依頼先によっては査定額に数百万円もの開きが出ることがあると聞き、マンションの査定になかなか踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
提示された高値を信じて任せたのに、あとから価格を下げるよう求められた。何社かにまとめて依頼したら、勧誘の電話が相次いだ――そんな話を見聞きして、申し込みをためらっている方は少なくないと思われます。
マンション査定で後悔を避けるには、まず査定価格を「3か月程度のうちに買い手が見つかると予想される金額」ととらえることが出発点になります。そのうえで、査定の前・最中・後という3フェーズごとに気をつけたい点を、順を追って把握しておくことが大切です。
マンション査定で押さえておきたい10の注意点【査定前・査定中・査定後】

マンションを査定に出す際に気を付けたいことは、査定の前・最中・後という3フェーズに区切ると全体像をつかみやすくなります。
ここでは4+3+3の内訳で、全部で10項目をフェーズ別に並べています。
【査定前】納得の査定につなげる4つの下準備(注意点1〜4)
査定に入る前は、「複数社への依頼/掃除と片付け/独断でのリフォームを控える/書類集めと相場の下調べ」という4点が準備の柱になります。
どこまで準備できているかによって、示される査定額の確かさや、担当者から引き出せる情報の量が変わってきます。
| チェック項目 | 背景・根拠 | 実践のしかた |
|---|---|---|
| ①査定の依頼先は3社以上にする | 会社ごとに数百万円単位で開きが出ることもあり、複数社の比較が基本 | 机上査定3〜6社→訪問査定2〜3社と段階を踏んで依頼 |
| ②玄関や水回り、共用部を重点に、最低限の掃除・片付けをしておく | 価格査定マニュアルでは「室内の維持管理状況」の評点が±10点 | 業者によるクリーニングまでは不要。水回りと玄関の汚れを落としておく |
| ③リフォームや修繕を独断で進めない | かけた費用を回収できるか読みにくく、買主の好みに合わないおそれもある | 手を入れる前に不動産会社へ相談する |
| ④書類をそろえつつ、相場も自分で調べておく | 国土交通省「不動産情報ライブラリ」で成約価格を調べられる | 登記事項証明書・管理規約・長期修繕計画書を用意し、公的データから相場の中央値をつかむ |
中でも注意点②の掃除は影響が大きく、価格査定マニュアルでは「室内の維持管理状況」に±10点の幅がある一方、耐震性の幅は±3点にとどまります。
つまり、売主の工夫で変えられる清掃は、変えようのない耐震性能と比べて3倍以上の重みを持つ場合があるということです。高額なリフォームを検討する前に、玄関・水回り・換気を整えるほうが費用に見合う効果を得やすい傾向にあります。
相場をつかむ手段としては国交省「不動産情報ライブラリ(REINFOLIB)」が便利で、周辺の成約価格や地価を名前を明かさずに調べられます。
提示された査定額が高いか低いかを自分で見極められれば、交渉を有利に進めやすくなります。
\まず3社の査定額を見比べてみる/
【査定中】担当者へ確かめたい3つの確認事項(注意点5〜7)
査定の場では、「査定額の裏付けを尋ねる/不具合はありのままに伝える/査定価格=売出価格としない考えをすり合わせる」の3点を確認しておきましょう。
この段階でのやり取りが、媒介契約を結んだ後の販売活動における担当者との信頼関係の土台になります。
| チェック項目 | 背景・根拠 | 実践のしかた |
|---|---|---|
| ⑤査定額の裏付けを尋ねる | 宅建業法第34条の2第2項「価額の根拠明示義務」 | 「近隣で直近3か月に成約した事例を3つ」「価格を押し上げる要因・押し下げる要因」を尋ねる |
| ⑥雨漏りや設備の故障、心理的瑕疵などの不具合を包み隠さず伝える | 民法第562条 契約不適合責任 | 物理・法律・環境・心理という4区分に沿って書き出し、担当者に共有する |
| ⑦査定価格を売出価格に直結させない考えを共有する | 売出価格は、査定価格を土台に販売戦略を踏まえて設定するもの | 適正価格戦略とチャレンジ価格戦略のどちらが合うか、担当者と話し合う |
とりわけ注意点⑥の瑕疵に関しては、民法第562条に、引き渡された物件が契約内容に合っていない場合、買主は売主に対して修補や代替物の引渡しなどによる履行の追完を求められる、という趣旨の定めがあります。
不具合を把握していたのに黙っていた場合は契約不適合責任を追及され、修補や代金の減額、損害賠償、契約の解除といった争いに発展するおそれがあります。
また、免責特約を付けていたとしても、売主が知っていて伝えなかった事柄については責任を逃れられないことにも気を付けてください。
告知の対象となる瑕疵は、「物理面(雨漏り、シロアリ被害、設備の故障)」「法律面(管理規約によるリフォームの制限、ペット飼育の可否)」「環境面(騒音、嫌悪施設)」「心理面(自殺や事件など)」の4つの区分で整理できます。
ありのままを伝えたうえで査定額を算出してもらうことが、売主自身を守るうえで有効な手段になります。
