マンション売却を納得のいく形で進めるコツは、信頼できる会社と媒介契約を結び、相場に沿った売出価格を設定したうえで、手数料や税金まで含めた手取り額を早めに見通しておくことです。売ると決めた直後は、「何から始めればよいのか」「高い査定額を提示した会社に任せてよいのか」「諸費用を差し引くと手元にいくら残るのか」といった疑問が、次々と浮かびやすいものです。
売り手と買い手・不動産会社のあいだにある情報量の差につけ込まれ、相場より低い価格で手放すことになる事態は、できるだけ避けたいところです。
当ガイドでは、2026年の最新市況データと宅建業法、税制上の特例をもとに、マンション売却で後悔を残さないための実践的なポイントを10項目に整理しています。
査定に始まり決済に至るまでの期間は、目安として3〜6ヶ月ほどです。媒介契約の種類の選び方、適正な売出価格の決め方、内覧に向けた準備、契約不適合責任を負う期間の制限、3,000万円特別控除の使い方などを取り上げ、全体の流れをつかめる構成にしました。
最後まで目を通していただければ、ご自身のマンションをどの価格で、どんな相手に、どのタイミングで売り出すのか、判断の基準が見えてくると考えられます。
※2026年10月現在の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
2026年最新版・中古マンション相場の現状と売却タイミングの判断軸

マンションを手放すと決めた方の多くが、まず悩むのは売り出す時期です。今すぐ動くのか、それとも様子を見るのか、判断に迷うケースは少なくありません。
暦年で集計した2025年の数字を見ると、首都圏の中古マンションは成約価格が13年連続の上昇となりました。
※参照:首都圏不動産流通市場の動向(2025年)|公益財団法人東日本不動産流通機構
2026年1〜3月を築年帯ごとに分けたデータでも、前年同期を上回った地域・築年帯が目立ち、売る側に有利な環境はいまも続いているといえます。
ただし、地域ごとのばらつきや金利の動きにも変化の兆しが見られ、一律に「今が売り時」と言い切れる状況ではありません。
ここではREINSと日銀が公表している直近のデータをもとに、売却時期を考えるうえで押さえたい3つの視点をまとめます。
首都圏における2025年の中古マンション動向|成約価格は5,200万円、13年連続の値上がり
首都圏の中古マンションは2025年も成約価格が上がり、13年連続の上昇によって売る側に有利な流れが保たれています。
「首都圏不動産流通市場の動向(2025年)」は公益財団法人東日本不動産流通機構(REINS)がまとめた資料で、ここから2025年(暦年)の首都圏の中古マンションに関する主な数値を抜き出すと、下の表のようになります。
| 項目 | 2025年の数値 | 前年との比較 |
|---|---|---|
| 成約件数 | 49,114件 | +31.9% ▶︎前年を上回るのは3年連続 |
| 成約物件㎡単価 | 82.98万円 | +7.9% ▶︎上昇は13年連続 |
| 成約物件価格 | 5,200万円 | +6.3% ▶︎上昇は13年連続 |
| 新規登録件数 | 185,762件 | -2.7% ▶︎減少は2年連続、19万件を下回るのは3年ぶり |
| 平均専有面積 | 62.66㎡ | -1.5% ▶︎縮小は2年連続 |
| 平均築年数 | 26.58年 | +2.05年 ▶︎築古化が進む |
値上がりが13年連続となると、売却を先送りしてさらなる上昇を待ちたくなる方もいるでしょう。とはいえ、相場の天井がいつ来るかについては専門家の間でも見方が割れています。
大切なのは、「価格の上昇基調が保たれているか」「取引の件数も伴って伸びているか」の2点を押さえたうえで、ご自身の暮らしの計画に合った売却時期と重ね合わせて考えることです。
ただ、東京都区部の上昇幅が2桁台に達しているのに対し、神奈川県他地域などのように前年より成約価格が下がった地域も見られます。同じ首都圏でも地域ごとに状況が異なる点には気を付けておきたいところです。
売却時期を決める3つの判断軸|築年数の区切り・需要の季節・金利の行方
売却時期は「築年数の区切り」「買い手が増える時期」「金利がどちらに動くか」という3つの観点を掛け合わせて考える方法が、実務ではよく用いられています。
- 築年数の区切り:REINSの「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」や築年帯ごとの成約データからは、年数を重ねるにつれて価格が段階的に下がっていく傾向が読み取れます。
2025年の首都圏における中古マンションの成約価格は、築21〜25年で6,075万円、築26〜30年で4,286万円、築31〜35年で2,638万円です。築25年を超えたあたりから価格の開きが広がりやすいといえます。
築25年や築30年といった区切りが近づいたら、その前後で売り方を練り直すのも選択肢の一つです。 - 買い手が増える時期:進学や転勤、新生活の準備が重なる2〜3月と、秋の人事異動にあたる9〜11月は、購入希望者の動きが活発になりやすい時期です。
いつ引き渡したいかを起点に逆算し、余裕をもって売り出しを始めると進めやすくなります。 - 金利がどちらに動くか:2025年12月に開かれた日本銀行の金融政策決定会合では、無担保コール翌日物金利の誘導目標が0.5%程度から0.75%程度に引き上げられました。続く2026年6月16日の金融政策決定会合でも、無担保コール翌日物金利の誘導目標は1.0%程度まで引き上げられています。住宅ローンの基準となる金利が上がると、買い手の予算や返済計画にも影響が及びます。
今後さらに利上げに進むのか、据え置かれるのかは、買い手の動きを見通すための大事な手がかりです。
たとえば「築年数の区切りが近づく前」「春の進学・転勤期を控えた時期」「住宅ローン金利の先行きに上昇懸念が強まる時期」のように、いくつかの条件が同時にそろう時期は、売り出しを前向きに考えやすいタイミングといえます。
新築の高値維持と建設コスト高騰が中古需要を下支えする仕組み
新築の価格が高い水準のまま下がらないことが、中古マンションを割安に感じさせ、評価を底上げする背景の一つになっています。
国土交通省の「建設工事費デフレーター」などからは、ここ数年の建設コストが高止まりしている様子がうかがえます。資材費や労務費の値上がりは、新築マンションの販売価格が上がる要因の一つと考えられます。
新築では予算が合わない層が中古へ目を向けやすくなっており、REINSのデータで2025年の成約件数が前年比31.9%増となった点からも、中古物件への需要が底堅いことが読み取れます。
もっとも、こうした需給の構図は景気や金融情勢といった大きな環境次第で変わります。政策金利が急ピッチで上がったり、景気が落ち込んだりすれば、需要と供給のバランスが逆転する可能性もあります。
「13年連続上昇」はあくまでこれまでの実績を示すデータです。この先も同じ傾向が続くとは言い切れないことを、頭に入れたうえで判断しましょう。
マンション売却の進め方|手順と標準的な期間の把握

売却に取りかかる前に、査定に始まり決済で終わるまでの一連の流れを見渡しておくことが大切です。
段階ごとに用意するものを先に確認しておけば、思わぬ遅れややり直しを避けやすくなります。
首都圏の中古マンションでは、売り出してから売却を終えるまでに3〜6ヶ月ほどかかるのが一般的です。
住み替えを伴うときは、「売り先行」と「買い先行」のどちらを選ぶかによって、日程の組み方が大きく異なります。
