売れる物件なら、100〜200万円ほどが手付金の目安になる計算です。

ただし、買主側のローン審査が通らないケースもあり得ます。

審査に落ちると買主は物件を購入しにくくなるため、受け取った手付金を返還しなければならない場面が出てきます。もし手付金を使い込んでいると返金が難しくなるおそれもあり、とてもリスクの高い状態です。

ローン審査を通過して買主の購入がはっきり決まるまでは、手付金を使わずに保管しておくようにしましょう。

売却した翌年の確定申告の手続き

売却が済んだ翌年は、確定申告を忘れないよう注意しましょう。

売却によって譲渡益が生じたときは、売却した年の翌年2月16日~3月15日に確定申告をする必要があります。

申告の期間は原則毎年2月16日から3月15日までと決められていますが、期限の日が土曜日・日曜日・祝日などの休日にあたるときは、休日明けの日が期限になります。

【確定申告に向けた日程の目安】

確定申告スケジュール

もし申告をしないまま放置すると、次に挙げる「無申告加算税」や「延滞税」が課されるおそれがあります。

<無申告加算税>

期限内に申告しなかったことへの罰則として上乗せされる税金です。本来の納税額に応じて、次の割合がかかります。

  • 50万円以下の部分:15%
  • 50万円超え〜300万円の部分:20%
  • 300万円超えの部分:30%

<延滞税>

決められた納付の期限を過ぎたときに上乗せされる税金です。

・期限の翌日から数えて2か月以内に納付したとき

⇒「特例基準割合+1%」と年7.3%のうち、低いほうの割合

・期限の翌日から2か月以上経ってから納付したとき

⇒「特例基準割合+7.3%」と年「14.6%」のうち、低いほうの割合
※延滞税の計算方法の詳細はこちら(国税庁のサイトが開きます)

どちらの税も、納める金額が多くなるほど負担がふくらむ仕組みになっています。

売却が済んだら、翌年2月16日~3月15日の期間内に確定申告を終えられるよう、早めにスケジュールを組んでおくと安心です。

売却後の確定申告をもっと詳しく知りたい方へ

売却後に必要な確定申告の手順をくわしく確認したい方は、「不動産売却の確定申告がゼロからわかる!初心者向け完全マニュアル」もあわせて参考にしてください。

不動産売却時に押さえておきたい税金の基礎知識

不動産売却時に押さえておきたい税金の基礎知識

売却後の手取りを守るうえで大切なのは、〈税金がかかる仕組み・所有期間による税率の差・特例の使い方〉をあらかじめ把握しておくことです。

この章では、税負担をより正確に見積もる考え方と、3,000万円控除をはじめとする負担軽減策を利用する流れを確認できます。

順番に解説します。

譲渡所得税・住民税の仕組みと手元に残る金額の把握

売却によって利益(譲渡所得)が生じた場合、所得税や住民税の課税対象になることがあります。

課税されるのは「売れた金額から取得費と売却にかかった経費を除いた額」です。仕組みを知らないまま売却を進めると、想定外の支払いが生じて手取りが目減りするおそれがあります。

譲渡所得 = 譲渡価格 -(取得費 + 譲渡費用)

仕組みの理解が欠かせないのは、売却で得た利益に所定の税率がかけられる一方、控除や特例を使えれば税負担を抑えられる可能性があるためです。

加えて、住民税は売却した翌年以降の納付時期にも関わってきます。売却後のお金の使い道を考えるうえでも、いくらを・いつ納めるのかを事前に確認しておくと安心です。

3,000万円で買ったマンションを、数年後に4,000万円で手放したケースで考えてみます。単純計算では差額の1,000万円が譲渡所得にあたり、仲介手数料などを引いた残りの金額に課税されます。

計算ミスによって申告に漏れが生じた場合、あとから追徴課税を受けるおそれもあるため注意が必要です。

参考:国税庁(令和6事務年度 所得税及び消費税調査等の状況)

両方の税の仕組みを理解しておくと、将来の納税額を見込んだうえで、手元に残るお金を精度高く見積もれます。

不動産は取引額が大きく、税負担の差がそのまま家計を左右しかねません。早い段階で基本的なルールを確認しておくことをおすすめします。

短期譲渡(5年以下)39.63%と長期譲渡(5年越)20.315%の税率差

売却益にかかる所得税・住民税の税率は、所有期間が5年以下かどうかで区分されます。

言い換えると、保有した期間が短いほど税率は高く、長く持つほど低い税率になる仕組みです。

項目短期譲渡所得長期譲渡所得
所有期間5年以下(※1月1日時点)5年超(※1月1日時点)
所得税30%15%
復興特別所得税0.63%0.315%
住民税9%5%
税率の合計39.63%20.315%