【査定後】媒介契約の前に見極めたい3つの視点(注意点8〜10)
査定結果が出た後は、「ローン残債と手元に残る金額の試算/媒介契約の選択/売却予定日の3か月前までに査定を済ませておく」の3点をもとに判断します。
査定額が手元に届いてから媒介契約の締結に至るまでの期間をどう使うかが、売却の結果を大きく左右します。
| チェック項目 | 背景・根拠 | 実践のしかた |
|---|---|---|
| ⑧ローン残債と、売却後に手元へ残る金額を算出する | オーバーローンだった場合の対応(預貯金での補填・住み替えローン・任意売却)を前もって見極めておく必要がある | 売却価格から仲介手数料・印紙税・登記費用・譲渡所得税を差し引いて手取り額を計算 |
| ⑨一般/専任/専属専任の3種類の中から、状況に合った媒介契約を選ぶ | 宅建業法第34条の2 | 競争力の高い物件なら一般媒介、時間をかけて売るなら専任系が向く |
| ⑩査定は売却希望時期の3か月前までに済ませる | 査定から成約までは平均3〜6か月が業界の一般的なスケジュール | 成約まで平均3〜6か月を見込み、引越しの時期から逆算して動く |
注意点⑧のローン残債については、売却代金が残債を上回るアンダーローンか、下回るオーバーローンかを早めに見極めることが大切です。オーバーローンの場合は、預貯金での補填・住み替えローン・任意売却のいずれかを選ぶことになります。
▶︎費用と税金の全体については媒介契約と費用・税金の章で詳しく解説しています。
注意点⑩については、引越しや住み替えの希望時期から逆算し、査定は3か月前、売却活動に3〜6か月を目安に組むのが実務上の感覚です。
依頼が直前になると、各社を比べて検討する時間が足りなくなり、後で悔やむことになりかねません。
続いて、一括査定サイトを使う際のリスクを確認していきます。
査定価格と売却価格の違い|見落としがちな3つの誤解

マンションの査定で陥りやすいつまずきとして、提示された査定額がそのまま手元に入る金額だと思い込んでしまうケースが挙げられます。
査定価格はあくまで市場データをもとにした見込みの金額で、実際にいくらで売れるかは買主との話し合いによって決まります。
3か月以内での成約を見込んだ予測値としての査定価格
公益財団法人 不動産流通推進センターが公表する「価格査定マニュアル」の考え方によると、査定価格は条件の近いマンションの成約事例と照らし合わせる「事例比較方式」によって導かれる見込み額にあたり、提示された金額どおりに売れるとは限りません。
『事例マンションは評価の結果、評点○○点で○○○○万円で売れたが、これと比較して査定マンションの評価の評点は◎◎◎点なので、査定価格は◎◎◎◎万円となる』
※引用:価格査定マニュアルによる中古マンションの査定|公益財団法人 不動産流通推進センター
加えて、宅建業法第34条の2では、媒介契約を結ぶ際に不動産会社が価額の根拠明示義務を負うと定められているため、査定価格には事例データに裏づけられた根拠が求められます。
成約額は買主との交渉次第で上下するので、早めに手放したいのか、じっくり時間をかけて高値を目指すのかによって、上乗せ幅の考え方も異なってきます。
5〜8%の上乗せ幅を設ける目的
実際の売出価格は、価格交渉の余地や売主の意向を考慮し、査定価格よりやや高めに設定されるケースがあります。
どの程度上乗せするかは物件に対するニーズや売却したい時期に左右されるため、5〜8%程度を実務上の目安の一つとしながら、販売戦略を不動産会社とすり合わせたうえで決めると安心です。
買主から値下げを求められることを見込んでおき、交渉後の成約額が査定価格の水準に落ち着くように逆算して設定する考え方です。
どれだけ上乗せするかは、売却に充てられる期間の長さや、その物件の人気度合いによっても違ってきます。
スピードを重視するなら相場水準に近い価格で、時間をかけてでも高値を目指すならある程度の上乗せをしたうえで、いつ値下げするかをあらかじめ決めておくと、販売の段取りを組みやすくなります。
東日本不動産流通機構の月次・年次集計を見ると、首都圏の中古マンションでは成約価格と新規登録価格の間に開きがあることがわかります。
相場とかけ離れた売出価格をつけると販売が長引きやすくなるため、周辺で成約した事例や現在売りに出ている物件の価格を確かめながら金額を決めることが大切です。
査定価格を売出価格に直結させる落とし穴
査定価格と同じ金額で売り出すことが一概に悪いわけではありません。ただ、価格交渉の余地や売却したい時期を考慮しないまま決めてしまうと、予定より早い段階での値下げや、成約額が見込みを下回る事態を招くおそれがあります。
たとえば、値下げに応じない物件だと受け取られて内覧の申し込みが減る、売れ残るうちに相場との差が目立って値下げ幅が大きくなる、競合物件との価格差が生まれず買主の候補から外れる、といった問題が次々に起こりかねません。
売出価格の水準は、「適正価格戦略」と「チャレンジ価格戦略」のどちらを採るかによって異なります。
