賃貸管理を無料で行うには?手数料無料の管理会社と無料ツールを紹介

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賃貸 管理 無料

家賃収入を得ながら費用をかけずに物件を管理する手段は、「手数料無料の管理会社に委託する」方法と「無料で使えるアプリで自主管理する」方法の2つに大きく分かれます。どちらも賃貸管理のコストを抑えたいオーナーにとって、検討しやすい選択肢といえるでしょう。

費用がかからない点は大きな利点である一方、有料サービスと比べると対応範囲が限られやすい点には注意しておきたいところです。管理会社なら「求める業務まで任せられるか」、アプリなら「使いたい機能がそろっているか」を見極めたうえで、導入を判断するとよいでしょう。

管理手数料を取らない会社の多くは、リフォームや不動産売買の仲介といった本業で収益を確保しており、賃貸管理は付帯サービスの位置づけで提供していることが多いと考えられます。

先に触れたとおり、費用がかからない代わりに有料の会社より任せられる業務が限られる傾向があり、具体例を挙げると次のような差が見られます。

(青字の項目は、有料のA社では対応しているものの、無料のB社では対象外となっている業務です。)

A社・管理手数料ありB社・管理手数料無料
任せられる業務・入居者の募集
・賃貸の仲介
・入居審査
・入居者の管理

・入居者への対応(トラブル時など)
・24時間365日サポート
・定期的な清掃
・法定の点検
・設備の保守
・設備工事への対応
・契約手続き

・家賃の回収
・滞納家賃の保障
・入出金の処理
・原状回復の手配
・資産活用・節税の支援
    など
・入居者の募集
・入居者への対応(トラブル時など)
・家賃の回収
・退去時の立会い
・費用の精算
・24時間駆け付け対応
・滞納家賃の保障

加えて、無料で使える賃貸管理アプリやシステムも、数は多くないものの提供されており、搭載されている主な機能は次のとおりです。

  • 物件情報の管理
  • 入居者情報の管理
  • 入出金の管理
  • 電子契約の締結
  • 契約更新の手続き
  • 解約の手続き
  • チャットでのやり取り
  • 掲示板での連絡

などが挙げられます。

ただし、いずれの方法も有料サービスより対応できる範囲が狭いといった弱点があるため、使う前に内容をよく確かめておくことが大切です。

本記事では、費用をかけずに賃貸管理を進めるための2つの手段を、順を追って詳しく見ていきます。

最後までお読みいただくと、気になっていた点の解消につながるでしょう。

賃貸管理にかかる費用をできるだけ抑えるための参考として、お役立てください。

また、本章に入る前に賃貸管理に関する大事なことをお伝えしておきます。

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目次

賃貸管理の業務を無料でこなすための2つの方法

賃貸管理業務を無料で行う方法

賃貸物件を持つオーナーさんのなかには、「管理にかかる費用を少しでも減らしたい」「可能ならお金をかけずに済ませたい」

という思いを抱えている方も少なくないでしょう。

管理業務を丸ごと無料にするのは難しいものの、業務の一部であれば費用をかけずに済ませる手段が存在します。

具体的には、次の2つが挙げられます。

以下で順に見ていきましょう。

賃貸管理を無料にする手段は「手数料無料の管理会社」と「無料アプリ」

賃貸管理とひとくちにいっても、中身は多岐にわたります。

こうした業務を不動産管理会社へ任せているオーナーさんも多く、通常は管理会社へ手数料を払うことになります。

とはいえ、管理の一部を無料で任せたり、自分でこなす作業を自動化したりする道もあります。

代表的な手段は次の2つです。

有料の管理会社や管理アプリが担う業務のうち、無料のサービスでカバーできる範囲を表にまとめると次のようになります。

無料の管理会社無料の管理アプリ
入居支援借主募集◯◯
契約締結◯
入居時対応◯
契約管理賃料徴収◯
契約更新◯
解約◯
トラブル対応◯
建物維持管理清掃◯※このほか、物件情報や収支の管理、内見予約などに対応
設備管理・点検
経営管理支援経営計画・資金計画
資産活用