ここでは8ステップの工程と、そろえておきたい書類の一覧をまとめました。引き渡し日から逆算して計画を立てる際の参考にしてください。
査定から決済までの8ステップ|媒介・販売活動・内覧・契約
全体は8ステップに分かれ、査定の依頼から決済の完了まではおおむね3〜6ヶ月を要するのが一般的です。
売る理由の整理、日程の検討、必要な書類の取り寄せ
期間の目安:1〜2週間
おもな書類:登記事項証明書・管理規約
一括査定サイトの利用や、不動産会社への個別の申し込みで査定を受ける
期間の目安:2〜5日
おもな書類:簡易的な資料一式
査定額の根拠を見比べ、媒介契約を結ぶ会社を決める
期間の目安:1〜2週間
おもな書類:ー
一般・専任・専属専任のうち、どの形で契約するかを決める
期間の目安:1日
おもな書類:本人確認書類
広告への掲載、REINSへの登録、問い合わせへの対応
期間の目安:1〜3ヶ月
おもな書類:販売図面・写真
購入を検討している人に室内を見てもらう
期間の目安:販売活動と同時に進行
おもな書類:ー
価格や条件を買主とすり合わせたうえで契約を結ぶ
期間の目安:1〜2週間
おもな書類:重要事項説明書・売買契約書
残代金の受け取り、所有権移転登記、抵当権の抹消、物件の引き渡し
期間の目安:1〜2ヶ月
おもな書類:鍵・関係書類一式
出典:宅地建物取引業法(第34条の2・第35条・第37条)の各規定を参考に作成
注意しておきたいのは、期間をもっとも見通しにくいのが「販売活動」の段階である点です。
物件の場所や価格の付け方、市場の状況次第で、数週間で買い手が見つかる場合もあれば、半年以上反応がない場合もあります。
工程ごとの目安期間と引き渡し日から逆算する考え方
目安としては、査定に2〜5日、媒介契約から販売活動に2〜4ヶ月、契約から決済に1〜2ヶ月という流れで考えるとイメージしやすくなります。
REINSが公表している月例マーケットウォッチや築年数別流通動向の資料を見ると、首都圏の中古マンションは新たに登録されてから成約に至るまで、おおむね数ヶ月程度の期間で推移しています。
標準的には「3〜6ヶ月」を見ておき、早く売りたいなら3ヶ月以内、時間に余裕があるなら6ヶ月前後を想定しておくと、実情に沿った計画を立てやすくなります。
気をつけたいのは、住み替えで新居に移る時期と売却の日程を合わせるケースです。「売り先行」と「買い先行」のどちらを取るかで、進め方が変わってきます。
売り先行には資金の見通しを立てやすいという利点がありますが、一時的な仮住まいが要る場面も出てきます。
買い先行は引っ越しを1回にまとめられる反面、ローンを二重に抱えたり、今の住まいがなかなか売れなかったりするリスクがあります。
また、売却が長引いたときの精神的な負担も軽く見ることはできません。
焦って値下げに応じ、成約相場より安い価格で売ってしまうのは、マンション売却で起こりがちな失敗例として知られています。
早めにそろえたい書類一覧|登記事項証明・管理規約・修繕履歴
売ると決めた時点で引き渡しまでに要る書類を洗い出しておけば、終盤の手続きを2週間程度早められる可能性があります。
- 登記事項証明書(法務局の窓口のほか、登記情報提供サービスを使ってオンラインでも取得できます)
- 管理規約と使用細則
- 長期修繕計画書と、これまでの修繕の記録
- 重要事項調査報告書(管理会社や管理組合に発行を依頼)
- 直近数年分にあたる管理組合の議事録(写し)
- 固定資産税の納税通知書
- 購入した際の売買契約書・重要事項説明書
- 住宅ローンの残債がある場合はローン残高証明書
- 本人確認書類
こうした書類をそろえておくことは、契約不適合責任を問われるリスクを抑えることにもつながります。
マンションならではの書類である「重要事項調査報告書」や「管理組合議事録」は、買主に求められてから急いで用意しようとすると、引き渡しが2〜3週間ずれ込む要因になりかねません。
マンション標準管理規約(単棟型)においても、管理や修繕にかかわる情報を整えておくことが、管理組合の業務や総会で決議する事項として想定されています。
ただし、どこまで開示されるか、どのように取得できるかは、マンションごとの管理規約や管理会社の運用によって違いがあります。必要な書類については、早い段階で管理会社に問い合わせておくと安心です。
マンション売却で価格を引き上げる10のコツ|管理や修繕などマンションならではの論点も解説

納得のいく価格での売却は、偶然の産物というより、再現性のある10の実務ポイントを一つずつ押さえることで近づいていく成果です。
ここでは10のコツを俯瞰したうえで、管理状態や修繕計画、付加価値といったマンションならではの論点を順に確認していきます。
①複数社の査定額を突き合わせた相場観の把握
1社だけの査定では妥当な価格を判断しにくいため、3〜6社を比べるのが一般的な目安です。
マンションを売る際に相場観を養ううえで、複数の会社へ査定を依頼することは基本となるステップです。
査定額は将来の成約価格を見込んだ数字にすぎないため、複数の金額と算出の根拠を並べてみることで、物件の本来の価値をつかみやすくなります。
提示額が一番高い会社をすぐに選ぶのではなく、各社が挙げた根拠(最近の成約例・㎡単価・需要と供給のバランス)を見比べることで、物件の実力が見えてきます。
なお、査定後の営業電話が負担に感じられるときは、連絡はメールでと書き添えたり、やり取りする会社を1社に限定したりすると、手間を減らせます。
多くの一括査定サイトでは、依頼先を3〜6社程度に絞り込めるようになっています。
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②管理の状態・修繕の実績・積立金の水準は査定の重要項目
買主や査定担当者が注目するのは管理がきちんとしているかを示すサインで、長期修繕計画や修繕積立金の水準は査定額を大きく左右します。
裏を返せば、長期修繕計画の存在を確認できない物件は、管理面に不安があると買主に受け取られるおそれがあります。
- 長期修繕計画があるか、計画期間はどの程度か(30年以上が72.7%)
- 毎月の修繕積立金の金額(同調査による全国平均:月13,378円/戸)
- これまでに行われた大規模修繕の履歴
- 総会が開かれているか、議事録が整っているか
- 滞納している戸数と空室の戸数
物件だけを手放すのではなく、管理組合の運営状況も含めて売り出すと捉えると、事前に整えておきたい点がはっきりします。
③管理計画認定は金利優遇や税制上のプラス材料となる可能性
国交省の「管理計画認定制度」で認定されたマンションには、フラット35の金利引下げや、条件を満たした場合の固定資産税の減額といった、買主に評価されやすい制度面の利点があります。
管理計画認定制度……
令和4年4月にスタートした制度です。マンション管理適正化推進計画を策定した地方公共団体で、所定の基準をクリアしたマンションの管理計画が認定を受けられます。
認定マンションが得られるメリットは、主に次の4つです。
- 管理の適正化の後押し:管理組合が自ら取り組む動きが促される
- 市場での適正な評価:認定を受けたマンションが市場で評価されやすくなる
- 金融面の支援:住宅金融支援機構による【フラット35】とマンション共用部分リフォーム融資で金利が引き下げられ、マンションすまい・る債では利率が上乗せされる
- 固定資産税の減額:管理計画認定マンションなどで一定の長寿命化工事が行われ、自治体への申告をはじめとする所定の要件を満たすと、固定資産税が減額される場合があります。
買主から見ると、フラット35の金利引下げを受けられる可能性がある点は、購入を決める際の利点になります。