早めの売却を優先するなら査定価格とほぼ同水準の適正価格を、時間に余裕があって高値を目指すなら査定価格を上回る水準に設定するチャレンジ価格を選ぶのが一般的な考え方です。
マンション査定3つの方法(AI・机上・訪問)の選び方と押さえたいポイント

マンションの査定方法は、AI査定(匿名査定)、机上査定(簡易査定)、訪問査定の3種類に大別できます。どれを選ぶかによって、結果の正確さや結果が出るまでの期間、営業の連絡を受ける可能性が変わってきます。
まだ情報を集めている時期はAI査定や机上査定でおおよその相場をつかみ、仲介を任せる不動産会社を選ぶ時期になったら訪問査定を申し込む、という順番が実務ではよく取られています。
査定方法ごとの違いを比較(タップで開く)
| 査定の種類 | 正確さ | 結果までの期間 | 個人情報の提供 | 向いている場面 | こんな方向け |
|---|---|---|---|---|---|
| AI査定 (匿名査定) | 低(おおよその相場) | 瞬時〜数分 | 不要、またはメール程度 | 売るかどうか決めかねている段階で相場を確かめたい | 個人情報を伏せたまま相場をつかみたい方 |
| 机上査定 (簡易査定) | 中 | 最短当日〜3日 | 必要(電話やメールで連絡) | 複数社の対応を見比べ、訪問を頼む会社を選ぶ | 訪問査定の前に3〜6社へまとめて依頼したい方 |
| 訪問査定 | 高(もっとも正確) | 1週間ほど | 必要(訪問日の調整あり) | 仲介を任せる会社を決める | 売出価格を固めて売却を本格的に進めたい方 |
AI査定(匿名査定)で分かることと限界
AI査定(匿名査定)は、サービスによっては入力する個人情報が少なく、手軽に試せる点が魅力です。一方で、示される金額は概算の相場にとどまり、室内の傷み具合や設備のグレード、管理組合の運営状況といった物件ごとの事情は反映されにくい推定値と考えておくとよいでしょう。
多くの場合、マンション名・所在地・専有面積などを入れるとすぐにおおよその価格が表示され、なかにはメールアドレスだけで利用できるものもあります。
営業の電話がかかってくる心配がほとんどないため、売却するか決めきれず、家族や職場の人に知られないまま相場を見ておきたい方に向いています。
一方で、価格査定マニュアルは評価項目ごとに評点を定めており、こうした細かな評価をAIで再現するのは難しいとされています。
▶︎評点の幅がどの程度になるかは査定前4つの準備で具体例を紹介しています
売却に本腰を入れる段階になったら、AI査定の金額は「おおよその目安」として扱い、個別の事情まで踏まえた査定価格は訪問査定で出してもらう、という進め方が多く見られます。
机上査定(簡易査定)が向く場面と特徴
机上査定は、所在地・築年数・間取り・専有面積といったデータから不動産会社が短時間で価格を算出する方法です。最短当日〜3日ほどで結果を受け取れるため、複数の会社を比べ始める最初の段階で使いやすい査定といえます。
担当者が家に来ることはなく、連絡はメールや電話だけで済みます。
正確さはAI査定と訪問査定の中間にあたります。直近の市況や周辺の成約事例は織り込まれるものの、室内の状態までは見ていないため、訪問査定の結果と数百万円単位で開きが生じるケースもあります。
机上査定が役立つのは、「3〜6社に同時に依頼し、訪問してもらう会社を絞りたいとき」「各社の対応の早さや資料の筋道の通り方を見比べたいとき」「売出価格のおおよその幅をつかみたいとき」の3つの場面です。
気をつけたいのは、依頼した時点で会社側に個人情報が伝わる点です。結果が届いたあとは、営業の連絡が入ると考えておいたほうがよいでしょう。
▶︎営業連絡への備え方は一括査定サイトを使う際の3つの注意点で解説しています
説明に筋が通っていて対応も早い2〜3社まで候補を減らしてから訪問査定に進むと、手間を抑えながら査定の精度も高めやすくなります。
訪問査定で確認されることと期間の目安
訪問査定では、担当者が実際に物件を訪れ、室内や設備、共用部分の状態を自分の目で確かめたうえで価格を出します。精度が高く、媒介契約を結んだり売出価格を決めたりする前に欠かせない手順といえます。
依頼してから結果を受け取るまでには、約1週間かかるのが一般的です。
室内がどれだけ手入れされているか、耐震性、何階にあるかといった、机上査定だけでは見極めにくい加点・減点の要素が、現地で確認されたうえで評価に反映されます。
▶︎加点・減点の幅の具体例については査定前4つの準備をご覧ください
なお、会社ごとに立ち会う必要があるため、複数社に同時に頼むと1社ごとに1〜2時間ずつ時間を取られます。
机上査定の金額や担当者の対応ぶりをもとに候補を2〜3社に減らしたうえで訪問査定を申し込む流れがよく見られます。
マンション査定で評価される10の確認項目【物件面・管理面・立地面】

査定の場では、物件そのもの・管理の状態・立地条件という3つのグループに属する、合計10の要素が確認されます。
売主が手を加えられる部分(清掃や書類の整理)と、変えようのない部分(築年数や立地)を分けて考えると、短い準備期間をより効率よく使いやすくなります。