ここからは、それぞれの中身をもう少し掘り下げます。

手数料ゼロをうたう管理会社へ委託するケース

多くのオーナーさんは、物件の管理を不動産会社や管理の専門会社に任せているのが実情です。

国土交通省が2019年に行った「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」では、募集・契約をはじめとする管理業務を全部、または一部でも業者へ任せているオーナーさんが約8割にのぼり、とくに契約まわりの手続きや滞納家賃の督促など、手間のかかる業務ほど委託される割合が高い傾向がうかがえます。

【賃貸住宅の募集・契約・入居中管理をどう行っているか】

入居者募集や契約、入居中の管理方法
出典:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」

【管理業務ごとの実施状況】

管理業務の実施状況
出典:国土交通省「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」

管理を外部に任せる場合、通常は委託料や手数料を管理会社へ支払う形になります。

もっとも、ここ数年は管理を手数料なしで引き受けるとうたう会社も登場しています。

費用をかけずに管理を任せたいオーナーさんは、こうした会社を選択肢に入れてみるとよいでしょう。

気をつけたいのは、無料の会社は有料の会社に比べて、対応してもらえる業務の範囲が限られているケースが多い点です。

対応範囲は会社ごとに違いますが、例として有料のA社と無料のB社を並べてみると、次のような差があります。

(青字の項目は、有料のA社では対応し、無料のB社では対応していない業務です。)

A社(管理手数料あり)B社(管理手数料無料)
任せられる業務・入居者募集
・賃貸仲介
・入居者審査
・入居者管理

・トラブル時の入居者対応
・24時間365日のサポート対応
・定期清掃
・法定点検
・設備メンテナンス
・設備工事対応
・契約

・家賃回収
・家賃滞納保障
・入出金
・原状回復
・節税や資産活用の支援
    など
・入居者募集
・トラブル時の入居者対応
・家賃回収
・退去立会い
・精算
・24時間の駆け付け対応
・家賃滞納保障

表からわかるとおり、無料の管理会社では任せられる業務が絞られていることがあるため、契約前に範囲をしっかり確かめておくと安心です。

会社によっては、「基本の管理は無料で、それを超える業務は有料オプションで依頼できる」という仕組みを採っているところもあります。

詳しい内容は次の章で取り上げます。

費用をかけずに管理アプリを使うケース

管理会社に頼らず、オーナーさん自身が管理を担うケースも先ほどの調査では2割程度見られ、自主管理という道も十分に考えられます。

自主管理では管理用のアプリやシステムを導入する方も多く、なかには費用のかからないものも存在します。

もっとも、無料とうたうサービスにも複数のタイプがあり、大まかに次のような種類に分けられます。

  • 完全無料:導入時の費用も毎月の利用料もかからず、全機能を使える
  • 基本利用料無料:標準の機能だけなら費用がかからず、機能を追加した分だけオプション料金が上乗せされる
  • トライアル無料:はじめの◯か月間だけ料金がかからず、引き続き使うときは有料に切り替わる

この記事を読んでいる方の多くは、完全無料か、必要な機能を無料の範囲でまかなえるものを望んでいると考えられるため、本記事ではそうしたタイプを中心に紹介します。

無料のアプリやシステムの詳細は、3章で解説しています。

利用料無料の不動産管理アプリの基礎知識

無料の不動産管理アプリとは

管理会社に任せず、オーナー自身で賃貸管理を進めたい方には、利用料がかからない不動産管理アプリやシステムという選択肢も用意されています。

以下で詳しく見ていきます。

無料で使える不動産管理アプリの主な機能|物件管理・入居者管理など

不動産管理アプリは、不動産管理にかかわる業務をITの力で効率化・自動化するツールを指します。

とはいえ、管理に関する仕事を丸ごと任せられるわけではありません。

清掃やクレームへの対応のように、人の手が欠かせない作業も残ります。

アプリに任せられる業務には、どのようなものがあるのでしょうか。

搭載されている機能はアプリやシステムによって違いがありますが、代表的なものとして次のような例が挙げられます。

  • 物件情報の管理
  • 入居者情報の管理
  • 入金・出金の管理
  • 電子契約
  • 契約更新の手続き
  • 解約時の手続き
  • チャット機能
  • 掲示板機能