加えて、認定マンションで所定の要件を満たす大規模修繕工事が行われたときは、固定資産税の減額措置を受けられることもあります。
売り出す際は、認定を受けている事実を販売図面や重要事項調査報告書に記載してもらうと、アピール力が高まります。
なお、認定には、修繕積立金の平均額がガイドラインの示す水準を下回らないこと、総会が定期的に開かれていること、長期修繕計画の期間が一定以上確保されていることなどが求められます。現時点で認定を受けていなくても、管理組合に申請を促すことで資産価値が高まる余地があります。
※出典:国土交通省「マンション管理計画認定制度」
④大規模修繕の完了後や長期修繕計画を見直した直後は売り時の候補
長期修繕計画は、5年程度の間隔で見直していくことが大切です。
大規模修繕についても12〜15年程度の周期で計画されるケースが多いため、工事を終えた後や計画を改めた後は、管理の良さを買主へ伝えやすい時期です。
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」でも、状況の変化に対応できるよう、長期修繕計画の事例をできる限り多く集めながら、おおむね5年程度の周期で改定を検討していく方針が示されています。
また、令和5年度マンション総合調査によると、おおむね5年毎に定期的な見直しを行っている管理組合が63.2%と最も多く、前回調査の56.3%から伸びています。
このように「計画の見直し(5年に1度)を終えた直後」「大規模修繕(12〜15年に1度)を済ませた直後」は、管理状態の良さを客観的に示しやすい時期です。
反対に、大規模修繕を控えた時期に売りに出すと、修繕積立金の一時金が徴収されるのではと買主に警戒され、価格交渉を持ちかけられやすくなります。
修繕の予定と売り出しの時期は、前もって調整しておくと安心です。
⑤周辺相場の把握とレインズ・不動産情報ライブラリでの確認
REINS Market Watchや国土交通省の不動産情報ライブラリ(REINFOLIB)に売主自身が目を通しておけば、不動産会社が示す査定額の根拠が妥当かどうかを見極めやすくなります。
公的機関などが公開している相場データは、費用をかけずに閲覧できます。
- REINS Market Watch:成約価格や新規登録価格といったデータを掲載
- 国土交通省 不動産情報ライブラリ(REINFOLIB):実際に取引された事例の価格情報
両サイトで所在エリアの価格水準や築年数ごとの傾向を見ておき、㎡単価に換算して自宅の価格帯を押さえておくと、相場の目安が見えてきます。
個別の成約事例をさらに詳しく知りたい場合は、不動産会社に査定書で示してもらい、根拠の中身をチェックしましょう。
査定書を受け取ったら「根拠にした近隣成約事例の単価帯はどのあたりか」「管理状態や所在階が査定額にどう織り込まれているか」と尋ねてみると、担当者の説明力を見極める手がかりになります。
⑥成約相場に値引きの余地を加えた売り出し価格の設定
成約相場に3〜5%程度の値引き余地を加えた水準で売り出すのが、基本的な考え方です。
中古マンションの取引では買主が価格交渉をしてくる前提で動くことが多く、はじめから相場どおりの価格を付けると交渉の余地がない物件と見なされ、問い合わせの機会を失うおそれがあります。
反対に、相場を10%超上回る価格にすると、割高と判断されて検討対象から外れやすくなります。
▶︎値下げの進め方や適した時期については、売り出し価格の決め方と値下げ時期の考え方で詳しく解説しています
⑦眺望や角部屋・最上階、専用庭、駐車場の権利といった強みの整理
マンションならではの付加価値は、販売図面にきちんと記載してもらうかどうかで買主への伝わり方が変わります。
- 角部屋や最上階(風通し・日当たり・プライバシー面での強み)
- 眺望(高層階からの景色、東京湾・富士山・公園の見え方など)
- 専用庭や専用テラスの広さ
- 駐車場をどの権利で使えるか(所有権、賃借権、敷地内での優先利用権)
- バルコニーの面積と向き
- 過去に行ったリフォームやリノベーションの内容
- 共用設備(ゴミ出しが24時間可能、宅配ボックス、コンシェルジュなど)
- ペット飼育の可否(小型犬・大型犬ごとの規約上の条件)
挙げた項目の多くは、買主が物件を探す際に絞り込み条件としてよく使われるものです。
販売図面の備考欄で記載が抜けていると、検索結果に表示される機会が大きく減るおそれがあります。
⑧ローン残債がある場合の抵当権抹消は早めに銀行へ相談
住宅ローンを返済中のマンションであっても、引き渡しの日に残りを一括で返し、抵当権を外す手順を組むことができます。
決済日には、買主から受け取った残代金でローンを完済し、同じ場で司法書士が抵当権抹消の登記手続きを進めるのが一般的な流れです。
▶︎抹消にかかる費用(抹消手数料・登録免許税・司法書士報酬など)の内訳はこちら
気をつけたいのは、売却代金だけではローン残債を返しきれないオーバーローンのケースで、手持ち資金での穴埋めや住み替えローンの利用を検討する必要があります。
前もって金融機関に相談し、残債と査定額にどれだけ開きがあるかを確認しておきましょう。
⑨確定申告での3,000万円特別控除の適用可否チェック
自宅を売った場合、要件に当てはまれば、所有していた期間の長さを問わず、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例が用意されています。
※出典:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁、租税特別措置法第35条
特例は何もしなくても適用されるものではなく、売却した年の翌年に確定申告をおこなって初めて適用を受けられます。
譲渡所得の額が大きいと、特例を使えるかどうかで税額に数百万円規模の差が生じることもあります。
▶︎マイホームとしての要件やほかの特例との併用制限など適用条件の詳細、買換え特例との選び方はこちら
⑩売却損が生じたときの損益通算・繰越控除による還付の可能性
売却で譲渡損失が生じたときも、要件に該当すれば給与所得などと相殺する損益通算が認められ、納めた税金が戻ってくる可能性があります。
国税庁タックスアンサーNo.3370「マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」によると、一定の要件を満たす場合は譲渡損失を給与所得などから差し引くことができ、引ききれずに残った損失は翌年以後3年間にわたって繰り越し、控除に充てられます。
▶︎詳しい適用条件と、買い換えをともなわない場合に使える別の特例についてはこちら
\大手から地元の会社まで、査定額を一括でチェック/
相場に沿った売出価格の決め方と値下げ時期の見極め

売却の成否を大きく左右しやすいのが、価格の決め方です。
相場より高く付けると内覧の申し込みが入りにくくなり、反対に安く付けすぎると「もう少し高値を狙えたのでは」と悔いが残ることもあります。
中古マンションの取引は値引きの交渉がつきものなので、成約が見込まれる相場に交渉分の余地を加えた価格から組み立てるのが基本的な考え方です。
ここでは、築年帯ごとのデータを使って売出価格の幅を見定める方法と、値下げに踏み切る時期の判断の仕方を順に解説します。
築年帯ごとの成約価格から見定める売出価格の幅
まずはREINSが公表している築年帯別の成約価格をもとに、ご自身の物件がどの価格帯に入るかを把握しておきましょう。
首都圏の中古マンションについて、築年帯ごとの成約価格をまとめると次の表のようになります。
| 築年数の区分 | 成約価格の平均(万円) | 築5年以下と比べた水準 |