【物件】耐震性・築年数・室内の状態・リフォーム歴という4項目
物件そのものについては、築年数、耐震性、室内がどの程度きれいに保たれているか、リフォームを行った履歴という4つの観点で評価されます。
±10点と±3点という評点幅の違いが何を意味するかは査定前4つの準備で説明しているため、ここでは4つの要素ごとに準備のポイントをまとめるにとどめます。
| 物件に関する項目 | 評点の幅(価格査定マニュアル) | 売主側で手を打てること |
|---|---|---|
| 築年数 | 年数の経過に応じて減価 | 変えられない項目。長期修繕計画書やリフォームの記録で、年数相応に手入れされてきたことを示す |
| 耐震性 | ±3点(旧耐震・新耐震・長期優良相当の区分) | 変えられない項目。耐震診断や補強工事の記録があれば資料をそろえておく |
| 室内の手入れ状況 | ±10点 | 玄関、水まわり、換気、片付けを意識して第一印象を良くする |
| リフォームの履歴 | 工事からの年数や仕様のグレードで評価 | 見積書や契約書を手元にそろえ、いつ・どんな工事をしたか説明できるようにしておく |
参考までに、一般には1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認で建てられた建物が、新耐震基準にあたるとされています。
※参照:建築基準法第20条
新耐震基準は、大きな地震が起きても建物が倒れたり崩れたりしないことを目指した基準です。ただし物件ごとの耐震性は、建築確認の日付や耐震診断・補強の記録などを通じて確かめておくことが大切です。
旧耐震の物件であっても、管理組合が耐震診断や補強工事を行った記録が残っていれば、資料を示すことで評価が高まることも考えられます。
【管理】組合の運営状況・大規模修繕の実績・積立金残高の3項目
管理面で確認されるのは、組合がきちんと機能しているか、大規模修繕の計画があるか、修繕積立金が足りているかの3点で、中でも積立金の不足は査定額が下がる原因になりやすい項目です。
マンション選びは管理で決まるとよく言われるように、共用部分がどう管理されているかは資産価値に大きく影響します。
国交省の「マンション総合調査(令和5年度)」によると、計画上の金額に対して修繕積立額が足りていないマンションは36.6%にのぼり、不足の割合が20%を超えるマンションも11.7%あるとされています。
計画上の修繕積立金の積立額と現在の修繕積立金の積立額の差は、現在の積立額が計画に比べて不足しているマンションが 36.6%となっており、不足がある割合が 20%超のマンションが 11.7%になっている。
※引用:マンション総合調査(令和5年度)|国土交通省
積立金が足りない状態は、将来の一時金の徴収や積立金の引き上げにつながるおそれがあるため、買主が特に気にかけるポイントです。
| 管理に関する項目 | 売主が確認しておきたい資料 | 査定額との関係 |
|---|---|---|
| 管理の体制(組合運営・管理人・共用部分の清掃) | 管理委託契約書、総会の議事録 | 共用部分がどれだけ清潔か、管理人が常駐か巡回かがチェックされる |
| 大規模修繕の実施歴・長期修繕計画 | 長期修繕計画書、大規模修繕を実施した記録 | 計画どおりに工事が進んでいれば建物の先行きを見通しやすく、評価の上積みにつながる |
| 修繕積立金の残高・滞納の有無 | 管理組合の会計報告書、滞納に関する資料 | 残高が足りない・滞納が多いといった物件は減額の原因に(不足は全体の36.6%) |
積立方式の内訳は、均等積立方式が40.5%、段階増額積立方式が47.1%となっています。段階増額型は先々の値上げを織り込んだ方式のため、買主はこれからの負担も踏まえたうえで購入を検討します。
※参照:マンション総合調査(令和5年度)
【立地】駅からの距離・周辺の生活施設・住戸の位置(階数や向き)の3項目
立地については、駅から歩いて何分か、買い物施設や学校などへ行きやすいか、住戸がどの階・どの向きで日当たりはどうか、という3つの要素が評価されます。
どれも売主の努力では変えにくい条件ですが、長所と短所をありのまま伝えておくと、査定書の内容がより正確になります。
価格査定マニュアルを見ると、駅徒歩分数を含む「交通の便」は土地に関する評価項目に、「所在階」は単独の評点項目に位置づけられています。
| 立地に関する項目 | 評点の考え方(価格査定マニュアルなど) | アピールの工夫 |
|---|---|---|
| 駅までの徒歩分数 | 駅に近いほど評点が高く、徒歩20分を超えると下がりやすい | 使える路線の多さや主要駅への行きやすさを伝える |
| 周辺の生活利便施設 | 歩いて行ける範囲にスーパー、病院、学校、公園などがどれだけそろっているか | 子育て世帯を意識し、学校などへの通いやすさを伝える |
| 住戸の位置(階数・向き・眺め) | 上層階、南向き、角部屋ほど評点が高くなりやすい | 眺めや日の入り方がわかる写真を用意して印象を高める |