など

大まかに整理すると、「情報の管理」「契約・手続き」「コミュニケーション」の分野にかかわる機能が自動化の対象になると考えられます。

利用料無料の不動産管理アプリの選び方|必要な機能・セキュリティ・サポート

多彩な機能をもつ不動産管理アプリですが、無料のものから選ぶときはどこに注目すればよいのでしょうか。

主なチェック項目は次のとおりです。

順番に解説していきます。

欲しい機能がそろっているか

何より大切なのは、ご自身にとって必要な機能がしっかり搭載されているかどうかです。

有料の管理アプリ・システムと比べると、無料版は機能が限られているケースが少なくありません。

導入したアプリだけで、管理業務を残らず自動化できるとはいえないのが実情です。

足りない機能については、手作業で補ったり別のアプリ・システムを併用したりと、無料アプリとは別の手段を考えることになります。

こうした手間をできるだけ減らし、選んだ無料アプリ・システムを十分に生かすためにも、求める機能をなるべく多く搭載したものを選ぶことをおすすめします。

外部のシステムとつなげられるか

機能面で足りない部分が残るときは、別のアプリ・システムと組み合わせて使うことになります。

組み合わせて使うには、無料アプリ側に外部システムとの連携機能が用意されていることが前提となるでしょう。

例として、電子契約の機能を持たない無料アプリでも、電子契約システムと連携できれば使い勝手がよくなります。

入居者情報の管理にすでに別のシステムを使っているなら、そのデータを無料アプリへ連携・共有できるかどうかも問われます。

今使っているシステムや、不足分を補うシステムと連携が可能かは、導入前に確かめておきたい点です。

セキュリティ面の対策は十分か

賃貸管理の業務では入居者の個人情報を取り扱うことから、情報の保護に細心の注意を払うことが欠かせません。

当然、賃貸管理アプリについてもセキュリティ対策が求められるでしょう。

無料のアプリは有料版と比較して対策が手薄になる可能性もあるため、使い始める前に「どのようなセキュリティ対策を取っているか」を確認しておくと安心です。

  • 個人情報の管理方法
  • 通信が暗号化されているかどうか

といった点を公式サイトなどで確かめ、安心して使えるものを選ぶとよいでしょう。

サポート体制が整っているか

加えて、操作で迷ったときや不具合が起きたときに、提供元からサポートしてもらえるかどうかも見逃せません。

無料アプリには、費用がかからない分、サポートやアフターサービスが用意されていないものも見られます。

サポートがないと、操作方法がわからなくても問い合わせる先がなく、不具合が解消されないまま使えなくなるおそれもあります。

さらに、アプリが原因でデータが壊れたり消えたり、パソコンに不具合が起きたりしても、問い合わせ窓口がなければ補償を受けられないことも考えられます。

安心して使い続けたいなら、無料のアプリでもサポートが受けられるものを選ぶことをおすすめします。

利用料無料の不動産管理アプリを使う際の注意点|法改正への対応・サービス終了のリスク

無料の不動産管理アプリには、利用するうえで気をつけたい点もあります。

主なものは次のとおりです。

順に確認していきましょう。

法改正に追いつけない可能性がある

無料アプリには、リリース後に更新されないまま放置されているものも存在します。

更新がないアプリでは、不動産関連の法律や制度が変わったときに対応しきれなくなるおそれがある点に気をつけましょう。

近年の例では、インボイス制度の開始にあわせて、多くのシステムやソフトウェアが最新版へと更新されています。

更新されない無料アプリ・システムを使っていると、インボイス制度への対応を手作業で進めることになります。

不動産に関する法改正の動きは、見落としがないようこまめに確認しておくことが大切です。

サービスが打ち切られる可能性がある

無料のアプリやサービスを使う場合は、提供が終了してしまうリスクも頭に入れておく必要があります。

有料のものなら、サービスが終わる際にもデータを別のアプリ・サービスへ移行してもらえるケースが多い一方、無料のものはサポートなしに終了しても補償は期待できないでしょう。