区分が設けられている理由は、短期間での転売が投資目的と判断されやすく、長期保有に比べて重い税負担が課される設計になっているためです。

購入から間もないマンションを売って利益を出そうとすると短期譲渡の扱いとなり、税額が大きく膨らみます。

短期に該当する場合、仮に500万円の譲渡所得でも、合計約40%にあたる200万円近くを納税するケースがあります。

反対に、長く所有した後で売れば税率が下がり、最終的に手元に残る金額が増えることも考えられます。

手元の資金をできるだけ確保したい方にとって、短期と長期のどちらに該当するかは大きな分かれ目です。

売る時期を多少遅らせられるのであれば、保有期間が5年超になるのを待って売却する方法も選択肢の1つです。

時期を調整するだけで、同じ価格で売っても納める税金が少なくなる場合があります。ご自身の所有期間をあらためて確認し、売り出すタイミングを慎重に検討しましょう。

3,000万円特別控除・買い替え特例の活用による納税額の軽減

売却時には、3,000万円特別控除や買い替え特例などの優遇制度をうまく使うと、納税額を大きく抑えられることがあります。

とりわけ自宅(居住用財産)として住んでいた物件を売る場合は特例の対象になりやすいため、確認しておきたいポイントです。

制度の名称3,000万円特別控除
内容マイホームを売却したとき、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける
主な要件・売却する物件が居住用財産であること
・住まなくなってから3年を経過する日が属する年の12月31日までに売ること
・売却先が親族・同族会社でないこと
効果最大3,000万円を譲渡所得から差し引ける

例として、4,000万円で自宅を売却し、取得費や諸経費を除いた譲渡所得が2,800万円だったケースを考えます。

3,000万円特別控除を適用できれば2,800万円の全額が差し引かれるため、課税される金額はゼロになる可能性があります。

適用要件は国税庁「マイホームを売ったときの特例」に詳しく掲載されています。ご自身が条件に当てはまるか確かめてみてください。

特例を適切に利用できるかどうかは、納税額を大きく左右するだけでなく、売却後の資金計画にも関わります。

利用できる特例を事前に把握しておくと、引っ越し費用や住み替え先の頭金などに回せる資金にゆとりが生まれます。

売主が理解しておきたい不動産取引の法律・規制

売主が理解しておきたい不動産取引の法律・規制

損をしない形で売却を進めるには、宅建業法の基本的な決まりごとを知り、告知義務がどこまで及ぶかを把握したうえで、過去の違反事例を参考にすることが大切です。このパートでは、買主へ何を伝えておくか、どのようにもめごとを防ぐかを順に整理していますので、事前の対策に役立ててください。

ここから3つのテーマを順番に見ていきます。

宅地建物取引業法は不動産会社の業務上の決まりを定めた法律

売却にかかわる法律のうち、土台といえるのが「宅地建物取引業法」です。

売主・買主双方の権利を保護する目的で、不動産会社に課される業務上の決まりがまとめられています。

具体例としては、専属専任・専任・一般といった媒介契約の種類のほか、重要事項説明書を交付する義務や、契約不適合責任についての説明などが盛り込まれています。

重要事項説明書の交付義務について
売買契約を結ぶより前に、宅地建物取引士(宅建士)が物件や取引条件にかかわる大切な事項を書面にまとめ、買主へ説明することを求める法的な義務のことです。

ひと言でいえば、
「買主が不利な立場で契約することのないよう、契約前に丁寧に説明する」ための決まりです。

契約不適合責任の説明について
引き渡す不動産が契約で取り決めた内容と食い違っていた場合に、売主がどのような責任を負うのかを、あらかじめ買主に知らせておくことを指します。