|---|---|---|
| 〜築5年 | 9,746 | 100% |
| 〜築10年 | 8,264 | 84.8% |
| 〜築15年 | 8,059 | 82.7% |
| 〜築20年 | 7,021 | 72.0% |
| 〜築25年 | 6,593 | 67.7% |
| 〜築30年 | 5,133 | 52.7% |
| 築30年〜 | 2,887 | 29.6% |
※表の数値は、個別の物件がこの価格で売れることを示すものではありません。実際の売却額は、立地や管理の状況、修繕の履歴、買主との話し合いによって上下します。
築15年までの物件は築5年以下と比べて8割台の水準を保っていますが、築20年で約72%、築30年で約53%に落ち込み、築30年超では約30%にとどまります。
築25年から築30年、そして築30年超へと移る区間で水準の開きが目立つため、築年数の区切りが近づいたタイミングで売り方を考え直すのも一案です。
値引きを見込んだ売出価格の組み立て方
中古マンションの売買では、買主側から価格の交渉を持ちかけられることも珍しくありません。
あらかじめ交渉される分を織り込んだうえで価格を決めておくのが基本的な進め方です。
| 築年数の区分 | 見込まれる成約相場 | 売出価格の目安幅 | 見込んでおく値引き幅 |
|---|---|---|---|
| 築10年 | 8,300万円 | 8,500〜8,700万円 | 3〜5% |
| 築20年 | 7,000万円 | 7,200〜7,400万円 | 3〜5% |
| 築30年 | 5,100万円 | 5,200〜5,400万円 | 2〜4% |
値下げを検討する時期|反応が乏しい2〜3ヶ月目が見直しの目安
売り出してから2〜3ヶ月たっても内覧が増えない場合は、設定した価格が市場に合っているかを改めて確かめる時期といえます。
時期ごとに確認しておきたい動きの目安は、以下のとおりです。
- 販売開始直後〜1ヶ月:最初の段階で問い合わせや内覧がどれだけ入ったか
- 1〜2ヶ月:内覧を終えた方から二度目の問い合わせや買付が入っているか
- 2〜3ヶ月:動きが乏しいときは、価格に加えて写真や販売図面の改善も担当者と話し合う
- 3ヶ月超:媒介契約を更新する時期に合わせ、別の不動産会社へ依頼先を移すことも検討する
なお、1回の値下げ幅は3〜5%程度にとどめるのが目安です。短い間隔で何度も価格を下げると、買主から「急いで手放したい物件」と見なされ、交渉で強気に出られる原因になりやすいため注意が必要です。
媒介契約3種の選び分け方と物件ごとの判断ポイント

どの媒介契約を結ぶかは、売却がうまく進むかどうかに大きく関わる判断のひとつです。
不動産会社から「専任にしておけば安心」と言われることがあっても、所有する物件の特徴に合っているかどうかは、改めて考えておきたいところです。
有名ブランドのマンションや立地に恵まれた物件と、築年数が経過した物件や郊外の物件とでは、向いている契約の形が異なります。
ここでは宅建業法で定められた3種類の契約の特徴を確認し、物件のタイプごとにどう選び分けるかの目安を紹介します。
一般媒介・専任媒介・専属専任媒介の比較|依頼できる社数/報告の頻度/レインズ登録
宅地建物取引業法第34条の2で定められた媒介契約は3種類あり、複数の会社へ依頼できるか、売主への報告の頻度、レインズへ登録するまでの期限といった点に違いがあります。
| 契約の種類 | 複数社への依頼 | 自分で見つけた買主との取引 | 売主への報告 | レインズ登録の期限 | 契約の有効期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 可 | 可 | 任意 | 任意 | 3か月以内(標準媒介契約約款による) |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 2週間に1回以上 | 契約を結んだ日の翌日から数えて7営業日以内 | 3か月以内 |
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 1週間に1回以上 | 契約を結んだ日の翌日から数えて5営業日以内 | 3か月以内 |
- 一般媒介:同時に複数の会社へ依頼でき、会社同士の競争が生まれやすい反面、各社にとっては後回しにされやすい面もある
- 専任媒介:依頼先は1社のみ。報告は2週間に1回以上で、レインズへの登録は契約を結んでから7日以内(指定流通機構や宅建業者が休みの日は数えない)
- 専属専任媒介:依頼先は1社のみで、売主が自分で見つけた買主とも直接は取引できない。報告は1週間に1回以上、レインズへの登録は契約を結んでから5日以内(指定流通機構や宅建業者が休みの日は数えない)
専任媒介と専属専任媒介の有効期間は、法律で上限が3か月以内と決められており、これより長い期間を取り決めても効力はありません。
一般媒介の場合も、標準媒介契約約款のうえでは3か月以内と定められています。
人気ブランドや立地の良い物件なら「一般媒介」も候補
買い手が付きやすい物件であれば、一般媒介で複数の会社を競わせる方法も十分検討に値します。
大手デベロッパーが手がける主要シリーズのブランドマンションや、駅徒歩5分以内・築年数が浅い・人気のエリアにある物件は、買主から注目されやすい傾向があるため、一般媒介で複数社に売却活動を任せるやり方も考えられます。
ただし一般媒介ではレインズへの登録が義務ではなく、各社が物件情報を囲い込んでしまうおそれもある点に気をつけたいところです。
契約の段階で、レインズへ登録するかどうかや、販売の状況をどのように共有してもらうかを担当者と話し合っておくと安心です。
築年数が古い・郊外・条件付きの物件は「専任/専属専任」が有力
買い手が見つかりにくい物件ほど、不動産会社が腰を据えて販売に取り組める契約を選ぶほうが有利になりやすいです。
築30年超、駅徒歩15分超、あるいは再建築不可や定期借地権付きといった特殊な条件を抱えるマンションでは、専任媒介か専属専任媒介にすると、不動産会社が広告に予算を割きやすくなり、販売活動が手厚くなる傾向が見られます。
定期的な報告が義務づけられているため、どのような活動が行われているかを把握しやすい点もメリットです。
築年数の古いマンションの売却では、管理の状況をきちんと開示することと、価格を柔軟に見直すことが重要になりやすいので、報告の頻度が高い契約で時間をかけて進める方法が手堅いといえます。
不動産会社と担当者の力量を見極める7つの質問

媒介契約を結んだ後になってから担当者の力量を測ろうとしても、なかなか難しいものです。
取扱件数が年間100件と宣伝されていても、中身がご自身の物件の種類に合っているかどうかは、分けて考える必要があります。
何社かと顔を合わせる最初の面談で担当者の力を確かめられるよう、尋ねる内容を前もって用意しておくと安心です。
取引実績|マンション仲介の年間件数と地域への精通度
担当者へは「月間取扱件数」と「同じエリアでの成約事例数」を確認しておくことをおすすめします。
取扱件数が年間100件とうたっていても、実際には郊外の戸建てや投資向けワンルームが中心であれば、ご自身のマンションを売るうえで役立つ経験は多くないかもしれません。
「ここ1年のあいだに、自宅のある地域で住まい用のマンションを何件成約させましたか」と踏み込んで尋ねると、担当者ごとの差が分かりやすくなります。
① マンションの売買仲介は年に何件扱っていますか?そのうち、このエリアの物件は何件ですか?
② 同じエリアで築年数が近い物件について、最近の成約事例をいくつ示せますか?