もしものときに備えて、データのバックアップを取っておくなどの対策を講じておくと安心です。

利用料無料の不動産管理アプリ・サービス3選

ここまでは、利用料無料の不動産管理アプリの特徴や注意点を解説してきました。

以上を踏まえ、具体的なアプリ・サービスをいくつか取り上げます。

すべての機能を無料で使えるものは多くないため、必要な機能がそろっているかを確かめたうえで導入を検討してみてください。

ビズアナオーナー

「ビズアナオーナー」は、不動産オーナー向けに提供されているWEBサービスで、初期登録費用・月額利用料ともに無料で使えます。

  • 収支報告書を送付すれば自動でデータ化される
  • スマートフォンやパソコンから収支状況・稼働状況を確認できる

といった基本機能は完全無料で利用でき、有料の「スタンダードプラン」(480円/月)を申し込むと、収入・支出明細の追加や編集・削除、年間の収支や入金一覧の確認、収支データのPDF・CSV出力といった機能も使えるようになります。

サービス名ビズアナオーナー「フリープラン」
無料プランの機能・収支報告書を自動でデータ化
・収支の管理
・稼働状況の管理
有料プランと主な機能「スタンダードプラン」:480円/月
・収入・支出明細の追加/編集/削除
・年間収支や年間入金一覧の閲覧
・収支データをPDF・CSV形式で出力
※無料トライアルは最大1ヶ月間
提供会社株式会社CBIT
公式サイト公式サイトを見る

ITANDI BB

「ITANDI BB」は不動産業者同士で利用するサイトで、物件の掲載や内見予約の受け付けを無料で行えます。

アクセス数は月間約3,000万PV(2026年2月時点)にのぼり、10秒に1回のペースで内見予約が入るなど、客付けの強化が期待できます。

有料の賃貸管理システムも用意されているので、組み合わせればより多くの業務を自動化できます。

サービス名「ITANDI BB」
無料プランの機能・物件の掲載
・内見の予約
有料プランと主な機能「ITANDI BB +」
・物件確認
・WEBでの入居申し込み
・電子契約
・WEBでの更新・退去手続き
・原状回復  など
提供会社イタンジ株式会社
公式サイト公式サイトを見る

大家CLOUD

「大家CLOUD」は、自主管理で賃貸物件を運営する大家さんを対象とした、賃貸管理と空室情報の一斉配信を行えるサービスです。

初期費用は無料で、登録戸数が10戸以内であれば無料プランを利用できるため、小規模で賃貸経営を行っている方に向いているでしょう。

有料オプションとして、緊急駆け付けサービスが付いた24時間365日対応のコールセンターや、物件の定期巡回、共用部の日常清掃サービスも用意されています。

サービス名「大家CLOUD」
無料プランの機能・物件管理
→建物・部屋・区画単位で、写真や賃料、設備、住所、築年月といった情報を整理
募集業務や賃貸管理などの各業務と連携して活用できる
有料プランと主な機能「賃貸管理プラン100」
・募集管理 
・入居者管理
・家賃管理
・SMS配信
・仲介業者リスト<オプションサービス>
・『住まいの緊急トラブル受付センター』
・物件定期巡回
・共用部日常清掃サービス
提供会社ココレア株式会社
公式サイト公式サイトを見る

管理手数料がかからない賃貸管理会社とは

賃貸管理手数料が無料の管理会社

最初に、管理手数料を受け取らない管理会社とはどういうものかを見ていきます。

管理手数料を無料にできる背景|賃貸管理以外の事業で利益を確保

多くの管理会社が手数料を受け取っているなか、「無料」と聞くと「本当に任せて大丈夫だろうか」と心配になるオーナーさんは少なくないはずです。

そこで最初に、手数料を受け取らずに管理業務を引き受けられるのはどういう理由からかを確認しておきましょう。

無料で運営できる背景は管理会社によってまちまちで、一例として次のような事情が挙げられます。

管理会社無料で提供できる理由
RER Agency株式会社収益の柱は不動産売買の仲介事業で、そこで利益を得ている。
投資用物件を買った顧客から「購入後の賃貸管理も任せたい」という声が寄せられ、管理費のかからないサービスを新たな事業として立ち上げた。
株式会社リブラ
「賃貸管理free!」
創業時から不動産仲介を専門としており、売上の中心は部屋探しをするお客様からの収入。
賃貸管理にかかるコストはわずかなため、無料での提供が可能。
※ただし、空室が埋まったときと契約が更新されたときには成果報酬がかかる
シーオーエム株式会社「ZERO管理」賃貸管理とあわせてリフォーム事業も手がけており、管理手数料を取らない代わりに、物件の修繕や原状回復といったリフォーム工事、メンテナンスを自社で受注している。
※このため、日常の管理費はかからないが、工事を依頼する場合は費用がかかる

