「空き家差し上げます」とうたわれる、無料で譲ってもらえる空き家は本当に存在します。
一般には「無償譲渡物件」と呼ばれ、自治体の窓口やマッチングサービスを通じて探すことが可能です。
ただ、無償とはいっても、取得時の手続きや引き渡しを受けた後の段階で、税金・各種の手続き・リフォーム代といった少なくない出費が発生します。
物件価格が0円だとしても、費用負担がゼロになるわけではないという点を押さえておきましょう。
さらに、無償譲渡をめぐる取引ではトラブルも少なくないため、軽い気持ちで0円物件を引き受けると、あとで悔やむことになるおそれがある点にも気をつけたいところです。
本記事では、「空き家差し上げます」とされる無償譲渡物件に潜む注意点をはじめ、うまくいったケース・うまくいかなかったケース、後悔を避けるための対策までくわしく解説します。
メリットとデメリットの両方を理解したうえで、リスクを避けながら希望に合う0円物件を探してみてください。
また、本章に入る前に処分に困っている訳ありの物件をお持ちの方をお伝えしておきます。
「こんな物件、売れないかも…」と悩む訳あり物件も、実は売却できる可能性があります。
再建築不可・空き家・老朽化物件に特化した専門買取業者が増加中です。
ここでは、「訳あり物件の買取に実績の高い買取サービス」を2つと「不動産のフリマアプリ」を1つご紹介します。
| 空き家が売れず処分に困っている方におすすめ | |
![]() 訳あり不動産相談所 | 空き家や事故物件・再建築不可物件なども対応 訳あり不動産相談所の体験談 ▼簡単入力30秒・24時間365日▼ 訳あり不動産相談所で査定 |
![]() 訳あり物件買取プロ | 訳あり物件・トラブル物件も対応 年間相談実績5,000件超 ▼ 30秒の入力で簡単査定 ▼ 訳あり物件買取プロで査定 |
| どんな家でも売り買いできるフリマアプリ | |
![]() ポルティ | プロの撮影や物件紹介代行も可能 AIによる空き家査定あり ▼ アプリダウンロード ▼ ポルティアプリを試してみる |
「本当に売れるのか不安」「とりあえず相談だけしたい」という方でも大丈夫です。
今回ご紹介するサービスは、完全無料で気軽に試せます。
査定してみて納得できなければ、もちろんキャンセルも可能なので、売れずに固定資産税を払い続けている物件があれば一度試してみましょう。
※2026年10月現在の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
「空き家差し上げます」物件の基本

「無料で家をもらえる話なんて、本当にあるのだろうか」と疑問に感じる方もいらっしゃるでしょう。結論からいえば、費用をかけずに手に入れられる空き家は実在します。
この章で取り上げる主な内容は次のとおりです。
取引の種類としては「土地・建物の無償譲渡」
=お金を受け取らずに土地と建物を譲り渡すこと
各自治体が運営する「空き家バンク」や、「みんなの0円物件」をはじめとするマッチングサイト
「空き家差し上げます」物件が見つかりやすいエリアは?
空き家率の高い地域
長野県軽井沢町、栃木県那須町、静岡県熱海市、千葉県勝浦市など
「空き家差し上げます」の取引形態は土地・建物の無償譲渡
土地や建物を手放すときは、一般的に「不動産売買」として取引が行われます。一方で、「空き家差し上げます」の場合は、代金のやり取りがない「土地・建物の無償譲渡」に分類されます。
無償譲渡というのは、対価を受け取らずに土地と建物を相手へ引き渡すことを指します。
個人同士で行う場合、売買には当たらず、「贈与」と同様の扱いとなる点を押さえておきましょう。
「空き家差し上げます」物件の探し先は「0円空き家バンク」や「みんなの0円物件」
近年、過疎化が進む地域を中心に空き家の数が増えつつあり、「無料で構わないので引き取ってほしい」と考える持ち主も少なくありません。
こうした「無償で手放したい」という希望と、物件を求める人とを結びつける仕組みも生まれています。
一例として、東京の奥多摩町や富山県上市町では、自治体が「0円空家バンク」を設け、物件を無料で譲りたい所有者と、活用を希望する人との橋渡しに取り組んでいます。
後ほど詳しく紹介しますが、「みんなの0円物件」をはじめ、無償で譲られる物件に特化したマッチングサービスも多数あります。
「みんなの0円物件」を見ると、2026年8月時点で、無償譲渡として掲載されている物件は1,935件にのぼります。
件数には空き家以外の土地やマンションも含まれるものの、無料で譲り渡される物件が相当数あることがうかがえます。