査定額の裏付け|成約事例基準と売出価格基準の違い
査定額の裏付けを「最近の成約事例」にもとづいて説明できる担当者を選ぶと安心です。
宅地建物取引業法第34条の2第2項では、媒介価額に意見を述べるときに、その根拠を示す義務が定められています。
「相場の感覚として」「これまでの経験から」のようなあいまいな言い方ではなく、「最近成約した3〜5件の事例で㎡単価の中央値がXX万円、本物件は管理の状態・階数・専有面積を踏まえるとこの水準」と筋道立てて話せる担当者は、実力を備えている可能性が高いといえます。
市場に出ている売出価格の平均、つまり希望売出価格をもとに査定する会社は、相場を上回る金額を示して媒介契約を結び、その後に値下げを求めてくる傾向があるといわれています。
③ 査定額は「最近の成約事例」と「希望売出価格」のどちらを基準に算出していますか?
重要事項説明と契約不適合責任に向けた備え
重要事項説明書にどう向き合っているかを見ると、実務の力量がうかがえます。
宅地建物取引業法第35条により重要事項説明は義務とされており、マンションの場合は管理規約や修繕履歴、修繕積立金の状況、敷地権の種類など、説明する内容が幅広くなります。
早い段階で「重要事項調査報告書をどのように取り寄せるか」「契約不適合責任の特約をどう組むか」を尋ねておくと、担当者の実務への対応力が把握しやすくなります。
④ 重要事項調査報告書は、どのような手順と日程で取り寄せますか?
⑤ 契約不適合責任の特約について、どのようなパターンを想定していますか?
掲載先の媒体・写真のクオリティ・活動報告の分かりやすさ
媒介契約を結んだあとの販売活動が見えるかどうかが重要です。
チェックしたいポイントとしては、SUUMO・HOME’S・at home等のポータルサイトに載せるかどうか、写真の枚数とクオリティ(少なくとも10枚以上で、明るく部屋が広く映る構図)、自社サイトやチラシへの掲載とREINS登録の時期、販売活動報告の形式と回数(法律上、専任なら2週間に1回、専属専任なら1週間に1回の報告が義務)などがあります。
⑥ 広告はどの媒体(SUUMO・HOME’S・at home等)に出し、写真はどんな方針で撮りますか?
⑦ 販売活動報告はどのくらいの頻度で、どんな形式(メール/PDF/面談)で受け取れますか?
マンションならではの内覧で好印象を残す実践ポイント

買主にとって内覧は、購入するかどうかを最後に見極める場面です。
当日までにどこまで準備を整えられるかで、価格交渉を有利に進められるかが変わってきます。
マンションの場合、見学者が注目する箇所は水回りや玄関、バルコニーにほぼ共通しており、最初に受ける印象が成約の可能性に強く影響します。
玄関と水回り、バルコニー3点の重点清掃
見学に訪れた人がほぼ例外なく足を止めるのが、玄関、バルコニー、そして浴室・キッチン・洗面・トイレの水回りの3点です。
裏を返すと、こうした箇所が清潔に保たれていれば、住まい全体の評価をぐっと引き上げられます。
ハウスクリーニングを専門業者に頼む方法(3〜15万円程度)もありますが、次の流れで自分で取り組むだけでも見違えるほど変わります。
- キッチンは水栓とシンクを入念に磨く
- 浴室は天井や壁に残った水垢・カビを落とす
- トイレは床・便器に加え換気扇まで念入りに掃除する
- 洗面台は排水口と鏡をきれいに仕上げる
- 玄関は靴箱の中を片付け、床を水拭きする
- バルコニーは床を掃いて、室外機まわりのほこりも取り除く
物の量と生活感を抑える工夫|空き部屋のようにすっきり見せる方法
持ち物を3割ほど減らすだけでも、部屋の広さの感じ方は変わってきます。
内覧中の買主は、自分ならこの空間をどう使うかを思い描きながら見て回ります。
暮らしの気配が濃く出ていると、想像の妨げになりがちです。
収納やクローゼットの中身も7割程度にとどめておくと、しまう場所にゆとりがあると感じてもらいやすくなります。
- 家具は壁際にまとめ、リビングの床をできるだけ広く見せる
- ダイニングテーブルには何も置かない状態にする
- 玄関に出す靴はしまい込み、1人2足までにとどめる
- カーテンはどの部屋も開け、外の光を取り込む
換気・タバコ・ペットなど、においを抑える確認リスト
マンションの見学者が最初の印象を抱くのは、「玄関ドアを開けたときの空気のにおい」だといわれます。
住んでいる本人は暮らしのにおいに慣れて気づきにくいものですが、外から来た人は数十秒もあれば感じ取ってしまいます。
基本の順序は、①窓を開けて空気を入れ替える、②においが染み付いた布製品や壁紙に手を入れる、③強い香りでごまかさない、という流れです。
香水やアロマのような強い香りは、かえって「何か隠しているのでは」と受け取られがちです。無臭に近づけることをゴールに置くと、迷わず対策を選びやすくなります。
- 内覧の2時間前には全部屋の窓を開け、空気を入れ替えておく
- ペットのにおいには空気清浄機や消臭スプレーを活用する
- タバコのにおいは、吸う場所を分けるか壁紙のヤニを落として対処する
- 玄関に置く消臭剤やアロマは控えめにする(香水のような強い香りは逆効果)
- 内覧が始まる直前には料理やタバコを控える
当日の受け答え|売主が回答してよい質問・控えたい質問
手放す理由や近所付き合いについては短く答え、値下げに応じるかどうかは担当者を通す形にそろえましょう。
売主が内覧中に口にした言葉は、のちの価格交渉で一つ一つ材料として使われることがあります。
買主は値下げを求める理由がないかを探りながら見学しているので、場の流れで値引きを口約束してしまうと、交渉が不利に進みかねません。
反対に、不具合を伏せたまま引き渡すと、後から契約不適合責任を追及されるおそれがあります。知っている事実は正確に、伝え方は落ち着いて——という姿勢が、結果的に売主自身を守ることにつながります。
- 売却理由 → 手短に伝える(資産整理・住み替え・相続準備など)
- 住み心地・近隣関係 → 良い点を中心に事実をもとに伝える
- 苦情や騒音の有無 → ありのままに答える(伏せると契約不適合責任が争点になるおそれ)
- 値下げの相談 → 「担当者経由でお願いします」と任せる
- 把握済みの不具合 → 知っている範囲で正確に伝える
マンションを短期間で手放す工夫|3〜6ヶ月で買い手と出会うための逆算計画

売却価格の高さとスピードはトレードオフだと考えられやすいものの、進め方を工夫すれば双方をある程度狙えます。
2025年の首都圏における成約件数は前年比31.9%増を記録しており、中古マンション市場は活気のある状態です。
もっとも、短期間で買い手が付くかどうかは立地や築年数、売出価格、管理の状況によって異なるため、物件ごとの事情を踏まえて計画を立てることが大切です。
このセクションでは、売却にかかる平均期間の最新データと、仲介と買取をどう選び分けるかの判断基準をまとめます。
平均的な売却期間の最新目安とREINS 2025年の統計から見る市場の動き
首都圏の中古マンションでは、売り出しから成約までにおよそ3〜6ヶ月かかるのが標準的な目安とされています。
スピードを重視するなら3ヶ月以内、余裕を持たせたいなら6ヶ月程度を想定しておくと安心です。
REINSの「首都圏不動産流通市場の動向」および「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」で示された統計を見ると、2025年の成約件数は前年比+31.9%と大きく伸びており、中古マンションの売買は盛んに行われています。
成約件数の増加は売る側にとって追い風といえますが、売れるまでの期間は個々の物件の条件で差が出ます。
具体的にどの物件がどれほどの期間で成約するかは、立地・築年数・売出価格・管理の状況という4要素に大きく左右されます。
短期間で買い手が付く物件と売却が長引きやすい物件の違い