気をつけたいのは、浸水の危険が大きい地域、車の往来が激しい道路沿い、いわゆる嫌悪施設が近いといった条件です。評価を下げる要素ではあるものの、伏せずに告知事項として伝えておくほうが、引き渡し後のもめごとを防ぎやすくなります。
一括査定サイトで気をつけたい3つのポイント|営業連絡と個人情報のリスク対策

一括査定サイトを使えば、複数の会社へまとめて査定を頼めます。ただし、入力した内容は提携している会社へ渡されるため、依頼先に選んだ会社の数に応じて電話やメールで連絡が入ることを前提に利用すると安心です。
複数の会社から営業電話がかかってくる理由と仕組み
物件の情報や連絡先は、一括査定サイトに登録すると提携している不動産会社のうち、自分が選んだ会社へ共有される仕組みになっています。選んだ社数分の電話やメールが届くのはサービスの「仕様」と受け止めておくと、落ち着いて対応しやすくなります。
電話による営業自体は法律に反するものではありません。ただし、勧誘のやり方によっては宅建業法に違反するケースがあります。
勧誘をめぐるトラブルについては、国民生活センターにも相談が途切れることなく届いています。
一人暮らしの自宅に突然、不動産業者が2人で訪ねて来た。住んでいるマンションを売らないかと勧められ、とにかく売れ売れと夜9時半まで居座られた。翌日も2人で訪ねてきて朝10時から夜7時頃まで居座られた。
※引用:高齢者の自宅の売却トラブルに注意|国民生活センター(2021年6月24日公表)
以下に挙げる行為は、宅建業法に基づく禁止行為として国土交通省がはっきりと示しているものです。
※参照:国交省 高齢者の自宅の売却トラブル
- 将来の利益が不確かなのに、断定的な見通しを示すこと(法第47条の2第1項)
- 相手を脅すような態度で迫ること(法第47条の2第2項)
- 私生活や仕事の平穏を乱すやり方で相手を困らせること(施行規則第16条の12第1号ヘ)
- 勧誘の目的や会社名、担当者の名前を伝えないまま勧誘すること(同号ハ)
- 契約するつもりはないと伝えた後も、なお勧誘を続けること(同号ニ)
- 迷惑と感じる時間帯に電話をかけたり訪ねてきたりすること(同号ホ)
たとえば「断ったのに何度も電話がかかってくる」「夜遅くや朝早くに連絡が来る」「会社名を言わずに勧誘してくる」といったケースは違反に該当するとされる行為で、毅然とした態度で応じて差し支えないものです。
営業電話を減らすための3つの実践的な工夫
一括査定サイトを利用するときは、「連絡を受けたい時間帯を指定する/メールでの連絡を優先にチェックする/断り方をはっきり決めておく」という3つの工夫で、営業電話を減らしやすくなります。
契約の意思がないことをはっきり伝えた場合、それ以降も勧誘を続けることは法令で禁じられています。
具体的には、(a) 査定を申し込むフォームで「希望連絡時間帯」「メール優先」を選んでおく、(b) 依頼するつもりのない会社には「迷惑なので今後の勧誘はやめてください」「家を売る予定はありません」とはっきり伝える、(c) 見覚えのない番号からの着信には出ず、通話録音装置も役立てる(高齢の方がいる世帯ではとくに有効)――という3つが実践のポイントです(※参照:国民生活センター 勧誘対応FAQ、宅建業法施行規則第16条の12|e-Gov法令検索)。
勧誘をやめてもらうための助言として、国民生活センターは次のように答えています。
不動産業者に対して、「迷惑なのでもう勧誘しないでほしい」「自宅は売りません」と明確に、きっぱりと伝えましょう。消費者が勧誘を断ったにもかかわらず、勧誘を続けることは禁止されています。
※引用:自宅を売ってほしいという不動産業者の勧誘が迷惑なのでやめさせたい|国民生活センター(2021年10月28日公表)
営業の電話がどうしても気になり、まずは情報を集めるところから始めたい場合は、資料請求をもとに複数の会社の特色を見比べられる次のサービスが取り組みやすいでしょう。
\連絡手段を選んで査定を申し込む/
個人情報を伏せたまま相場をつかむ匿名査定・AI査定の活用法
まだ個人情報をあまり入力したくない時期には、国交省の不動産情報ライブラリ(REINFOLIB)やAI査定が役立ちます。名前を一切出さずに、あるいはメールアドレスを入れる程度で、相場を調べられることがあります。
本格的に売り出す前の、情報を集めている段階に向いた方法といえます。
進め方は3つのステップです。最初に不動産情報ライブラリで周辺の成約価格や地価を調べ(個人情報の入力は不要)、続いてAI査定サービスで自分の物件のおおよその相場を出し(入力はメールアドレス程度)、最後に両方の結果を照らし合わせて相場の幅をつかみます。
ただし、AI査定や匿名査定で得られるのは、あくまで「概算相場」程度の精度です。
実際にいくらで売れそうかを見積もるには、訪問査定が欠かせません。匿名査定は「営業電話の心配をせずに、最初の相場感をつかむための手段」として使い分けるとよいでしょう。
突出した高額査定への警戒|囲い込み・おとり査定を見分けるコツ