どの会社にも共通するのは、本業である別の事業で利益を確保し、そこに付随するかたちで賃貸管理を提供しているので、手数料をゼロにできるという点だと考えられます。

このように、無料をうたう管理会社のなかには、無料で運営できる理由を公式サイト等で公開しているところもあります。

気がかりな点があれば、最初にチェックしておくと安心です。

手数料ゼロの管理会社を選ぶときの着眼点|「手数料以外にかかる費用」と「任せられる業務の範囲」

ここ数年は、管理手数料を取らない賃貸管理会社も徐々に増えてきているようです。

選択肢が複数あるとき、大切な物件をどの会社に預ければよいか迷う方もいるでしょう。

比較の際にとくにチェックしたいのは、次の2点です。

管理手数料以外にかかる費用の有無

最初に、「本当にすべて無料なのか、手数料とは別にかかるお金はないか」をチェックしましょう。

先に触れたとおり、ひとくちに手数料無料といっても、一切費用のかからない会社だけでなく、業務を追加するとオプション料金が加算される会社や、成果報酬を受け取る会社など、料金体系は会社ごとに異なります。

一例として、月々の管理費はかからなくても、次のような費用はオーナー側の負担になるケースがあります。

  • 成約時の手数料・成果報酬:空室に入居が決まったタイミングで、家賃の「0.5か月分」「1か月分」といった所定の金額を支払う
  • 更新時の手数料・成果報酬:入居中の方が更新手続きをしたタイミングで、家賃の「0.5か月分」などの所定の金額を支払う
  • 有料オプション:定期的な清掃や巡回、設備の点検といった一部の業務が無料の範囲から外れており、依頼したい場合はオプション料金が別にかかる

料金の設定しだいでは、手数料がかかる管理会社に任せたときより、総額がかさんでしまうおそれもあります。

参考までに、手数料が有料の管理会社では家賃の5%が管理手数料の相場とされ、会社ごとに3〜10%程度の開きがあります。

こうした相場も念頭に置きながら、契約前に「手数料以外にどのような費用が別途必要になるか」を確かめ、会社ごとの総額を見比べておくと安心です。

任せられる管理業務の範囲

とはいえ、料金の安さだけを基準に管理会社を決めるのはおすすめできません。

費用とあわせて、「どこまでの業務を任せられるのか」もチェックしておきたいところです。

先ほども触れたように、管理手数料が無料の会社であっても、「標準的な管理業務は一通り対応します」という会社がある一方で、「清掃や巡回は別料金のオプションです」という会社もあるためです。

ポイント 〔新サイト名〕編集部

清掃や巡回がオプション扱いだと気づかずに契約すると、あとで「頼みたかった業務が入っていなかった」と悔やむことになりかねません。比較を始める前に、賃貸管理にはどんな業務があり、そのうちどれが欠かせないのかを確かめておきましょう。賃貸管理で発生する業務と、外部に任せるかどうかの判断基準を解説した記事も参考にして、自分でできる業務と専門家に任せたい業務を分けて考えてみてください。

そのうえで、ご自身が任せたい業務を書き出し、無料の範囲でまかなえるかどうかを確かめてみてください。

手数料ゼロの管理会社を利用する際の留意点|管理品質と入居率への影響

一方で、手数料ゼロの会社を利用するにあたって、とくに気をつけておきたい点もあります。

代表的なものは次のとおりです。

管理品質が十分でない可能性

管理手数料を取らない会社のなかには、コストを抑えるために担当者を最小限にしたり、対応を必要最低限にとどめたりした結果、管理品質が下がっているケースもあるといわれています。