\まずは空き家の査定を気軽に試す/
「空き家差し上げます」物件が目立つ地域は長野県・栃木県・千葉県など
無償で譲られる空き家は全国各地で見られますが、なかでも空き家率の高いエリアに集まる傾向があります。
背景には、空き家の多い地域では売りに出しても購入希望者が現れにくいという事情があります。
「買い手はつかないが、持ち続けるのも避けたい」という場合に、最後の選択肢として無償譲渡が選ばれることがあるのです。
具体的には、長野県軽井沢町、栃木県那須町、静岡県熱海市、千葉県勝浦市などの地域では空き家率が高く、空き家へのニーズも低いことから、無料で手放される物件が見つかりやすい傾向です。
0円で家を譲る「空き家差し上げます」の背景にある売却の行き詰まり

無料で住宅を譲るという「空き家差し上げます」の募集を目にすると、「どうしてタダで手放すのだろう」「うまい話には落とし穴があるのでは」と不安を覚える方も少なくないでしょう。
この先では、所有者が対価を受け取らなくても空き家を譲渡したいと考える事情を、順番に見ていきます。
【前提】売りに出しても買い手が付かなかった空き家
無償で譲りに出される空き家の多くは、持ち主が一度は売り出したものの、購入希望者が現れなかったという経緯をたどっていると考えられます。
使わなくなった住宅は、中古住宅として市場に出すのが通常の流れです。査定で価格の目安をつかみ、不動産会社と媒介契約を結んで、ポータルサイトなどで買主を募ったうえで取引がまとまります。
ところが、いくら待っても買い手が見つからない状態が続くと、「お金にならなくても引き取ってくれる人がいれば」と考える所有者も出てきます。
100万円以上にのぼる解体工事の負担
売却が長引いたときに検討されやすい手段の一つが、建物を取り壊し、土地だけの状態で売り出すやり方です。
築年数の古い家は、「古家付き土地」のまま売り出すより、建物のない更地にしたほうが買主が用途を自由に決められるため、成約に結びつきやすいといわれています。
ただし、建物を取り壊して更地に整える工事には、100万円〜500万円ほどかかるのが目安です。
多額の解体費を負担しても、更地にすれば買い手が付くとは限りません。そのため、取り壊しは見送って「今の状態のまま0円で引き渡したい」と判断する所有者も多いのが実情です。
所有するだけで発生する数十万円の維持コスト
「0円で手放すくらいなら、そのまま所有していても変わらないのでは」と疑問を持つ方もいるでしょう。
ところが、空き家は誰も住んでいなくても、所有している限り費用が発生し続けます。
維持のために出ていくお金は、年間約10万円~35万円程度が目安とされています。
【空き家の所有で発生する主な費用】
| 費用の種類 | 概要 |
|---|---|
| 固定資産税 (+都市計画税) | ・土地や建物の所有者に毎年課される税金 ・土地と建物の両方を持っていれば、それぞれに課税される ・税額は市区町村が算定した評価額をもとに決まる ・土地と建物を合わせて年間10万円~15万円程度となるケースが多い |
| 火災保険料 | ・補償の範囲や契約年数によって異なるものの、年間数万円~数十万円程度の負担が見込まれる |
| 修繕費・管理費など | ・近隣に迷惑が及ぶ状態になれば、手入れや補修のための出費が生じる (庭木の伸びすぎ、ブロック塀の破損、建物の倒壊など) |
所有を続けるほど出費が重なり、お金の面では赤字が続く状態になります。
こうした事情から、0円であっても早めに手放したいと考える方が少なくありません。
法改正による固定資産税6倍の可能性
加えて、2023年の「空家等対策特別措置法」改正によって、空き家を保有し続ける負担は今後いっそう重くなるおそれがあります。
「空家等対策特別措置法」改正で増えるおそれのある負担
・「固定資産税の住宅用地特例(評価額を6分の1まで軽くする措置)」から外れた場合、固定資産税が最大6倍に跳ね上がるおそれがある
・国や自治体から「管理不全空家等」に指定されると、定期的な換気や庭木の伐採など、管理指針に沿った対応を求められる
税負担が最大6倍に膨らむおそれがあるうえ、管理指針に沿った対応を怠って放置した場合は、50万円以下の過料を科される可能性もあります。
持ち続けるほど損失がかさむ状況のため、「0円でもいいので引き取ってほしい」と望む所有者が多いのです。
0円で手に入る空き家でも発生する税金と諸費用
譲渡価格が0円の空き家を引き取る場合、前の持ち主へ払う代金は0円で済みます。
ただ、手に入れる段階で次のような費用が別途生じる点には気をつけてください。