何社かの査定額を並べてみると、ほかより際立って高い金額を出してくる会社が見つかることがあります。ただ、高い査定額がそのまま誠実な評価とは言い切れないため、媒介契約を取りたいがための「囲い込み」「両手仲介のリスク」「おとり査定とも呼ばれる高預かり」という3つの視点で見極めることが大切です。
高預かり(おとり査定)の典型パターンと確認ポイント
相場から大きく離れた高い査定額には、媒介契約を結ぶことを狙った高預かり、いわゆるおとり査定のおそれがあります。見分ける手がかりは、価格の裏付けが乏しくないか、売れ残ってから値下げすることを織り込んだ販売プランになっていないか、という点です。
価格について意見を述べる際、宅建業者は根拠を明らかにすることが宅建業法第34条の2第2項で求められています。裏付けを説明できない高額査定は、法令の面から見ても問題をはらんでいるといえます。
| チェック項目 | 担当者に聞くこと | 信頼に足る答え方 | おとり査定が疑われる答え方 |
|---|---|---|---|
| 査定価格の裏付け | 直近3か月以内に近所で成約した事例を3つ挙げてもらえますか | 成約データを示しながら筋道立てて説明する | 「地域の平均」「市場の雰囲気」といったあいまいな説明 |
| 販売の進め方 | 3か月以内に売却できなかったら、どう値下げしていきますか | 値下げの幅や時期、広告の打ち方まではっきり示す | 具体的な手立てはなく「全力で売ります」の一言のみ |
| 購入希望者の情報 | このエリアで購入を検討中のお客様は何組いますか | 「見込み客が○組いる」と数を挙げて答える | 「買主はすぐ見つかります」と言うだけ |
見落としやすいのは、おとり査定の問題が「価格を高く見せること」にとどまらない点です。媒介契約を結んだあとの囲い込みや両手仲介と結びつき、売主の利益が損なわれる仕組みこそが本質といえます。
物件の囲い込みと2025年1月施行のレインズ機能強化
囲い込みとは、他社から買主の紹介があっても、物件の取引状況をわざと伏せて断ってしまう行為を指し、売主と買主の両方を自社で仲介する「両手取引」を狙って行われます。
売却が長引いたり値下げを迫られたりする原因になる違反行為ですが、2025年1月に施行されたレインズの機能強化により、取引状況を売主が自分で確かめられる仕組みが用意されました。
囲い込みの定義について、国交省は令和6年12月24日のプレスリリースで以下のように示しています。
「囲い込み」とは、一部の宅建業者が自社の利益のため、売主・買主双方の媒介を行うことを目的として、故意に物件の取引状況を隠し、売主の意向に反して物件の紹介を行わないような行為を指します。こうした行為は、早期の成約可能性を狭め、売主や買主の利益を損なう可能性があり、市場の公正を害するものです。
※引用:レインズの機能強化について|国土交通省(令和6年12月24日)
2025年(令和7年)1月1日以降、囲い込みを防ぐ目的で、制度が2つの面から強化されています。
ひとつは宅建業者がレインズへ物件の取引状況を登録することの義務化、もうひとつは売主に渡される「登録証明書」へ2次元コードを載せ、売主専用画面に入りやすくしたことです(令和6年6月の施行規則改正/令和7年1月1日から施行。二次元コードを載せるのは令和7年1月4日以降)。
この結果、専任媒介や専属専任媒介を結んだ売主は、売主専用画面から自分で物件のステータスをチェックできるようになりました。ステータスは「書面による購入申込みあり」「公開中」「売主都合で一時紹介停止中」の3区分です。
※参照:レインズの機能強化について|国交省
両手仲介に潜むリスクと専任系の媒介契約との関係
両手仲介とは、ひとつの業者が売主と買主の両方を仲介する取引のことで、買主の探し方に偏りが出るおそれがあり、専任系の媒介契約と重なると囲い込みが起きやすい仕組みを抱えています。
両手仲介そのものが悪いとは言い切れません。担当者がどこまで売主の立場を考えているかを見極めるため、売主側から投げかける質問を表にまとめました。
| 分類 | 売主が尋ねること | 望ましい回答例 | 注意したい回答例 |
|---|---|---|---|
| 仲介の方針 | 両手仲介には積極的に取り組んでいますか? | 両手と片手の割合を毎月開示し、片手仲介で買主側の業者から紹介が来ることも歓迎している | 「両手なら手数料が安くなります」(実際とは異なる) |
| レインズの運用 | 登録証明書が発行されるのはいつですか? | 専任は7日以内、専属専任は5日以内に登録し、その日のうちに交付 | 「順番に対応します」と法定の期限に触れない |
| 他社からの紹介 | ほかの業者から問い合わせが来たときの対応は? | 内見の段取りや条件のすり合わせをすぐに進め、その都度売主へ共有 | 「うちだけで対応できますのでご心配なく」 |
| 売主専用画面 | レインズの売主専用画面はどう見ればいいですか | 登録証明書にある2次元コードから入る方法を案内し、IDとパスワードの保管方法も説明 | 「画面の見方はよくわかりません」 |