入居者からの要望への対応が遅い、建物の清掃やメンテナンスが行き届いていない、といった状況がその一例です。

こうした状態が続くと、入居者の退去が早まって空室が増え、思うような収益を確保しにくくなります。

無料の会社どうしでも、「必要な管理業務をきちんとこなしているか」を見極めることが重要です。

見極めの方法としては、SNSをはじめとするインターネット上の口コミを確認したり、ほかのオーナーさんから評判を聞いたりして、情報を集めるのが効果的です。

あわせて、できればその会社が管理を担当している物件へ足を運んでみてください。

共用部が汚れたままになっていたり、壊れた箇所が修理されずに残っていたり、ゴミ置き場が散らかっていたりするなら、管理が行き届いているとは考えにくいでしょう。

反対に、きれいに掃除され安全な状態が保たれているなら、安心して任せられる会社である可能性が高いといえます。

入居率が伸び悩む可能性

あわせて確認しておきたいのが、入居率の高さです。

手数料を取らない管理会社は、入居者募集の広告などに十分な費用をかけにくく、入居率が伸び悩むおそれがあります。

賃貸経営の収益を最大限に高めるには、入居率をできるだけ100%に近い水準で保つことが大切です。

目安として、入居率が95%以上なら賃貸経営は安定しやすいといわれています。

管理手数料を節約できたとしても、募集活動が手薄になって空室が埋まらなければ、最終的に手元に残る利益は減ってしまうと考えられます。

手数料が無料であっても、入居率の低い管理会社は選ばないほうが無難です。

管理手数料がかからない賃貸管理会社7例

ここまでは、管理手数料が無料の管理会社を選ぶ前に押さえておきたいポイントを見てきました。

とはいえ、いざ委託先を探し始めても、具体的にどの会社が無料で管理を引き受けているのか見当がつかない方も多いのではないでしょうか。

以下では、管理手数料無料をうたう管理会社の例を取り上げます。

委託する会社を比較・検討する際の材料としてお役立てください。

RER Agency株式会社

RER Agency株式会社は、東京都内および神奈川・千葉・埼玉の一部エリアを営業範囲とし、不動産の売買仲介や賃貸管理、シェアハウスの運営を手がける会社です。

「管理無料プラン」と「管理有料プラン」から選べる仕組みで、無料プランを選んだ場合は管理費だけでなくほかの費用もかかりません。

もっとも、無料プランの利用には入居者の募集をRERと専任媒介契約を結んで一任し、他社には依頼しないことが求められます。

運営会社RER Agency株式会社
無料プランと利用条件管理無料プラン:費用は一切不要
・入居者募集はRERとの専任媒介契約が前提(他社に募集を頼むことは不可)
管理料以外にかかる費用かからない
※有料プランも用意
・他社経由で入居者を募集できる
・対応業務は無料プランと共通
無料で対応する業務・募集時の審査
・入居前に室内をチェック
・保証会社経由の賃料送金
・入居者からの問い合わせ対応
・契約更新の手続き
・解約時の立会いと精算、工事の手配
対象エリア東京都内のほか、神奈川・千葉・埼玉の一部
入居率   ━━
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株式会社リブラ「賃貸管理free!」

株式会社リブラの「賃貸管理free!」では、入居者の募集や集金の代行、24hの入居者サポート、滞納時の保証といった基本的な管理業務を、費用をかけずに任せられます。

原状回復工事や建物・ビル設備の点検とメンテナンス、日常・定期の清掃、巡回といった業務は、有料オプションとして追加で依頼することも可能です。

注意したいのは、空室に入居者が決まった際に賃料と共益費を合わせた1.1か月分(税込)、契約更新時には0.55ヵ月分(税込)の業務報酬が成果報酬として発生する点です。

運営会社株式会社リブラ
無料プランと利用条件「賃貸管理free!」:基本的な業務は費用不要
・空室の成約時・契約更新時は成果報酬が必要
管理料以外にかかる費用・成約時(空室):賃料と共益費を合わせた1.1か月分(税込)を成果報酬として支払い
・契約更新時:0.55ヵ月分(税込)の業務報酬
※有料オプションも用意
・原状回復の工事(見積りは別途)
・建物やビル設備の点検、メンテナンス全般(見積りは別途)
・日常の清掃と定期的な清掃(月1~)
・建物の巡回(週1~)
無料で対応する業務・空室への入居者募集
・入居者からのトラブル・相談への対応
・家賃の集金(口座振替でオーナーの口座に入金)
・退去時の立会い
・精算の業務
・24時間の駆け付けサービス(入居者側の加入が必要)
・家賃滞納の保証(提携する保証会社への加入が必要)
対象エリア東京23区が中心。都内全域と近郊エリアにも対応
入居率   ━━
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株式会社アブレイズパートナーズ