早期の成約をめざすなら、価格・立地・築年数・管理のうち弱みになっている点を早い段階で洗い出すことが第一歩です。
見極めのポイント
- 売れやすい物件の傾向:駅から徒歩10分以内/築15年以内/大規模修繕が完了している/売出価格が成約相場+5%以内/最上階・角部屋・眺めが良いといったプラス材料がある
- 売れ残りやすい物件の傾向:駅から徒歩15分超/築30年超かつ管理状況がはっきりしない/長期修繕計画が作られていない/売出価格が成約相場+10%超/近隣に建物の建設計画があるなど外部の要因を抱えている
弱みがわかれば、価格を相場水準に近づける、内覧で物件の魅力が伝わるよう工夫する、買取への切り替えを視野に入れるなど、打てる手立ては複数あります。
仲介と買取の選び分け|売却にかけられる期間で決める基準
売却を急ぐなら買取、期間にゆとりがあって相場並みの価格をめざすなら仲介、という選び方が基本になります。
仲介では広く市場から買い手を募るため、相場に近い価格で成約しやすい反面、いつ買い手が現れるか見通しを立てにくい点が弱みです。
買取では不動産会社自身が買い手となるので、1〜2ヶ月と短期間で現金を受け取れる反面、価格は仲介相場の70〜80%程度に落ち着くのが一般的な目安とされています。
※物件や地域により差が出ます
| 比較項目 | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売れるまでの期間 | 目安は3〜6ヶ月 | 1〜2ヶ月程度で完了する例が多い |
| 価格の水準 | 相場に近い価格をめざせる | 仲介相場の70〜80%程度(物件や地域で異なる) |
| 仲介手数料 | かかる | かからない(不動産会社が直接買い取るケース) |
| 内覧への対応 | 複数回の対応が求められる | 1回程度で終わる例が多い |
| 契約不適合責任 | 売主が一定の期間負担する(特約により短くできる) | 買取業者が引き受けるので、売主の負担が軽くなるケースもある |
マンション売却にかかる費用と税金|特例を活かして手取りを増やすポイント

売れた金額の全額を受け取れるとは限らない点に注意が必要です。
手取り額は、仲介手数料や譲渡所得税、そして使える特例をどう組み合わせるかによって、数百万円単位の差が生じることがあります。
なかでも、3,000万円特別控除を使えるかどうか、また譲渡損失を損益通算に回せるかを検討するかどうかによって、納める税金の額には大きな差が出ます。
ここでは、売却時にかかる費用と税金の全体像をまとめたうえで、手取りを増やすために押さえておきたい制度の使い方を紹介します。
仲介手数料の上限額|(売買価格×3%+6万円)×1.1
売買価格が400万円を超える物件の場合、宅地建物取引業法第46条および国土交通省告示により、仲介手数料の上限額は、消費税分を上乗せした「売買価格×3%+6万円」の金額として求めるのが一般的です。
同法では、宅地建物取引業者が受領できる報酬額は国土交通大臣が定めるところに従うものとされ、その額を上回る報酬の受領は禁じられています。
たとえば5,200万円で売れたマンションであれば、上限額は(5,200万円×3%+6万円)×1.1で計算でき、約178万2,000円と算出されます。
仲介手数料以外の諸費用|印紙税や抵当権抹消、引越し、ハウスクリーニングなど
仲介手数料のほかにも、売却に伴って次のような出費が見込まれます。
これらの諸費用を合算すると、売却価格に対して0.5〜1%程度が目安となります。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 支払うタイミング |
|---|---|---|
| 印紙税 | 1,000円〜6万円 ※契約書に記載する金額で異なる | 売買契約の締結時 |
| 抵当権抹消登記費用 | 登録免許税(1筆につき1,000円)+司法書士への報酬1.5〜2万円程度 ※住宅ローンを完済する際にかかる | 決済のとき |
| 住宅ローン一括返済手数料 | 0円〜5.5万円 ※借入先の金融機関で差がある | 決済のとき |
| 引越し費用 | 5〜20万円 ※移動距離や荷物の量で変わる | 引き渡しの前後 |
| ハウスクリーニング | 3〜15万円 ※物件の広さに応じて変わる | 売却活動の前後 |
譲渡所得税の求め方|短期39.63%・長期20.315%・10年超の軽減税率14.21%
税率は所有期間によって大きく異なるため、長く保有してから売るほうが手取りを増やしやすくなります。
課税対象となる譲渡所得の金額は、以下の算式で求めます。
譲渡所得 = 譲渡価額(売却価格) − 取得費 − 譲渡費用 − 特別控除額
売却した年の1月1日現在における所有期間によって、適用される税率が区分されます。
| 所有期間の長さ | 所得の区分 | 適用税率 |
|---|---|---|
| 5年以下 | 短期譲渡所得 | 39.63% 【内訳】 所得税:30% 住民税:9% 復興特別所得税:0.63% |
| 5年超 | 長期譲渡所得 | 20.315% 【内訳】 所得税:15% 住民税:5% 復興特別所得税:0.315% |
| 10年超(6,000万円以下の部分)※軽減税率の対象 | 長期・軽減特例適用 | 14.21% 【内訳】 所得税:10% 住民税:4% 復興特別所得税:0.21% |
| 10年超(6,000万円を超える部分) | 長期・軽減特例適用 | 20.315% 【内訳】 所得税:15% 住民税:5% 復興特別所得税:0.315% |
仮に、取得費5,000万円のマンションを譲渡費用200万円をかけて6,200万円で売却し、所有期間が6年(長期譲渡)で3,000万円特別控除を使わないとすると、譲渡所得は1,000万円となり、税額は1,000万円×20.315%=約203万円と試算できます。
※計算の一例として示したものです。
買換え特例と3,000万円特別控除の選択
居住用のマンションを売る場合、まず検討したいのが3,000万円控除です。
※住み替えを伴う場合は、ほかの要件もあわせて確認が必要です
自宅(居住用財産)を売却したときは、所有していた期間の長さを問わず、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができます。
※参照:No.3302「マイホームを売ったときの特例」|国税庁
加えて、所有期間10年超の自宅を売却し、所定の要件を満たすときは、3,000万円特別控除に軽減税率の特例を上乗せして適用することが可能です。
※参照:No.3305「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」|国税庁
- いま住んでいる家屋か、住まなくなった日から3年が経つ日を含む年の12月31日までに売る家屋であること
- 売却した年の前年および前々年に、本特例や譲渡損失の損益通算の特例を受けていないこと
- 売却した年とその前年・前々年に、マイホームの買換え・交換に関する特例を受けていないこと
- 親子・夫婦をはじめとする特別な関係にある相手への売却ではないこと
- 別荘のように、主に趣味や娯楽、保養を目的として持っている家屋は対象外であること
なお、買換え特例(特定居住用財産の買換え特例)と3,000万円特別控除は同時に使えないため、どちらを選ぶと有利になるかは個別の状況に応じて見極める必要があります。
譲渡損失が生じた場合の損益通算と繰越控除
譲渡損失が出た場合、給与所得などと差し引きできるケースもあるため、確定申告の際に要件をチェックしておきましょう。
住み替えのために自宅を売却して譲渡損失が生じたときは、一定の要件を満たすことで損益通算や繰越控除の特例を利用できます。
※参照:No.3370「マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき」|国税庁