| 業務の報告 | 業務状況の報告はどんな形で受け取れますか? | 書面か電子メールで2週間に1回以上送付(法第34条の2第9項) | 「その都度お電話でご連絡します」(書面での報告義務を満たしていない) |
気をつけたいのは、専属専任媒介や専任媒介は1社だけに任せる契約であるため、売却がうまくいくかどうかが、任せた1社がどれだけ質の高い販売活動をするかに大きく左右される点です。
契約期間のあいだ、レインズの売主専用画面を定期的に確かめるよう習慣づけることが、囲い込みを避けるための現実的な対策になります。
▶︎3種類の媒介契約の違いについては媒介契約と費用・税金で詳しく紹介しています。
マンション査定で起こりがちな失敗とトラブルの実例

売却の現場で繰り返し見られるつまずき方を、6つのパターンに分けてご紹介します。
事例ごとの対処法は、関連する章へ移動できるリンクから確認していただけます。
| 起こりがちな失敗 | 招きやすい結果 | 背景にある原因 |
|---|---|---|
| 提示された査定額を売り出し時の価格にそのまま使う | 価格交渉の余地が残らず値引きを求められ、査定額より低い金額での成約になりやすい | 査定額はあくまで見込みの金額だという点を押さえず、売り出し方の作戦を立てていない ▶︎ 対処法を見る |
| 最も高い金額を示した会社とすぐに契約する | 買い手が付かず値下げが続きやすく、囲い込みに遭うおそれもある | 高い金額を出す会社ほど良心的だと思い込み、金額の裏付けを確かめないまま媒介契約を結ぶ ▶︎ 対処法を見る |
| 査定の依頼先を1社に絞ってしまう | 提示額が妥当かを判断する材料がなく、相場の感覚をつかみにくい | 手間や営業の電話を嫌い、複数の会社を見比べる工程を省いてしまう ▶︎ 対処法1、対処法2を見る |
| 独断で室内を改装してから査定を申し込む | かけた費用が売値に上乗せされず持ち出しになるうえ、買い手の好みと合わずに避けられることもある | 室内を整えれば売値も上がるはずという先入観 ▶︎ 対処法を見る |
| 不具合を伏せて契約し、のちに買主に知られる | 契約不適合責任(民法第562条)にもとづき、修補や損害賠償、契約の解除を求められる可能性がある | 金額に響くのでは、知られたくない、という気持ち ▶︎ 対処法を見る |
| 勧誘の電話に押されて媒介契約を急いで結ぶ | 他社と見比べる機会を失い、別の会社にすればよかったとあとで悔やむ | 営業の電話を上手に断る方法がわからず、相手のペースに流される ▶︎ 対処法を見る |
気をつけるべき点と査定の流れがつかめたら、いよいよ複数の会社へ査定を申し込む段階に移ります。
無料で使える一括査定へは、以下から進んでいただけます。
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査定を終えた後の進め方|媒介契約3種の選択と売却費用・税金の要点

訪問査定を経て任せたい会社が見つかったら、次は媒介契約を締結し、売り出しの段階へと進みます。
契約の形は一般媒介・専任媒介・専属専任媒介という3種類で、どれを選ぶかによって、複数の会社へ依頼できるか、レインズへいつまでに載るか、どの程度の頻度で報告が届くかが変わってきます。
3種類の媒介契約の違いと比べ方
宅建業法第34条の2が定める3種類の媒介契約は、他社と重ねて契約できるか、売主自身が見つけた買主と取引できるか、売主への報告やレインズ登録の期限はどうか、といった点でルールが分かれています。
物件の特徴や、どれだけ早く売りたいかを踏まえて選ぶのがおすすめです。
| 契約の種類 | 複数社への依頼 | 自分で見つけた買主との取引 | 売主への報告 | レインズへの登録期限 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般媒介 | 可 | 可 | 任意 | 任意 | 人気が見込める物件で、各社を競わせたい方 |
| 専任媒介 | 不可 | 可 | 2週間に1回以上 | 契約日から7日以内 | 依頼先を1社に絞りつつ、自分で買主を見つける余地も残しておきたい方 |
| 専属専任媒介 | 不可 | 不可 | 1週間に1回以上 | 契約日から5日以内 | 腰を据えて販売を任せたい方・自ら買主を探すつもりがない方 |
なお、専任媒介と専属専任媒介は、どちらも法律で有効期間の上限が3か月以内とされており、更新する際には書面での手続きが求められます。
契約期間のあいだは、レインズの売主専用画面で物件のステータスをこまめに確かめ、囲い込みを防ぐ習慣をつけておくと安心です。
売却時に発生する費用・税金のあらまし
マンションを売る際の主な出費は、仲介手数料(売買価格が400万円を超えるときの法定上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」)、印紙税、登記費用、そして譲渡所得が出たときに課される譲渡所得税です。