ひと言でいえば、
「物件に欠陥や聞かされていない不具合が見つかったときは売主が責任を負う」という点を、前もって説明しておく必要があるという決まりです。

売主の立場で意識したいのは、不動産会社の仲介が適正かどうか、説明の責任をきちんと果たしているかどうかを確かめる目線です。

こうした視点を持っておくと、自分に不利な契約や余計なもめごとを事前に避けやすくなります。

法律の基本を押さえたうえで、不動産会社からの提案や説明に納得できるかを確認しながら進めていきましょう。

重要事項説明・告知義務の及ぶ範囲と売主側の情報提供責任

売却の場面では、重要事項説明と告知義務が一体のものとして求められます。

ポイントは、売主の側にも買主へ情報を伝える責任が生じるという点です。

重要事項説明を担当するのは宅建士(不動産会社)ですが、説明される内容の多くは売主から提供された情報がもとになっています。

シロアリ被害や雨漏り、事故物件などの心理的瑕疵といった事実を売主が把握している場合は、ありのままに伝える義務があると考えられます。

告知を怠った場合、契約不適合責任を問われたり、損害賠償を求められたりするおそれもあります。

知らなかったという言い分が通らない場面もあるので、売り出す前に修繕の履歴や現在の建物の状況をまとめておくと安心です。

ここからは、実際にあった違反事例を確認します。

違反事例から学ぶ、売却前の調査・書類準備によるトラブル予防

説明不足や法令違反がきっかけとなる売却トラブルは、めずらしいものではありません。

よくあるケースと対処法をあらかじめ把握しておけば、大きな損失につながるリスクを減らせます。

一例として、シロアリの被害を認識していながら買主に伝えず、売却後に損害賠償を請求された事案が挙げられます。

実際に起きたトラブルのケース

宅建業者Y1が競売で手に入れた土地付き建物を原告Xへ売り渡したところ、引き渡し後に建物がシロアリによって深刻な被害を受けていたことが判明し、Xが損害賠償を請求した事案です。

Xは、建物構造の欠陥について十分な説明を受けていなかったとして、

  • 売主Y1には、宅建業法32条・47条1号に違反する不法行為、あるいは瑕疵担保責任を根拠とした損害賠償
  • 売主側の代理人であるY2に対しても不法行為責任
  • 仲介を担ったY3には、重要事項説明義務に違反したことによる債務不履行責任か、不法行為責任

という内容の請求を行いました。

裁判所は不法行為や債務不履行の主張こそ退けたものの、瑕疵担保責任(※)の成立ははっきりと認めました。
判決は、「居住用の建物と土地をあわせて売買する取引である以上、安心して暮らせることが通常の前提になる」と述べたうえで、「築20年以上の中古建物で、現況有姿の取引であったとしても、シロアリが構造部分を傷めている状態は、住むうえで危険を生じさせる重大な瑕疵に該当する」と結論づけています。

結果として、買主Xによる損害賠償請求は信頼利益の限度で一部が認容され、売主の瑕疵担保責任が争点となった判例のひとつとされています。

※瑕疵(かし)担保責任:売買の対象物件に、買主が気づけない欠陥(=瑕疵)が隠れていたときに、売主が買主へ負う法律上の責任を指します。

参照:判例タイムズ社(東京地裁平成 18年1月20日判決)

売却に先立って調査を行い、必要な書類をそろえておけば、このようなトラブルの多くは事前に防ぎやすくなります。

【状況別】個別の事情を抱えたときの不動産売却の注意点

【状況別】個別の事情を抱えたときの不動産売却の注意点

ここまでは売却全般に共通するポイントを紹介してきましたが、売主の置かれた事情によっては、別の点にも気を配る必要があります。

本章では、次の3つのケースについて、気をつけたい点を詳しく取り上げます。

順番に確認していきましょう。

相続で受け継いだ家や土地の売却は3年以内の手続きが理想

相続不動産を手放す予定があるなら、相続開始から1年程度を目安として、相続登記(不動産の名義変更)を早めに済ませておきましょう。

2024年4月1日以降、相続登記の申請は義務となりました。原則として、相続で不動産を取得したと知った日を起点に、3年以内の申請が求められます。

名義変更を済ませずにいると、次のような不利益につながるおそれがあります。

相続登記を放置したときに起こりうる不利益
  • 受け継いだ家や土地を売りに出せない
  • 受け継いだ家や土地を担保にしてお金を借りられない
  • 世代交代のたびに相続の当事者が増え、権利関係がどんどん入り組んでいく

