「家や土地を手放したいけれど、どの会社に頼めばよいのか」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
先に要点を申し上げると、誰が頼んでも最良といえるような1社は、不動産売却には存在しないと考えられます。
売りに出す物件の種別や所在地、さらに売却のねらい(価格を優先したいのか、現金化のスピードを優先したいのか)しだいで、ふさわしい依頼先が異なるからです。
名前がよく知られているかどうかだけで決めずに、ご自身の状況に照らして判断できるものさしを持ったうえで、依頼先を見比べることが重要です。
本記事では、売却を任せる会社のタイプごとの特徴、信頼に足る会社を見分けるための5つの判断基準、そして大手仲介10社を比べた内容を順に取り上げます。
加えて、囲い込みや釣り査定といった、避けたい会社を見分けるポイントにも触れていますので、ご自身が納得して売却を進めるための材料としてお役立てください。
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※2026年10月現在の情報です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
本記事で取り上げるテーマは、次のとおりです。
不動産売却の成否は依頼先しだい|押さえたい3タイプと仲介・買取の比較

物件が同じであっても、どの会社に任せるか、どんな方法で売り出すかによって、手元に残る金額や成約までにかかる時間に差が出る場合があります。
最初に押さえておきたいのは、「売却方法(仲介か買取か)」と「依頼先の会社タイプ」という2つの視点です。
仲介・買取それぞれの特徴と向いているケース
売却の方法は、主に「仲介」と「買取」の2つです。
仲介とは、買ってくれる人を不動産会社に探してもらうやり方です。
相場並みの金額で成約しやすい半面、購入者が決まるまでに数か月程度を要するのが通常です。
買取とは、不動産会社そのものが買い手となり、物件を引き取るやり方です。
現金を手にするまでが早いのが利点ですが、価格は市場価格の7〜8割程度に落ち着くことが多いようです。
| 比較ポイント | 仲介 | 買取 |
|---|---|---|
| 売れる価格 | 相場並みを期待しやすい | 市場価格の7〜8割程度が目安 |
| 成約までの期間 | 数か月程度を見込むケースが多い | 数日〜1か月程度で済むこともある |
| 合う人 | なるべく高値で手放したい人 | すぐに現金が必要な人・近所に知られずに売却したい人 |
高値を優先するなら仲介、スピードを優先するなら買取を検討するとよいでしょう。
買取について詳しく知りたい方は、空き家買取のメリット・デメリットをまとめた記事も参考にしてください。
依頼先として考えられる3タイプ(大手・地域密着・買取専門)
仲介をお願いする会社は、次の3タイプに分類すると比較しやすくなります。
- 大手仲介会社:全国に広がる集客網と、きめ細かなサポート体制が持ち味です。需要の高いエリアの物件やマンションを売る際に適しているといわれます。
- 地域密着型の中小会社:その土地ならではの相場や事情をよく知っています。郊外の物件に強いほか、自社で買いたい人を抱えている場合もあります。
- 買取専門業者:業者が自ら購入するので、短い期間で売却を終えられます。近所に知られないまま手放したいときにも向いています。
【比較】不動産売却で頼れる大手仲介10社

全国で売買仲介を展開している大手10社を、ここで比べていきます。
最初に、各社の取扱高・仲介件数・店舗数を表にまとめました。
| 会社 | 取扱額(2025年3月期) | 仲介の件数 | 店舗の数 |
|---|---|---|---|
| 東急リバブル | 約2兆2,312億円 | 32,918件 | 223 |
| 三井のリハウス | 約2兆2,188億円 | 38,103件 | 277 |
| 住友不動産ステップ | 約1兆4,344億円 | 31,003件 | 204 |
| 野村の仲介+ | 約1兆3,911億円 | 10,444件 | 98 |
| センチュリー21 | 約7,374億円 | 29,232件 | 960 |
| 三井住友トラスト不動産 | 約6,795億円 | 9,175件 | 71 |
| みずほ不動産販売 | 約6,166億円 | 3,883件 | 48 |
| 三菱UFJ不動産販売 | 約6,022億円 | 4,070件 | 37 |
| 積水ハウス不動産 | 約2,543億円 | 6,780件 | 87 |
| 小田急不動産 | 約518億円 | 1,148件 | 16 |
※出典: 公益財団法人不動産流通推進センター 2026 不動産業統計集(2025年3月期の数値)
※集計の範囲(売買だけか賃貸も含むか、直営かフランチャイズか、決算の時期)は会社ごとに異なり、数値をそのまま比べられないケースもあります。センチュリー21の数値は加盟店の実績を合算したもの、積水ハウス不動産の数値は積水ハウスグループ全体で集計したもの(1月期決算)です。
東急リバブル