【0円で空き家を譲り受けたときに発生する主な費用】
| 項目 | 概要 | 金額の目安 |
|---|---|---|
| 贈与税 | 渡す側と受け取る側の間で、財産を「あげる」「もらう」の合意が成立したときに課される税 | ・評価額に応じて税率が変わる ・土地・家屋の評価額が合計1,000万円のケースでは (1,000万円-110万円)×40%-125万円=231万円 |
| 不動産取得税 | 売買・贈与などで土地や建物を手に入れたときに課される税 | ・宅地分は固定資産税評価額の1.5% ・家屋分は固定資産税評価額の3% ・評価額が土地700万円+家屋300万円のケースでは、10.5万円+9万円=19.5万円 |
| 贈与登記 | 贈与で名義を移すための所有権移転登記にかかる費用 | ・登録免許税は固定資産税評価額の2% ・司法書士への報酬は4万円程度 |
| 無償譲渡契約書(贈与契約書)の作成費 | 契約書の作成を司法書士に頼んだ場合に支払う報酬 | ・相場は数万円ほど ・贈与登記と一緒に頼むと10万円程度 |
| リフォーム・修繕費用 | 譲り受けた家を直したり改装したりする際の費用 | 長く空いていた家を全面改装するとなると、1,000万円以上の大がかりな工事が必要になることもある |
たとえば固定資産税評価額が土地・家屋で計1,000万円、リフォーム代が500万円という条件なら、総額は次のとおりです。
贈与税231万円+不動産取得税19.5万円+登録免許税(贈与登記)20万円+司法書士へ契約書作成・登記をまとめて頼んだ報酬10万円+リフォーム代500万円=合計780.5万円
加えて、取得した後は毎年、課税標準額に1.4%を掛けた「固定資産税」と、同じく0.3%を掛けた「都市計画税」も課されるため、忘れずに資金計画へ入れておきましょう。
ここからは、無償で譲り受けた空き家の取得時に生じる費用を、項目ごとに詳しく見ていきます。
贈与税の発生|評価額のうち110万円を上回る部分に税率を掛けて算出
個人同士で財産を「あげる」「もらう」と合意して受け渡したときに課されるのが贈与税です。
納付額は、財産の評価額のうち110万円を上回った分に、定められた税率を掛けて算出します。
空き家に当てはめると、土地・建物の固定資産税評価額の合計が110万円を超えると課税対象となります。
税額は評価額の大きさで異なるため、具体的な計算方法は国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」で確認してください。
※個人が法人へ空き家をタダで譲った場合は「みなし譲渡」として扱われ、渡した個人には「所得税」、譲り受けた法人側には「法人税」が課されます。
反対に法人が個人へ無償で譲ったときは、法人側が「法人税」、個人側が「所得税」を納めます。
さらに法人同士の無償譲渡であれば、双方に「法人税」の納税義務が生じます。
不動産取得税の負担|土地・建物を手に入れた人に課される税
土地や建物を新たに取得したとき、取得者本人が納めるのが不動産取得税です。
| 宅地にかかる税額 | 固定資産税評価額の1.5% |
|---|---|
| 家屋にかかる税額 | 固定資産税評価額の3% |
贈与登記の費用|自分で手続きするなら登録免許税(固定資産税評価額の2%)のみ
0円で空き家を譲り受けたときは、贈与によって持ち主が変わったことを登記簿に反映させる手続きが求められます。
この手続きを「贈与登記」と呼びます。
自力で申請するなら、かかるのは固定資産税評価額の2%にあたる登録免許税だけです。
仮に土地・建物の固定資産税評価額が計1,000万円なら、登録免許税は20万円です。
手続きを司法書士に任せる場合は、これに加えて報酬として4万円程度が必要です。
無償譲渡契約書(贈与契約書)の作成費|専門家への依頼で数万円程度が目安
タダで譲ってもらう場合であっても、相手との間で「無償譲渡契約書(贈与契約書)」を交わしておくことが求められます。
贈与で得た不動産の名義を変える登記でも、書類として使うためです。
加えて、書面に残しておかないと、のちにトラブルが表面化した際に証拠を示せなくなるため、契約書の作成は欠かさないようにしましょう。
契約書づくりの際は、内容が自分にとって不利になっていないかをチェックする意味でも、司法書士などの専門家に作成を任せるのがおすすめです。
司法書士・行政書士へ書類作成を頼んだときの報酬は、おおむね数万円ほどです。
贈与登記の手続きまで一括で頼むなら、相場は10万円程度です。