なかでも、売却が思うように進められない点は、売主にとって大きな打撃になりやすいでしょう。

売却がうまくいくかどうかは、時期にも左右されます。売ろうと決めた瞬間に支障なく動き出せるよう、名義変更は早い段階で終わらせておくと安心です。

離婚時に押さえたい財産分与の請求期限

離婚にともなって家や土地を売る際は、次の3つの点に気をつけましょう。

  • 家や土地が「共有財産」と「特有財産」のいずれに該当するかを見極める
  • 登記上の名義が「単独名義」と「共有名義」のどちらになっているかを調べる
  • 離婚した時期により、請求できる期限が2年と5年に分かれる

1つずつ順に見ていきましょう。

「共有財産」と「特有財産」のどちらにあたるかの確認

最初に、夫婦で暮らしてきた住まいが「共有財産」と「特有財産」のどちらに該当するかを確認しておきましょう。

共有財産

婚姻後に手に入れた物件を指します。次のいずれのケースでも、共有財産として扱われます。

  • 夫婦二人でお金を出し合って買った
  • 片方が代金を払い、相手は専業主婦(夫)として費用を負担していない
特有財産

婚姻前に夫婦の片方が買った家や土地のことです。
独身のうちに取得した物件は買った本人の財産と扱われ、夫婦で築いた財産には含まれません。

共有財産にあたる場合は、売却によって得た利益を夫婦で半分ずつ分け合えることが多いでしょう。

一方、特有財産と判断されると、たとえ夫婦二人で暮らしてきた家でも、買った本人が同意しない限り売りに出せません。売却益もすべて購入した側に帰属するため、気をつけておきましょう。

登記上の名義が単独か共有かの確認

続いて、登記の名義が単独なのか共有なのかをチェックしておきましょう。

単独名義は夫か妻のいずれか、共有名義は夫婦お二人の名前で登記されているケースが一般的です。

売却には名義人全員の合意が欠かせません。夫婦二人の共有名義になっていると、片方が反対した時点で売却の手続きは前に進まなくなります。

離婚後に滞りなく売却を進めたいとお考えなら、前もって名義を確かめておくと安心です。

利益が出そうなら離婚から2年以内の売却が目安

離婚が2026年3月31日以前であれば、売却益が期待できる物件は離婚から2年以内を目安に売却を進めておくのが望ましいでしょう。

離婚の際に財産分与の内容を決めていなかった場合、請求できるのは離婚が成立してから2年までとされているためです。

2026年4月1日以降に成立した離婚では、請求できる期間が離婚後5年間へと延ばされています。

気づいたときには期限が過ぎていて、売却益の分与を求められなくなっていた、という事態を避けるためにも、期限を早めに把握したうえで動き出しましょう。

住み替え時の売却は「売り先行」が有力

住み替えの進め方は、状況に合わせて次の3つから選べます。

  • 今の家の売却を先に済ませる「売り先行」
  • 新しい住まいの購入を先に行う「買い先行」
  • 今の家を売る手続きと新居を買う手続きを並行して進める「同時決済」

各方法の長所と短所を、下の表で比べてみましょう。

住み替えの進め方主なメリット主なデメリット
売り先行ローンを二重に返済する期間が生じない

売却益が出れば新居の頭金に充てられる

腰を据えて新居を探せる
引越しが2回発生する

新居が決まるまで仮住まいの費用が必要になる
買い先行気に入った新居を逃さず、すぐに購入へ進める
引越しは1回で完了する

仮住まい探しの手間や出費がいらない
まとまった資金が求められる

今の家の売却が済むまで、ローンを二重に払う期間が生じる

ローン審査が厳しめになりやすい
同時決済引越しの費用は1回分で足りる

仮住まいの費用が不要

売却と購入の手続きを1日で終えられる
まとまった資金が求められる

住み替えローンを使うと、住宅ローンに比べて金利が高め

売却代金で今の家のローンを完済できないと、審査のハードルが上がりやすい

「売り先行」は気持ちの面での負担が軽く、選ばれやすい方法です。ただし引越しが2回になるうえに仮住まいの費用も発生するため、新居に回せる予算はその分だけ減ってしまいます。