住み替えをしない場合であっても、売却の際に住宅ローンの残高があれば「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」が使える可能性があります。
※参照:No.3390「住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき」|国税庁
購入価格より安い金額でしか売れなかったときは、最初に取得費と譲渡費用をきちんと洗い出して譲渡損失の額を確定させ、そのうえで税理士へ相談すると安心です。
契約不適合責任とトラブル防止|引き渡し後の紛争を避けるための備え

引き渡しが済んだあとで買主から契約不適合責任を問われると、修理費用を求められたり、契約そのものを解除されたりするおそれがあります。
2020年に民法が改正されたことで考え方の枠組みが見直され、買主がとれる手段は4段構えの形で整理されています。
揉めごとを防げるかどうかは、売り出す前にどこまで備えておけるかに左右されやすいといえます。
ここでは、通知の期間制限、前もってそろえておきたい書類、特約で責任期間を短くする際の実務について順に確認していきます。
契約不適合責任と旧瑕疵担保責任の違い(2020年民法改正)
2020年4月に施行された改正民法では、使われる用語に加えて、買主が請求できる範囲も見直されています。
買主側の請求手段は、次のような4段構えで整理されています。
| 請求の種類 | 中身 | 根拠条文 | 期間の制限 |
|---|---|---|---|
| 履行の追完 | 補修、代わりの物や足りない分の引き渡し | 第562条 | 種類・品質の不適合なら、基本的には知った時点から1年以内の通知が要件(第566条) |
| 代金の減額 | 売買代金を減らすよう求める | 第563条 | 種類・品質の不適合の場合は上の行と同様 |
| 損害賠償 | 不適合によって生じた損害の賠償を求める | 第564条 | 上の行と同様(種類・品質の不適合の場合) |
| 契約の解除 | 売買契約そのものを解除する | 第564条 | 種類・品質の不適合については上記と同じ |
改正前の「瑕疵担保責任」が対象としていたのは、買主が「隠れた瑕疵」を見つけたケースに限られていました。改正後の「契約不適合責任」は、引き渡された物が契約内容に合致していないときに問えるため、買主が守られる範囲は広くなっています。
現在の実務では、古い言い方である「瑕疵」ではなく、「契約不適合」という言葉を用いるのが通例です。
期間制限|不適合に気づいてから1年以内の通知(民法第566条)
種類や品質の面で契約不適合があった場合、買主は不適合に気づいた時点から1年以内に、その旨を売主へ伝えることが求められます。
売主が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない目的物を買主に引き渡した場合において、買主がその不適合を知った時から一年以内にその旨を売主に通知しないときは、買主は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。
ただし、売主が引渡しの時にその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかったときは、この限りでない。※引用:民法第566条
たとえば引き渡しを終えたあとに、雨漏りや漏水、給排水管のトラブルなど種類・品質に関わる不適合が見つかったとしても、買主が気づいてから1年以内に売主へ知らせなかったときは、履行の追完・代金減額・損害賠償・契約解除のいずれも請求できなくなるおそれがあります。
一方で、売主が不適合を把握していたのに買主へ伝えなかったケースや、重大な過失のために気づかなかったケースでは、この期間の制限はかかりません。
管理組合議事録と重要事項調査報告書の早めの手配
マンションならではの開示資料を早い段階で手元にそろえておくと、トラブルの予防につながります。
マンションを売る際は、宅地建物取引業法第35条による重要事項説明で必要となる管理面の情報を把握するために、仲介する不動産会社が管理会社へ「重要事項調査報告書」の発行を頼むのが通例です。
この報告書では、管理費や修繕積立金の金額と滞納の有無、長期修繕計画があるかどうか、大規模修繕をどこまで実施したか、管理規約や使用細則、共用部分にまつわる事項など、購入を検討する人の判断材料になる情報が示されます。
マンション標準管理規約(単棟型)の考え方に沿って、管理組合は決められた事項を開示できるよう体制を整えています。
具体的な記載項目の例としては、修繕積立金の残高や滞納している戸数、長期修繕計画のあらまし、最近おこなわれた大規模修繕の履歴、敷地・共用部分で重大な事故や事件があったかどうか、設計図書などの保管場所、ゴミ出し・清掃にかかわる情報、自治体や民間団体による認定・評価制度などの結果があります。
売主自身が前もって中身に目を通し、買主へ正しく伝えておけば、引き渡しのあとで「説明を受けていない」と揉める事態を減らしやすくなります。
責任期間を短くする特約と気をつけたい点
個人どうしの売買では、期間を短めに定める特約を付けるケースが多く見られます。
買主と合意した内容は、契約書にはっきり書き残しておきましょう。
契約不適合責任に関する民法の定めは任意規定にあたるため、当事者どうしで特約を結べば内容を変えることができます。
中古マンションを個人間で売り買いする場合、責任を負う期間を「引き渡しから3ヶ月」や「2ヶ月」までとする特約がよく用いられます。
気をつけたいのは、宅建業者が売主になるケースです。宅地建物取引業法第40条によって、契約不適合責任の期間は「引き渡しから2年以上」とする必要があり、これより短く定めた特約は無効になります。
売主が個人なのか業者なのかで扱いが異なる点を押さえ、ご自身の立場に合った特約の内容を考えることが大切です。
特約の文言については、不動産会社や司法書士にチェックしてもらい、買主とも契約前に十分すり合わせておくと安心です。
マンション売却で陥りやすい失敗7例と対策

マンションを売って「損をした」と後悔する事例をたどると、多くはいくつかの決まった型に当てはまります。
どんなつまずき方があるのかを前もって把握しておくことが、リスクを減らすうえで何より有効な手立てといえます。
ここでは、マンション売却で起こりがちな7つの失敗を取り上げ、それぞれの原因と防ぐための対策をあわせて解説します。
失敗①|査定を1社にしか頼まず相場を下回る価格で売却
「付き合いのある1社の不動産会社だけに査定を頼み、そのまま媒介契約を締結。あとで他社に話を聞くと『ウチに任せてもらえれば200万円高値で成約できた』と言われ、悔やむことになった」――マンション売却で頻繁に見られるつまずきの代表例です。
査定額は将来の成約価格を見込んだ数字にすぎず、どの指標を重く見るか、どれだけの成約データを持っているかは会社によってまちまちです。
比較先が1社しかないと相場のイメージがつかめず、示された金額が妥当かどうかを見極める物差しを持てません。
同じマンションであっても、会社によって査定額に200〜500万円の開きが生じるのはよくあることです。
▶︎複数の会社へ査定を依頼する手順についてはこちら
失敗②|強気の売出価格で売れ残り、値下げを重ねて相場割れ
「相場を大きく超える価格で売りに出したところ、3ヶ月たっても内覧の申し込みがない。あわてて10%下げ、その2ヶ月後にもう一度値下げした結果、最終的には成約相場より低い価格での売却となった」――高すぎるスタート価格が招きやすい負の連鎖です。
相場から大幅に上乗せした売出価格にすると、購入希望者が設定する検索条件の範囲から外れ、内覧の機会そのものが生まれにくくなります。
反響が少ない状態が長引くと、ポータルサイトで「なかなか売れない物件」という印象がつき、あとから価格を下げても買主はさらなる値下がりを待つ姿勢になりがちです。