リフォーム・修繕の費用|築年数の古い家を全面改装すると1,000万円以上になることも
0円で手に入る空き家は、築年数がかなり経っていたり、長く放置されて傷みが進んでいたりすることが考えられます。
住む人がいなくなった建物は換気が滞り、湿気がこもって急速に傷んでいきます。
水を使わない状態が続くと給排水管のサビも進行するため、修繕や改装に多額の費用がかさむおそれがあります。
金額は物件ごとに異なるものの、古い住宅を全面的にリフォームするなら、1,000万円~2,000万円に達することもあります。
譲り受ける前の段階で、手直しやリフォームが要るかどうか、費用がどの程度になりそうかを入念に確かめておくことが重要です。
「空き家差し上げます」に潜む3つのリスク

「0円の空き家でも税金・諸費用は意外とかさむ」の章では、無償で空き家を手に入れる場合でも、一定の諸費用が生じる点を解説しました。
そのうえで「無償で譲られる物件ならではの落とし穴はないのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
端的にお伝えすると、主に次のようなリスクが考えられます。
以下では、それぞれのリスクの中身を順に見ていきます。
多額の修繕・リフォーム費用が発生しやすい点
無料でも引き取ってほしいという空き家は、言い換えれば市場で買い手が見つからなかった物件です。建物の老朽化や設備の古さを抱えている可能性が高く、大規模な補修や全面的な改修を前提に考えたほうがよいケースが少なくありません。
傷みや劣化が進んでいれば、相応の規模の補修工事が欠かせなくなります。目立った損傷が見当たらない場合でも、築年数を重ねた家は設備が旧式であることが多く、手を加えずに暮らすと不便を感じやすいでしょう。
取得後に修繕や改修を行う前提で、あらかじめ必要な資金を計画に組み込んでおくと安心です。
金額については「0円の空き家でも税金・諸費用は意外とかさむ」でも取り上げたとおり物件ごとに差がありますが、1,000万円~2,000万円程度に達する場合もあります。
| おすすめのリフォームの無料相談サービス | |
|---|---|
![]() ![]() SUUMO リフォーム | 【すべてのサービスが無料|相談だけでもOK】 ・リフォーム計画・費用について教えてくれる ・条件にあう会社を3~4社紹介してくれる ・約900社の優良リフォーム会社から紹介してくれる ▼圧倒的認知度で安心・無料▼ SUUMOでリフォーム会社を選ぶ |
![]() ホームプロ | 【地元の優良企業を紹介してくれる】 ・全国で約1,100社の優良企業からピッタリの業者を紹介してくれる ・利用者満足度90%、成約件数6,202件の実績(22025年4月〜2026年3月) ▼無料・匿名で選べる▼ ホームプロでリフォーム会社を選ぶ |
![]() タウンライフ リフォーム | 【全国600社以上の中からピックアップしてくれる】 ・大手リフォーム会社から地域密型工務店まで基準をクリアした会社を紹介 ・累計利用者数67万人以上が利用 ▼簡単60秒で入力▼ タウンライフリフォームで会社を選ぶ |
個人間契約で起こりうるトラブル
無償譲渡の空き家は、譲る側と受け取る側が直接やり取りをして契約を結ぶのが一般的です。個人同士の取引には行き違いや揉め事が生じやすい面があるため、慎重に進めることが大切です。
一般的な売買であれば、売主と買主のあいだに不動産会社が立ち、取引全体の調整を担います。
法令上の制限や過去のトラブル事例に詳しい担当者が関わるので、双方の認識のずれが前もって解消されやすく、問題が生じにくい内容で契約をまとめられます。
一方で無償の譲渡契約は、こうした業者を通さずに当事者だけで手続きを進めるのが通例です。契約上のリスクへの備えも、当事者自身が担うことになります。
専門知識を持たない者同士が形式的な契約書だけで済ませてしまうと、あとから問題が表面化するおそれがあります。
・無料で手に入ると考えていたのに、贈与税や登記費用などで想定外の出費が発生した
・農地とセットで譲り受ける予定が、農地法の規制で取得が認められないと判明した
・建物の新築ができない「再建築不可の土地」だと、契約後に気づいた
・敷地の境界について、隣地の所有者と認識が食い違っていた
・固定資産税が予想より高く、維持にかかる負担が重かった
・シロアリの被害が深刻で、建物の傷みがひどいと後から判明した
・事故物件であることを、近隣住民から知らされた
このような揉め事を未然に防ぐには、契約書をつくる段階で専門家に相談し、自分にとって不利な条件が入らないよう内容を整えてもらうのが望ましいでしょう。