「買い先行」は、一期一会ともいわれる物件との出会いを生かし、理想の住まいが現れた時点で購入へ踏み切れる点が魅力とされています。

ただ、旧自宅がなかなか売れないと、売却が決まるまで2つのローンを返し続けるだけの資金力が求められます。

さらに、旧自宅の売却額がローン残高に届かなければ、残った借入をまとめて返す必要が出てきます。資金にゆとりのある方に向いた方法といえるでしょう。

「同時決済」は、旧自宅の売却代金で住宅ローンを完済できるなら、もっとも出費を抑えやすい点が評価されています。

ただし、売却後も旧自宅のローンが残るケースでは「住み替えローン」に頼ることになり、オーバーローンの状態を背負うことになります。

オーバーローンは審査のハードルが高く、金利も住宅ローンより高めに設定されるため、相応の資金力が欠かせません。

加えて、同時決済では売却と購入のスケジュール調整が複雑になりやすいため、トラブルを防ぐ意味でも、売りと買いはできるだけ同じ不動産会社に任せるとよいでしょう。

住み替えの方法にかかわらず、カギを握るのは旧自宅の売却額です。できるだけ高値で、なおかつ早く売ってくれそうな不動産会社を見極めることが重要になります。

手始めに一括査定サイトを利用して、自宅の売却価格の目安や、早めに高値をつけてくれそうな会社を調べてみるとよいでしょう。

査定は各社とも無料で受けられ、依頼したからといって売却を求められることもないため、気軽に申し込めます。

不動産売却で注意したい点のよくある質問

ここでは、不動産を売る際に気をつけたいポイントについて、寄せられることの多い疑問をまとめてお答えします。

売却を進める前の確認にお役立てください。

住宅ローン返済中の家の売却

住宅ローンが残った家を売却することはできます。

決済時に売却で得たお金や手持ちの資金を充てて借入れを返し終え、抵当権を抹消できれば、買主への名義変更もスムーズに進められます。

抵当権とは、
「お金を借りた人が返済できなくなった場合に、貸した側がその不動産を売って貸付金を取り戻せる権利」を指します。

金融機関が抵当権の抹消に応じるのは、原則として借入れが全額返済されるときです。そのため、売却額と手持ち資金の合計が残債を超えるのであれば、一般的な仲介での売却を進められます。

仮に足りない場合も、住み替えローンなどを使って残った借入れを一時的にカバーする手段があります(参考:住宅金融支援機構 住み替えローンの概要)。

たとえば残債が1,800万円で売却価格が2,000万円であれば、決済の日に代金から借入れを返し終えたうえで、200万円が手元に入る計算です。

反対に1,600万円での売却となると200万円が足りなくなりますが、住み替えローンを使えば、足りない金額を新しい住まいの借入れにまとめ、売買を成立させられる場合があります。

以上のように、住宅ローンが残っているからといって売却をあきらめる必要はありません。

まずは残債と売れそうな金額の差を確かめ、どう完済するか、住み替えローンを利用できるかを早い段階で金融機関に相談しておくことが第一歩となります。

価格が下がる買取と売れ残る可能性がある仲介の選び方

選ぶときの目安は、売却代金を早く受け取りたいなら買取、時間がかかっても高値を目指したいなら仲介と考えるのが基本です。

買取業者は再販売で利益を得ることを前提にしているため、買取価格は相場の60〜80%程度に設定されることが多いです。

これに対して仲介は相場に近い価格で売れる見込みがありますが、広告掲載や内覧への対応、価格の交渉などを経るため、数か月〜半年ほどかかるケースも見られます。

成約にかかる日数
参照:レインズ「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」

上の資料で、中古マンションと中古戸建てが登録されてから成約に至るまでの日数を確認すると、おおむね70日〜110日となっています。

相場が3,000万円のマンションの場合、仲介であれば3,000万円ほどでの売却が見込める一方、購入希望者が現れるまでに平均で3〜4か月を要することもあります。

買取を選ぶと価格は2,100〜2,400万円ほどに下がりますが、1〜2週間で代金を受け取れます。新居の購入資金を急いで用意したい方や、内覧に立ち会う負担を避けたい方には、買取が合っているといえます。

要するに、価格を優先するのか、早さや売れる見通しの立てやすさを優先するのかによって、適した方法は異なります。

売却の期限や資金計画で何を優先するかを整理したうえで、仲介と買取の長所と短所を比べて判断するとよいでしょう。

複数の不動産会社への同時依頼の可否

複数社へ同時に依頼することはできますが、結ぶ契約が「一般媒介契約」か「専任・専属専任媒介契約」かによって、進め方が異なります。

比較項目一般媒介契約専任・専属専任媒介契約
複数社への同時依頼できるできない(依頼先は1社のみ)
売主が見つけた買主との取引できる専任:できる
専属専任:できない
レインズへの登録義務義務なし義務あり(専任は7日以内、専属専任は5日以内)
販売状況の報告義務義務なし専任は2週間に1回以上
専属専任は1週間に1回以上
契約の有効期間法令による上限なし(多くは3ヶ月)3ヶ月(法律で定められた上限)
おすすめの人幅広く買主を探したい人・スケジュールにゆとりがある人早めに売りたい人・きめ細かな支援を望む人