2024年度の売買仲介取扱高で上位に入る大手仲介会社が、東急リバブルです。
売買仲介の取扱件数は年間33,922件にのぼり、売買仲介ネットワークの拠点数は231店舗(2026年6月時点)を数えます。
ホームページには年間4,800万回以上の訪問があり、集客面での強さが目立ちます。さらに、独自の安心保証が付いたリノベーション物件や、ハワイ・ニューヨークといった海外の不動産サービスも扱っています。
多くの買主候補に物件を届けたい方に合う会社といえます。
囲い込みや査定の実情を含む評判は、東急リバブルの評判・口コミでくわしくまとめています。
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三井のリハウス(三井不動産リアルティ)

「三井のリハウス」を運営するのは三井不動産リアルティです。1986年度から2025年度にかけての40年連続で、全国売買仲介取扱件数No.1を記録しています(三井不動産リアルティグループ)。
取扱件数は2024年度で36,220件、これまでの累計取引件数は100万件を超えています。
強みとしては、全国277店舗による地域密着の体制と、数多くの取引を通じて蓄積してきたノウハウが挙げられます。
取引を終えた顧客へのアンケートでは、顧客満足度97%(2025年11月~2026年3月末、同社調べ)という結果が示されています。
対応範囲はマンション・戸建て・土地と広く、実績件数を重視して会社を選びたい方に合っています。
手数料や口コミ、囲い込みを防ぐポイントは三井のリハウスの評判・口コミでくわしく取り上げています。
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住友不動産ステップ

住友不動産ステップは「ステップ」という店舗ブランドを掲げる大手仲介会社で、直営の拠点は全国151営業センター(2026年10月時点)です。
エリアの事情をよく知る営業担当者が、地元に密着して取引を進める点が強みとされています。
購入を希望する顧客を数多くストックしているほか、売主の要望や物件の特徴に合わせて宅地建物取引業者へも幅広く紹介する「ステップオークション」といった独自の売却手法を取り入れています。
「お引渡後サポート」のほか、「買替・相続サポート」といった支援メニューもそろっています。
実際に利用した方の声はすみふの仲介ステップの評判・口コミにまとめています。
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野村の仲介+(野村不動産ソリューションズ)

「野村の仲介+(プラス)」は野村不動産ソリューションズによるサービスで、首都圏エリアを主軸に、価格帯の高い物件の取引で強みを発揮している大手です。
2025年の仲介取引数は10,643件で、件数に比べて取扱高が大きいため、1件ごとの取引額が高めの傾向にあると考えられます。
運営する不動産情報サイト「ノムコム」の年間ユーザーは1,100万を超え、契約全体の50%超がインターネット経由の問い合わせから生まれているとされています。
写真は1物件につき最大30枚まで掲載できるなど、物件の魅力の伝え方に工夫を凝らした販売活動を行っています。
住み替え・相続・権利関係といった相談にも、専門家の紹介を含めて応じています。
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センチュリー21

2026年6月末時点で全国930店舗、6,288人のスタッフを抱えるフランチャイズ型の不動産ネットワークが、センチュリー21です。
スローガンとして「みんなの、街の、不動産屋さん」をうたい、全国ブランドとしての信頼感と、加盟店それぞれが持つ地元とのつながりを兼ね備えている点に特色があります。
加盟店が各地に広がっているぶん対応エリアも広く、地方にある物件の売り先に悩んでいる方でも声をかけやすい会社といえるでしょう。
口コミや評判をくわしく知りたい方は、センチュリー21の評判・口コミの記事をご覧ください。
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三井住友トラスト不動産

三井住友信託銀行をグループ内に持つ不動産会社が、三井住友トラスト不動産です。
誕生したのは2012年で、すみしん不動産と中央三井信不動産の経営統合によって生まれました。現在は首都圏・中部圏・近畿圏・中国圏・九州圏・札幌地区にまたがる全国74拠点で営業しています。
相続や贈与、住宅ローンといった相談ごとにもグループ内で連携して応じられるのが持ち味で、信託銀行系らしい豊富な情報とコンサルティングの力がそれを支えています。
資産の全体像をふまえて売却を進めたい方に適した会社です。
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みずほ不動産販売