将来手放す際に引き取り手が見つかりにくい点
「空き家差し上げます」を通じて無償で譲り受けた家は、数十年後にいざ手放そうと考えたとき、引き取り手探しに苦労するおそれがあります。
手放したいと思っても、受け取ってくれる相手がなかなか現れない可能性があるのです。
「0円でも手放したい」と出される物件は、もともと買い手が付かなかった物件であり、立地条件に恵まれていない場合が大半と考えられます。
実際に、0円譲渡物件は空き家率の高い地域に集中する傾向があります。
空き家の多いエリアや居住希望者が少ない地域で物件を譲り受けると、将来ご自身が手放す段階で引き取り手が見つからず、困り果ててしまうことも考えられます。
無償という条件だけで決めてしまわず、先々の見通しまで落ち着いて検討したうえで判断するのがおすすめです。
\売れないと決めつける前に訳あり物件の査定を/
「空き家差し上げます」でうまくいった例・つまずいた例

近年注目されている空き家の無償譲渡ですが、前の章までで触れてきたように、家そのものを無料で受け取れても諸費用は発生しますし、抱えるリスクもあります。
無償譲渡を受けてうまくいく人がいる一方、思い通りにいかない人も決して少なくないことを押さえておきましょう。
以下では、「空き家差し上げます」として募集されていた物件で、うまくいった例とつまずいた例を順に紹介します。
「うまくいく人は何が違うのか」「つまずく原因はどこにあるのか」とご自身に置き換えながら、次のケースに目を通してみてください。
うまくいった例(東京・奥多摩町による空き家バンクの取り組み)
東京都のいちばん西の端にある西多摩郡奥多摩町は、都内でも空き家が目立つ地域です。
町ではこうした空き家を移住者の呼び込みに生かそうと、2020年4月に「0円空き家バンク」と呼ばれる制度を始めました。
奥多摩町は2010年度から空き家の活用に向けた同種の事業に取り組んでおり、移住者が空き家を使ってカフェを開いた例などもすでに生まれています。
空き家の割合が高いといっても奥多摩町は東京都内にあり、JRを使えば新宿まで1時間半で行ける利便性も備えています。山登りやトレッキング、釣り、川遊びといったアウトドアも楽しめることから、子育て世帯の移住先として魅力のある町と評価されています。
つまずいた例(土地にかかる法規制を把握していなかったケース)
無償譲渡物件で起こりがちなつまずきの一つが、十分な知識を持たずに話を進めた結果、手に入れた空き家(建物+土地)を思い描いた形で使えなかったというものです。
土地には法律によるさまざまな制限がかけられていて、どの場所でも好きなように使えるわけではありません。
一例を挙げると、土地には場所ごとに「用途地域」が指定されており、建築できる建物の種類がエリア単位で定められています。
具体的には、古民家カフェを始める目的で無償譲渡物件を手に入れたにもかかわらず、物件のある場所が「第一種低層住居専用地域」にあたっていたため、思い描いていた規模の店舗を開けなかった…という例が挙げられます。
加えて、お店として営業するには一定の設備を整えたり耐震改修を施したりする必要があり、リフォームにかかる費用も見込みを上回りがちです。
一般的な不動産取引であれば、用途地域をはじめとする法規制に詳しい仲介業者が間に入るため、手続きの途中で気づけた可能性が高いつまずきといえます。
今回の例のように個人同士で譲渡を進めるときは、何が起きても自分で責任を負うことになる点に気をつけましょう。
同じつまずきを防ぐには、必要な情報を自ら丁寧に集めるか、取得の手続きを進める過程で専門家の助言にもきちんと耳を傾けることが重要です。
つまずいた例(地方の暮らしになじめなかったケース)
地方での暮らしにあこがれ、「空き家差し上げます」の募集に応じて物件を譲り受けたものの、地域になじめずにうまくいかなかったというケースも見られます。
いざ移り住んでみると、「スーパーまで距離があって買い物に苦労する」「昔から暮らしている住民の輪に入れない」「ゴミの出し方に地域独自の決まりがある」「ゴミ集積所の清掃が毎週の当番として回ってくる」など、事前には思いもしなかった不便さに直面することがあります。
人口減少が進み不動産の需要が乏しいエリアでは、こうした事情で手放そうとしても買い手がつかず、無償で譲ろうにも引き取り手が現れないおそれがあります。
無償譲渡物件を引き受けるときは、「その土地で長く暮らしていく覚悟を持てるか」「将来手放すことになったらどうするか」まで踏み込んで検討したうえで決めるのがおすすめです。