株式会社アブレイズパートナーズは、オーナーから賃貸管理手数料を受け取らずに管理を請け負う会社です。

費用がかからない一方で、一般的な管理会社が担う業務をほぼカバーしており、集客面の強さから入居率は97%を上回っています。

なお、新たに入居者が決まったときは賃料1ヶ月分の報酬、契約を更新するときは賃料0.5ヶ月分の業務報酬を支払うことになります。

運営会社株式会社アブレイズパートナーズ
無料プランと利用条件賃貸管理手数料は一切かからない
・新規の成約時・更新時は報酬が発生
管理料以外にかかる費用・新規成約時:賃料の1か月分(税込)を報酬として支払い
・契約更新時:賃料の0.5ヵ月分(税込)を報酬として支払い
無料で対応する業務・査定
・募集
・申込
・審査
・契約
・集金代行
・督促
・クレーム対応
・更新
・解約
・退去立会
・原状回復
・精算
対象エリア東京23区が中心。都内全域と近郊エリアにも対応
※千葉・神奈川・埼玉なども相談に応じる
入居率97%以上
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株式会社LPP「FREE管理」

株式会社LPPの「FREE管理」は、管理手数料がかからず、年間登録料のみの負担で使える賃貸管理サービスです。

賃貸管理で求められる基本的な業務は無料で対応してもらえるほか、日常清掃や定期巡回、24時間のクレーム対応を有料オプションとして追加することもできます。

年間登録料は、集合住宅が1棟につき5万5,000円(税込)、区分マンションが1室につき1万1,000円(税込)となっており、成果報酬のような費用はかかりません。

運営会社株式会社LPP
無料プランと利用条件「FREE管理」:管理手数料はかからない
・年間登録料の支払いが必要
管理料以外にかかる費用・年間登録料:集合住宅は1棟につき5万5,000円(税込)。区分マンションは1室につき1万1,000円(税込)
※建物管理の有料オプション:日常清掃・定期巡回・24時間のクレーム対応
無料で対応する業務・退去時の立会い・処理・精算
・家賃の集金
・未収金の督促
・日常的なクレームへの対応
・空室の管理
・保険申請のサポート
・入居審査と募集
・紹介用図面の作成
・送金
・更新の案内
・契約書の作成
・不動産に関するコンサルティング
・月次の送金明細報告書の作成(郵送は費用が別途必要)
対象エリア   ━━
入居率   ━━
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株式会社イエツグ「ゼロ円賃貸管理」

株式会社イエツグの「ゼロ円賃貸管理」は、入居者への対応、入居・退去時の立会い、退去に伴う清算、入居者の募集といった業務を、費用なしで任せられる賃貸管理サービスです。

料金がかからないにもかかわらず、専門の業者へ委託することで24時間365日、緊急のトラブルに対応できる体制を整えている点が特色です。

一方で、入居者が決まった際には家賃1ヶ月分に相当する額を報酬として支払うことになります。

運営会社株式会社イエツグ
無料プランと利用条件「ゼロ円賃貸管理」:管理手数料はかからない
・成約時は報酬の支払いが必要
管理料以外にかかる費用・成約時の報酬:家賃1ヶ月分に相当する額
無料で対応する業務・入居者への対応
・入居・退去時の立会い
・退去に伴う清算
・入居者の募集
・トラブルへの24時間365日対応
・家賃滞納の保障
・入居審査
対象エリア全国
入居率   ━━
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株式会社セカンドブリュー