一般媒介では何社にも同時に依頼でき、幅広く購入希望者を探せますが、会社ごとの販売への熱意が薄れやすいという短所があります。

これに対して専任系の媒介契約は依頼先を1社に限る代わりに、活動状況の報告やレインズへの登録が義務付けられるため、力を入れた販売活動が期待できます(参考:レインズ 標準媒介契約制度の概要)。

早めに売りたいものの相場より少し高い価格を狙いたいときや、都市部・人気エリアの物件であれば、一般媒介で複数社に任せ、会社ごとの問い合わせ件数を見比べる方法が効果的です。

反対に地方の物件や、短い期間での成約を目指したいときは、地域での取引実績が多い1社と専任媒介を結び、販売力を集中させる方法がおすすめです。

依頼する会社を増やせば有利になるとは限らない点に注意しておきましょう。

物件の特徴や売却の目標、各社から出された提案を見比べながら、一般媒介と専任系媒介のどちらにするかを決めましょう。契約の種類ごとの違いを知っておくことが、納得できる会社選びの第一歩になります。

まとめ

本記事では、不動産を手放す際に気を付けたい点を取り上げてきました。

押さえておきたい項目は売却前⇒売却中⇒売却後という流れで整理でき、合計すると12点にのぼります。

契約を結ぶ前売り手側にも費用が発生する点を把握する
仲介会社選びでは「大手だから安心」と決めつけない
家の売却先はどこを選ぶ?不動産会社の見極め方
査定の依頼先は複数社にする
契約期間中不動産会社の囲い込みに注意する
内覧の前に室内をしっかり掃除する
内覧の場では口頭での約束を避ける
安易なリフォームは控える
物件の不具合は隠さず伝える
契約を結んだ後売買契約書の内容を隅々までチェックする
受け取った手付金にはすぐ手をつけない
売却の翌年には確定申告を忘れず済ませる

ここで挙げた項目を1つずつ照らし合わせながら手続きを進めれば、不動産を売るのが初めてでも落ち着いて対応しやすくなるでしょう。

大切な不動産を早めに、かつ納得のいく価格で手放すための第一歩として、まずは複数の会社へ査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

査定に費用はかからないため、以下の一覧で気になったサイトから試してみてください。

おすすめの不動産一括査定サイト3選
すまいValue
すまいValue
業界を牽引する大手各社による共同運営
売却制約率は3ヶ月以内で71.3%(※)
▼大手6社へまとめて査定を依頼▼
すまいValueで査定を申し込む
すまいステップ
すまいステップ
高い売却率で「今すぐ売りたい」ニーズに対応
独自基準を満たした優良な不動産会社のみを厳選
▼エース級の担当者が見つかる▼
すまいステップで査定を申し込む
LIFULL HOMES
LIFULL HOME’S
名前を伏せた匿名査定にも対応
提携する不動産会社の数はNo.1

▼地方・郊外の物件にも向いている▼
LIFULL HOME’Sで査定を申し込む
※出典:すまいValue公式サイト(2023年度内に査定を依頼し、依頼から1年以内に媒介契約を締結、さらに契約から1年以内に成約に至った方を対象として、媒介契約から3ヶ月以内で売却できた方の割合を算出)
SREリアルティ
無料
SREリアルティ
運営:SREホールディングス
一括査定と合わせて使いたい!
エージェント制で信頼のパートナーを
ソニーグループの技術を活用したAI査定と、売主に寄り添う「エージェント制」を採用。 一括査定で価格を比較すると同時に、専任担当として最善を尽くす不動産のプロに戦略を相談しませんか。
\ 最短60秒で入力完了・オンライン面談もOK / SREリアルティで不動産査定・無料相談する >
※サービスエリアは東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県です。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
田崎 義人のアバター 田崎 義人 賃貸不動産経営管理士

大学在学中に、人材派遣・セールスアウトソースのスタートアップに参画。その後、賃貸不動産会社専門商社に移り、新規事業開発・営業責任者として東証マザーズ上場後に執行役員を務める。
【資格】
賃貸不動産経営管理士

目次