「空き家差し上げます」を選ぶ前に押さえたい注意点

締めくくりとして、無償譲渡物件である「空き家差し上げます」物件を取得する際に気をつけたい点を見ていきます。
後悔を防ぐコツ1:無料の物件こそ契約書づくりを徹底
たとえ0円で取得するケースであっても、後々のもめごとを防ぐ意味で「無償譲渡契約書(贈与契約書)」は作っておきたい書類です。
見ず知らずの相手との取引はもちろんのこと、譲り手が親戚や顔見知りであっても、書面を残しておくと安心です。
一般的な不動産の売り買いであれば不動産会社が間に入りますが、0円空き家の譲渡となると、当事者同士で契約書に署名して終わり、という形が少なくありません。
マッチングサービスや空き家バンクにしても、物件を紹介した後の手続きは当事者任せというケースが大半です。
法律の知識を持たない個人が、法的な効力を十分に備えた契約書を自力で整えるのは簡単ではありません。最悪の場合には、書類の不備を理由に譲渡そのものが無効と扱われるおそれも考えられます。
トラブルを未然に防ぐ方法としては、契約書の作成を弁護士・司法書士といった専門家に任せるか、0円での取得にこだわらず仲介会社を通して中古物件を買うか、いずれかを選ぶのがおすすめです。
後悔を防ぐコツ2:自分が手放す将来の場面まで想定
空き家を取得してリフォームなどで活用した先には、10年後20年後、今度は自分が譲り手になる場面が来るかもしれません。その時の姿もあらかじめ思い描いておくと安心です。
たとえば人口減少が止まらない町で空き家を手に入れた場合、時間がたつにつれて不動産の価値がいっそう目減りすることも考えられます。
家族で長く住み続けるつもりであれば大きな問題にはなりにくいものの、別の土地へ移ろうとしたときに引き取り手が見つからない、という事態に陥るおそれがあります。
反対に、自治体ぐるみで移住者の受け入れに力を入れ、にぎわいを保っている町であれば、手放す段階になっても買い手が現れる見込みは比較的高いと考えられます。
後悔を防ぐコツ3:お試し移住で暮らしを体験してから判断
空き家の取得をきっかけになじみのない土地へ移り住むなら、本格的に決める前にその町でお試し移住を経験しておくと、思い描いていた生活とのずれを抑えやすくなります。
田舎での生活にあこがれて移り住んだものの、想像と現実の違いに戸惑うケースは珍しくないようです。
こうしたずれを避けるには、取得に踏み切る前に「お試し移住」で一定期間その町に滞在し、日々の暮らしがどのようなものになるか、地域の人たちとの関わり方はどうか、といった点を肌で確かめておくのがおすすめです。
0円で譲り受けられる空き家の見つけ方4つ

「空き家差し上げます」といった0円で譲ってもらえる物件は、どこで見つかるのでしょうか。ここでは4つの探し方を順に紹介します。
【おすすめ】「0円空き家バンク」に取り組む自治体での物件探し
0円で暮らせる空き家を見つけたいなら、自治体が仲介役となる空き家活用の取り組みを調べ、用意された仕組みを使って譲り受けるやり方が特におすすめです。
近年は、人口減少や空き家の増加に頭を抱える自治体が多く、各地で移住を呼び込むための取り組みが進められています。そうした流れを受けて、「0円空き家バンク」のように空き家を無料で移住者に提供するところも出てきています。
一例として富山県上市町では、専用のポータルサイトを開設し、土地と建物をあわせて無償で譲る0円の空き家情報を公開しています。

自治体の制度を使う利点として、当事者同士だけで話を進めるのではなく自治体が仲立ちをするため、トラブルが起こりにくい点が挙げられます。加えて、地域ぐるみで移住者を迎え入れる姿勢があり、0円譲渡のほかにも移住支援の補助金が用意されている例が多い点も魅力です。
ただし、「0円空き家バンク」に取り組んでいる自治体は、今のところ富山県上市町や東京都西多摩郡奥多摩町などごく一部にとどまります。
取り組む自治体が今後広がることも考えられるため、「地域名+0円空き家バンク」といったキーワードで調べてみるとよいでしょう。
まったく費用をかけずに譲り受けられる物件は数が多くありませんが、一度チェックしてみる価値は十分にあります。
【おすすめ】自治体の「空き家バンク」の活用
「【おすすめ】「0円空き家バンク」に取り組む自治体での物件探し」で取り上げた「0円空き家バンク」とは違って無償譲渡に限られるわけではありませんが、空き家の利活用を目的に各自治体が設けている「空き家バンク」が全国にあります。