▶︎築年数の帯ごとのデータをもとに売出価格の幅を求める手順はこちら
失敗③|独自判断のリフォームで費用が持ち出しに
「内覧に備えて水回りに200万円を投じて改装したものの、買主は購入後に自分の好みで改装し直すつもりだった。かかった費用を売却価格に乗せることはできず、全額が自己負担になってしまった」――よかれと思った準備が逆効果になる代表的なケースです。
中古マンションを探す人の中には、「割安に購入してリノベーションしたい」と考える層も少なくありません。
売主のセンスで手を加えても、買主の求める内装に合うかどうかはわかりません。
かえって「不要なコストが価格に含まれている」と受け取られ、値下げを求める根拠にされてしまうケースもあります。
▶︎ハウスクリーニング(3〜15万円程度)や小さな修繕など、費用対効果に優れた準備に絞り込む考え方はこちら
失敗④|内覧の準備不足で買主の印象が低下
「部屋に物が出しっぱなしの状態で内覧を受けたところ、買主から『暮らしの気配が強すぎる』『においが気になる』との声があがり、契約には至らなかった」――準備が足りないままの内覧は、その場での価格交渉や購入の見送りにつながりやすくなります。
内覧は、限られた時間のなかで「この部屋で暮らしたい」と思ってもらうための大切な場面です。
最初の印象でつまずくと、あとから物件の魅力を説明しても取り戻しにくく、買主の記憶には「物が多かった」「においがした」といったマイナスの印象ばかりが残ってしまいます。
▶︎内覧を迎えるまでの準備と当日の流れはこちら
失敗⑤|引き渡し後に契約不適合責任を問われ修補費用の請求
「給排水管に不具合があると知りながら、買主に伝えないまま売却。引き渡しから3ヶ月後に『修補費用30万円』を求められ、契約解除もほのめかされる交渉へと発展した」――把握していた不具合を売主が告げずにいたことで生じるトラブルです。
民法が2020年に改正されたことで、従来の「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」に改められ、買主が行使できる権利は追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・契約解除の4つに整理されました。
売主が知っている不具合を買主に告げずにいると、負うべき責任の範囲が大きくなるおそれがあります。
▶︎責任を負う期間の制限や、特約で責任を短くする実務上の扱いはこちら
失敗⑥|確定申告を忘れて3,000万円特別控除が使えず税負担が増加
「譲渡益が出ていたのに『自宅の売却なら控除は自動で受けられるだろう』と考えて申告をしなかったところ、のちに税務署から通知が届き、数百万円を納めることになった」――税の特例でつまずきやすいポイントです。
3,000万円特別控除は自動で適用される制度ではなく、売却した年の翌年に確定申告を行い、自分で手続きをして初めて適用されます。
譲渡所得の額が大きい場合、控除を受けられるかどうかで納める税額に数百万円単位の差が生じることもあります。
▶︎3,000万円特別控除・買換え特例・損益通算をどう使い分けるかはこちら
失敗⑦|期限に追われて買取を選び、相場より低い価格での売却
「新居の引き渡し日が迫っていたため、あわてて買取業者に売却を依頼。仲介で売れる相場より数百万円低い金額で手放す結果になった」――日程を優先して買取を選んでしまう失敗です。
買取は仲介と比べて短い期間で売却しやすい反面、買取価格の目安は仲介で売る場合の相場の70〜80%程度とされています。
※物件や地域によって異なります
仲介での相場が5,000万円となるマンションなら、買取価格は4,000万円前後の計算になり、両者の差は数百万〜千万円規模まで広がるケースもあります。
▶︎仲介と買取それぞれの長所・短所と選び方の基準はこちら
マンション売却でよくある質問(Q&A)
マンションの売却を考え始めた方から多く届く疑問について、本記事で解説した内容をもとにポイントを絞って回答します。
「マンション5年ルール」はどのような決まりですか?
売った年の1月1日現在で数えた所有期間によって、5年以下なら短期譲渡所得として税率39.63%、5年超なら長期譲渡所得として税率20.315%と、扱いが分かれる境目を指します。
保有している期間が長くなるほど、かかる税金が抑えられる仕組みといえます。
※出典:国税庁 No.3208、No.3211
4,000万円で購入したマンションは、今ならいくらで売却できますか?
立地や築年数、そのときの市況によって売れる価格の幅が大きいため、一律の金額をお示しするのは難しいところです。
目安をつかむには、REINSの最新データでお住まいの地域の築年帯ごとの成約価格を調べたうえで、一括査定を使って3〜6社から査定額を集める方法が役立ちます。
参考までに、2025年の首都圏における中古マンションの平均成約価格は5,200万円ですが、築年数やエリアを区別せずに全体を平均した数字である点にご注意ください。
マンションの三大トラブルにはどのようなものがありますか?
主なものとしては、①売却後に給排水管の不具合や漏水、雨漏り、設備の故障などが見つかる契約不適合責任の問題、②騒音への苦情やゴミ出しをめぐる近隣とのトラブル、③修繕積立金の不足や大規模修繕の議決の遅れ、滞納住戸といった管理組合に関わる問題の3つがよく挙げられます。
▶︎契約不適合責任の章でくわしく解説しています
マンションの売却にはふつう何ヶ月ほどかかりますか?
3〜6ヶ月程度をひとつの目安と考えるケースが多いです。
内訳としては、査定から媒介契約までが2〜3週間、売却活動から内覧までが2〜4ヶ月、売買契約から決済までが1〜2ヶ月ほどかかると想定しておくと安心です。
査定価格と実際に売れた価格には、どの程度の差が出ますか?
査定価格は「このくらいで売れるだろう」という見込みの価格にすぎず、その金額での成約が決まっているわけではありません。
最終的にいくらで売れるかは、買主との価格交渉を経て決まります。
3〜6社の査定結果を見比べると、相場の感覚をつかみやすくなります。
住宅ローンを返済中のマンションでも売却できますか?
抵当権を抹消する手続きをきちんと段取りすれば、売ることは可能です。
通常は、引き渡しの当日に買主から受け取る残代金でローンを全額返済し、同じタイミングで抵当権抹消登記を行う流れになります。
あらかじめ借入先の銀行へ相談しておくと、手続きを進めやすくなります。
まとめ|マンション売却で後悔しないために今すぐ始められる3ステップ
本記事で解説したポイントを振り返りながら、納得のいく売却に向けてすぐに着手できる3ステップを整理しておきます。
お住まいの地域の価格帯や築年数ごとの動きを調べたうえで、㎡単価から自物件がおおむねどの価格帯に入りそうか見当をつけておくと安心です。
個別の成約事例をもっと詳しく知りたい場合は、不動産会社が作成する査定書の中で示してもらう方法が無難といえます。
長期修繕計画や修繕積立金水準といった管理面、立地と築年、角部屋・最上階・眺望・駐車場権利などのプラス要素、そして必要書類がどこまでそろっているかを、各章で紹介したチェックポイントに沿って順に見直してみてください。
提示された金額の高さだけで判断せず、「成約事例にもとづいて査定の理由を説明してくれるか」という視点で各社を見比べ、媒介契約を任せる会社を選んでいきましょう。
はじめの段階で複数の会社から出た査定額とその根拠を突き合わせておけば、相場を下回る価格で手放してしまう可能性を減らしやすくなります。
「売却で損をしたくない」という思いを具体的な行動へつなげる第一歩として、今日のうちに1ステップだけでも取りかかってみてはいかがでしょうか。
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