査定額が出た段階で手元に残る金額を見積もっておけば、売却後のお金の計画が想定から外れるリスクを抑えられます。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 仲介手数料(上限額) | (売買価格×3%+6万円)×1.1(400万円超部分) | 宅建業法第46条で定められた上限 |
| 印紙税 | 1,000円〜6万円 ※居住用マンションでよく見られる価格帯の場合 | 契約書に書かれた金額に応じて変わる。価格の高い物件では、より上の税額区分にあたることもある |
| 登記費用(抵当権の抹消) | 1筆1,000円+司法書士報酬1.5〜2万円 | 住宅ローンが残っているときに限る |
| 住宅ローン一括返済手数料 | 0円〜5.5万円 | 金融機関ごとに差がある |
| 引越し費用 | 5〜20万円 | 移動距離や荷物の量で上下する |
| 譲渡所得税 | 短期39.63%/長期20.315% | 居住用財産には3,000万円特別控除がある(適用には要件あり) |
※ 税制は年度ごとに改正されることがあります。記載内容は2026年8月時点の情報をもとにしています
譲渡所得税の税率(短期・長期・10年超の軽減)や3,000万円特別控除を使うための要件、確定申告の進め方は、税制改正によって変わることがあります。個別のケースの判断については、税理士などの専門家に相談すると安心です。
マンション査定時に気をつけたい点・FAQ(よくある質問)
査定だけをお願いして、売却は見送ることもできますか?
はい、問題ありません。
査定価格は、おおむね3か月程度で売買がまとまると見込まれる金額を予測したものにすぎません。査定を受けたからといって、売り出す義務が生じるわけではありません。
名前や連絡先を伏せたままマンションの相場を調べる方法はありますか?
AI査定や、国土交通省が提供する不動産情報ライブラリ(REINFOLIB)を活用すると、名前を明かさずに、あるいはメールアドレスを登録する程度で相場を調べられるケースがあります。
もっとも、得られるのはおおよその目安にとどまります。実際に売り出す段階では、訪問査定を受ける流れになります。
査定を受ける前に、部屋をきれいにしておいたほうがよいですか?
専門業者にクリーニングを頼むほどではありませんが、玄関や水回りの清掃、整理整頓、換気はしておくことをおすすめします。
価格査定マニュアルでは、室内の維持管理状況に±10点の評点幅が設けられており、査定額を左右しやすい項目とされているためです。
最も高い査定額を出した会社に任せれば、高値で売却できますか?
最も高い査定額が、そのまま売却価格になるとは限りません。
なかには媒介契約を結ぶことを狙って、相場よりあえて高い金額を示す「高預かり(おとり査定)」のケースもあります。算出の根拠を担当者に質問して確かめておくことが大切です。
AI査定で出た金額は、どの程度参考にできますか?
おおよその相場をつかむための目安と考えておくのがよいでしょう。
部屋の状態やリフォームの履歴、管理の状況といった物件ごとの事情は加味されません。そのため、実際の成約価格と大きくずれるケースもあります。
不動産会社からかかってくる営業の電話は、やめてもらえますか?
はい、やめてもらうことができます。
契約するつもりがないと伝えた後も勧誘を続ける行為は、宅建業法施行規則第16条の12第1号ニによって禁じられています。
まとめ|3フェーズで整理するマンション査定のポイントと後悔しない進め方
注意点を「査定前」「査定中」「査定後」の3フェーズに分けて見直すと、どの時期に何へ取り組めばよいのかを順序立てて把握しやすくなります。
ここで、この記事でお伝えした内容を振り返っておきましょう。
- 3種類の査定の使い分け:まずはAI・匿名査定で相場感をつかみ、机上査定で複数社を見比べ、訪問査定で最終判断を下す三段構えがひとつの目安
- 査定価格と売却価格は別物:査定価格はおおむね3か月程度で買い手が見つかると想定される予測の金額であり、売出価格はそれを土台に、いつまでに売りたいかや販売方針を考慮して設定するもの
- 段階ごとに整理した10の注意点:査定前に4、査定中に3、査定後に3の項目をチェックリストで確認し、抜け漏れを防ぐ
- しつこい営業電話への備え:宅建業法第47条の2と施行規則第16条の12の内容を把握したうえで、はっきりとお断りする言い方を用意しておく
- おとり査定や囲い込みへの備え:査定額の根拠はこちらから質問して確かめ、契約を結んだあとは2025年1月に施行された登録義務化を踏まえて、レインズの売主専用画面で2週に1回を目安に物件の状況をチェック
- 媒介契約・費用・税金の把握:一般媒介・専任媒介・専属専任媒介という3種類の違いを押さえ、仲介手数料や譲渡所得税を試算して手元に残る金額をつかむ
ポイントを押さえられたら、次は複数の会社から査定額と提案の中身を取り寄せて、見比べるステップへ進むのがおすすめです。
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