こうした仕組みを活用すると、タダとまではいかなくても、百万円以下といった驚くほど安い価格の空き家に出会えることがあります。
自治体ごとの空き家バンクのサイトは、国土交通省の「空き家・空き地バンク総合情報ページ」でまとめて調べられます。
さらに、公募で選ばれた事業者が運営する「LIFULL HOME’S空き家バンク」や「アットホーム空き家バンク」なら、複数の自治体の物件をまとめて手軽に検索できて便利です。

民間運営の空き家マッチングサービスの活用
無償で譲渡される物件は、民間企業が手がける空き家マッチングサービスでも探せます。
代表的なのは「みんなの0円物件」で、掲載物件のうち9割弱が成約に至っているとされ、全国各地から1,935件以上の0円物件情報が集まっています(2026年8月確認時点)。

ほかにも、0円〜100万円未満の「空き家売ります」情報を多く扱う「家いちば」や「Sumai空き家」で、無償譲渡や格安の物件が見つかる場合があります。
マッチングサービスの強みは、全国各地の物件情報をまとめて効率よく集められる点です。
ただし、自治体が発信する情報とは異なるため、掲載内容の正確さが十分でないケースも考えられます。
権利関係に不備がないかなど、トラブルの種を自分自身で入念に確かめる必要がある点は弱みといえます。
現地を歩いて自力で探す方法
サイトに頼らず、現地を訪れて自力で空き家を探すやり方もあります。
実際に町を歩くと、「この通りでカフェを開いてみたい」「この古民家に手を入れれば思い描く暮らしができそう」といったひらめきが生まれることもあるでしょう。
管理を任されている不動産会社の連絡先が空き家に掲示されていれば、問い合わせてみてください。
持ち主が不明なときは、法務局で登記簿を請求すると所有者の氏名や住所を確認できます。
近所の方や商店街、自治体に話を聞いてみるのも有効です。
空き家の周辺を実際に歩いてみると、過疎の進み具合や周りの環境、移住者を受け入れる住民や自治体の姿勢など、多くの手がかりが得られるでしょう。
空き家の買取を検討している方は、以下をご覧ください。
\地方の築古住宅もお気軽に査定/
空き家の無償譲渡のほかに検討できる方法

ここまで、「空き家差し上げます」をうたう物件の特徴や注意点を見てきました。
家を0円で譲り受けられるといっても、良い面ばかりではないと感じた方も多いかもしれません。
無償譲渡物件では、譲渡税などの税負担に加えて、修繕やリフォームに多額の費用が必要になる例が少なくありません。
また、立地条件が良くないために、土地そのものの価値が低いことも考えられます。
状況によっては、無料で手に入ることに固執せず、別の方法も視野に入れてみるのがよいでしょう。
手頃な価格の中古住宅の購入(仲介会社を通すと心強い)
ひとつ目は、無料の空き家をもらうのではなく、手頃な価格の中古住宅を仲介会社経由で買うという方法です。
不動産のポータルサイトでは、500万円以内で購入できる中古一戸建てを集めた特集ページなどが公開されています。
無償譲渡の物件でも、譲渡税として数百万円を負担する例があるため、費用の面では大きな違いが生じない可能性もあります。
仲介会社が間に入る取引であれば、売買契約書づくりや権利関係の確認、土地にかかる法規制の調査などを不動産会社に任せられるため心強いでしょう。
タダの物件だけに絞らず、手頃な中古住宅も候補に加えてみてはいかがでしょうか。
希望に合う物件がなかなか見つからない場合は、未公開物件や値下げの情報を届けてくれる「タウンライフ不動産」の一括請求サービスを利用するのも一つの手です。
\未公開物件が豊富!希望を伝えてまとめて依頼/
長く賃貸で暮らすと新築を譲り受けられる自治体制度の活用
別の方法として、空き家バンクとは異なる自治体独自の制度を利用するやり方もあります。
一定の期間にわたって賃貸で暮らし続けると、土地と住宅を無償で譲り受けられる仕組みを設けている自治体も存在します。
一例として、宮城県七ヶ宿町には「地域担い手づくり支援住宅」という制度があり、新築の賃貸住宅に20年住むと土地と建物を無償で譲り受けられる仕組みとされています。間取りは家族構成に応じて決められるとのことです。
新築住宅で暮らせるこうした制度を使えれば、修繕やリフォームの費用を負担せずに、心地よい新生活を始められるでしょう。
移住者の呼び込みを目的に、同様の取り組みを導入する自治体は今後増えていく可能性があります。各自治体の制度について、日頃から情報を集めておくとよいでしょう。
空き家を無償で譲り受ける際のよくある質問
- (0円)の無償譲渡で空き家を受け取ると、贈与税は課されますか?