株式会社セカンドブリューは、不動産の売買や賃貸管理を手がける会社です。

同社の「管理手数料0円プラン」では管理手数料がかからず、成約手数料と更新手数料のみの負担で、多岐にわたる管理業務を任せられます。

空室対策への取り組みに注力しており、平均入居率は98.7%(公表時期が明記されていないため、2026年8月確認時点の数値)にのぼります。

運営会社株式会社セカンドブリュー
無料プランと利用条件「管理手数料0円プラン」:管理手数料はかからない
・成約手数料と更新手数料の支払いが必要
管理料以外にかかる費用・更新手数料:0.5ヶ月(最低金額の設定あり)
・成約手数料:0.5ヶ月~1ヶ月(最低金額の設定あり)
※募集の際は仲介業者への広告料が別途発生
無料で対応する業務・契約
・査定
・募集
・集金
・督促
・更新
・24時間のサポート(年中無休)
・共有部の簡易清掃(月1)
・クレームやリクエストへの対応
・解約
・退去時の精算
・原状回復と清掃
対象エリア1都3県
入居率平均98.7%(2026年8月確認時点)
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ストライクホーム株式会社

ストライクホーム株式会社は、東京の台東区・中央区・港区を主なエリアとして、賃貸管理を無料で引き受けている会社です。

「月額賃貸管理料完全無料プラン」の特徴は、賃料の集金・送金を保証会社へ任せることで、オーナーが負担する費用をゼロにしている点です。

設備の故障や近隣とのトラブルといった緊急の事態にも、費用をかけずに対応してもらえます。

入居者が決まると賃料の1ヶ月分が成約報酬として発生するものの、借主が支払う契約金と相殺される仕組みのため、オーナーが都度支払う形にはなりません(印紙代は別途必要です)。

運営会社ストライクホーム株式会社
無料プランと利用条件「月額賃貸管理料完全無料プラン」:管理手数料はかからない
・成約手数料の支払いが必要
管理料以外にかかる費用・成約手数料:賃料の1ヶ月
※借主が支払う契約金と相殺
無料で対応する業務・家賃滞納の保証
・賃料の集金と送金
・設備トラブルをはじめとする入居者対応全般
・契約の更新
・解約時の立ち合い
・清算
・入居者の募集
・入居審査
対象エリア東京都内全域(神奈川県・千葉県・埼玉県の一部地域も対象)
入居率   ━━
公式サイトこちら

無料の賃貸管理サービスについてのよくある質問

手数料ゼロで賃貸管理を引き受ける会社は、どうやって経営を続けているのですか?

多くの場合、売買の仲介やリフォーム工事といった別の事業で利益を得ているため、管理の手数料を受け取らない運営が可能になっています。

よく見られるのは、管理の対価は求めずに、修繕・リフォームの工事を自社で受注して収益につなげる仕組みです。賃貸管理そのものではなく他の事業で稼ぐ前提に立ち、管理を付帯的なサービスとして提供することで、こうした運営が成り立っています。

手数料のかからない管理会社に任せる場合、どのような点に注意が必要ですか?

スタッフの少ない体制で運営されていると、入居者からの問い合わせに手が回らず、管理の質が下がるおそれがあります。さらに、管理の手数料はかからなくても、成約手数料1ヶ月分のように別の名目で費用を請求されるケースも見られます。

加えて、広告に費用や手間をかけにくいため入居者の募集が手薄になり、結果として空室が増えてしまうこともあります。契約前に、どこまでの業務を担ってもらえるのか、どのような費用が発生するのかを確かめておくと安心です。

自分で管理するオーナーと管理会社に任せるオーナーでは、どちらが多いのでしょうか?

国土交通省が実施した調査では、管理業務を全部、あるいは一部だけでも業者に任せているオーナーが約8割を占めています。

入居者とのやり取りや法律上の手続きを自分でこなすのは負担が重いため、プロの管理会社へ任せる方法を選ぶオーナーが多数派となっているようです。

※参考:国交省|賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査

まとめ

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

本記事では、費用をかけずに賃貸管理を進めるための2つの手段を取り上げてきました。

最後に、押さえておきたいポイントを改めて振り返ります。

ここで紹介したポイントを参考に、費用を抑えながらも行き届いた管理で、大切な賃貸物件を運営していただければ幸いです。

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田崎 義人のアバター 田崎 義人 賃貸不動産経営管理士

大学在学中に、人材派遣・セールスアウトソースのスタートアップに参画。その後、賃貸不動産会社専門商社に移り、新規事業開発・営業責任者として東証マザーズ上場後に執行役員を務める。
【資格】
賃貸不動産経営管理士

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