-
不動産をただで譲り受けたときは、評価額のうち110万円を上回る分が贈与税の課税対象となります。
贈与税とは別に、登記の費用(司法書士手数料・登録免許税など)や不動産取得税も必要になります。
適用される税率や軽減措置は、取得した時期や用途に応じて変わるため、自治体や司法書士へ前もって問い合わせておくと安心です。
物件価格が0円であっても諸費用の負担は生じることを、あらかじめ押さえておくとよいでしょう。
- 空き家を譲りたいという「差し上げます」物件は、どうやって探せばよいですか?
-
自治体による「0円空き家バンク」のほか、LIFULL HOME’Sをはじめとする空き家バンクのサービスを使う方法もあります。
マッチングサービスの「みんなの0円物件」なども、検討先として挙げられます。
物件は空き家率の高い地方に多く見られ、長野県軽井沢町や栃木県那須町などが例として挙げられます。
- 0円で空き家を譲り受けるとき、どのようなトラブルが起こりがちですか?
-
個人同士で契約を結んだ場合、農地法による制限があって取得できない、再建築不可であることが後になってわかる、隣家と境界をめぐって揉める、といった問題が生じることがあります。
さらに築年数の古い住宅だと、リフォームに1,000万〜2,000万円ほどかかる例も見られます。
契約書をきちんと作成したうえで司法書士へ相談しておくと、リスクを抑えやすくなります。
まとめ
「空き家差し上げます」とうたわれる無償譲渡物件について、ここまで仕組みや費用、注意点を順に取り上げてきました。
記事の締めくくりとして、押さえておきたいポイントを振り返ります。
「空き家差し上げます」とうたう物件の概要
・土地と建物をまとめて無償で譲り受ける取引で、代金はタダ(無料)
・自治体が運営する「空き家バンク」や、「みんなの0円物件」などのマッチングサービスで探せる
・長野県軽井沢町、栃木県那須町、静岡県熱海市、千葉県勝浦市のように、「空き家率」の高い地域で多く見られる
0円でも手放したい人がいる理由
・【前提】売りに出しても買い手がつかなかった
・取り壊すだけでも100万円以上の出費になる
・所有を続けるだけで数十万円の維持費が出ていく
・法改正により、固定資産税が6倍に跳ね上がるおそれもある
物件価格が0円でも、税金や諸費用は意外とかさむ
・贈与税
・不動産取得税
・贈与登記にかかる費用
・無償譲渡契約書(贈与契約書)を作成する費用
・修繕やリフォームにかかる費用
無償の空き家に潜む3つのリスク
・大規模な修繕・リフォームを避けられないケースが目立つ
・契約をめぐってトラブルになるおそれがある
・将来、自分が手放そうとしたときに苦労しやすい
0円の空き家を見つける4つの方法
・「0円空き家バンク」に取り組む自治体を調べる
・「空き家バンク」で探す
・民間が運営する空き家マッチングサービスに登録する
・現地を歩いて自分で探し出す
もらった後に後悔しないための心得
・無償の譲渡であっても、契約書は用意しておく
・いずれ手放すときの流れを、あらかじめ想定しておく
・お試し移住で暮らしを体験してから判断する
タダで家が手に入るのは魅力的に聞こえますが、税金が発生したり、リフォームや修繕に多額の費用がかかったりして、結果的に数百万円の負担になる例も見られます。
うたい文句だけで飛びつかず、本当に暮らしたい土地で、住みたいと思える家を探すほうが満足度は高いと考えられます。
不動産の売却を検討中の方には、不動産一括査定サイトの活用をおすすめします。
| 空き家が売れず処分に困っている方におすすめ | |
![]() 訳あり不動産相談所 | 空き家や事故物件・再建築不可物件なども対応 訳あり不動産相談所の体験談 ▼簡単入力30秒・24時間365日▼ 訳あり不動産相談所で査定 |
![]() 訳あり物件買取プロ | 訳あり物件・トラブル物件も対応 年間相談実績5,000件超 ▼ 30秒の入力で簡単査定 ▼ 訳あり物件買取プロで査定 |
| どんな家でも売り買いできるフリマアプリ | |
![]() ポルティ | プロの撮影や物件紹介代行も可能 AIによる空き家査定あり ▼ アプリダウンロード ▼ ポルティアプリを試してみる |
![不動産 – LiPro[ライプロ]| あなたの「暮らし」の提案をする情報メディア](https://test01.vod-rich.com/wp-content/uploads/2026/10/lipro-realestate-logo-kari.png)