みずほフィナンシャルグループに属する不動産会社が、みずほ不動産販売です。
2025年度のアンケートでは、取引した顧客のうち約97%が「また取引したい」と答えたとされます。約6,100件の契約実績と約6,855億円の取扱高を持つことも公表されています。
自社の全国46部店にとどまらず、連携先であるみずほ銀行463店舗の情報網も生かせるのが大きな利点です。
「信託銀行のDNA」をうたい、不動産にくわしくない顧客を守ることを最優先に仕事を進める方針を示しています。
在籍する宅地建物取引士は728人で、不動産仲介の営業に携わってきた年数は平均で約11年です。
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三菱UFJ不動産販売

MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)の広いネットワークを後ろ盾とする大手仲介会社が、三菱UFJ不動産販売です。
2025年4月時点で、営業に携わる全従業員の98%が宅地建物取引士の有資格者とされ、顧客満足度も95%以上と公表されています。
売却を支えるサービスも豊富で、AIを使った不動産査定のほか、ハウスクリーニング、住宅設備修理サポート、土地現況測量サービスなどがそろっています。
企業オーナーや士業、資産家を対象としたコンサルティングも行っています。
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積水ハウス不動産

積水ハウスグループに属し、不動産事業を担っている会社が積水ハウス不動産です。
2025年度実績として、売買仲介の取扱件数は年間6,500件以上、3か月以内での売却成約率は73%、顧客満足度は96%と公表されています。
営業所は全国88か所にあり、それぞれの地域に根ざした支援を行っています。
仲介に加えて不動産の買取も年間で約2,000件、金額にして約1,950億円の規模で行っているため、早く手放したいときには買取という道も選べるのが特色です。
ハウスメーカーを母体とする会社だけに、一戸建ての売却も得意分野の一つです。
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小田急不動産

小田急沿線をおもな地盤とし、地域に密着した事業を展開している総合不動産会社が小田急不動産です。
設立は1964年です。沿線での直営店舗数はトップクラスで、どの店舗も駅の近くにあるため、沿線エリアで買い手を集める力に長けています。
店舗の内訳は、首都圏が15店舗、仙台が1店舗です。
2025年3月期の売買仲介の取扱高は約518億円と、大手仲介のなかでは中くらいの規模です。とはいえ、小田急沿線の物件であれば、その土地の相場や需要をよく知る相談相手として有力な候補になります。
仲介以外にも、リノベーションしたうえで再販売するといった買取再販の事業を行っています。
実際の利用者の声が気になる方は、小田急不動産の評判・口コミの記事もあわせて確認してみてください。
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物件の種類ごとに異なる会社の得意分野|マンション・一戸建て・土地

依頼先を選ぶときは、会社のタイプや規模に加えて、売却したい物件の種類を得意としているかどうかも、満足度の高い取引を左右する要素になります。
以下では、マンション、戸建て、土地の3種類それぞれについて、依頼先を見分けるときに押さえておきたい点を紹介します。
マンションに関しては、会社ごとの強みや口コミ評判も交えた記事マンション売却はどこがいい?マンション売却に強い不動産会社10選と選び方で、さらに掘り下げてご紹介しています。
マンション売却で頼れる会社の見極め方
マンションの価格は、立地や階数、築年数、管理の状況などによって決まりやすく、同じ建物内や周辺で成立した取引事例が値付けの拠り所になる傾向があります。
このため、対象物件と立地や価格帯が近い物件を数多く手がけている会社であれば、妥当な価格を設定しやすく、販売活動も進めやすくなります。
大手の仲介会社は買い手候補を多く抱えているため、人気の高いエリアのマンションでは集客面の強みが出やすいといえます。ただし、エリアや物件の特性によっては、地域に根ざした会社のほうが成果を上げる場合もあります。
検討すべき点が多いマンションについては、会社ごとの強みや評判も含めてマンション売却はどこがいい?マンション売却に強い不動産会社10選と選び方で詳しくまとめています。
マンションの依頼先選びでお悩みの方は、こちらも参考にしてみてください。
戸建て売却で頼れる会社の見極め方
戸建ての場合、建物のコンディションや築年数、土地の形など、マンションと比べて査定で確認される項目が幅広くなります。
戸建ての取引を数多く手がけ、リフォームやインスペクション(建物状況調査)にも明るい会社を選ぶと、相談を進めやすいでしょう。
建物の構造・品質面に精通したハウスメーカー系の不動産会社であれば、専門的な知識を踏まえた提案を受けられることが多いようです。
加えて、買取再販を手がける会社なら、仲介では買い手が見つかりにくいときに、買取への切り替えも相談しやすくなります。
土地売却で頼れる会社の見極め方
土地の場合、境界が確定しているか、地中に埋設物があるか、用途地域や接道の状況はどうかといった条件によって価格が変わります。
こうした要素を考慮したうえで査定と販売を進められるよう、土地の取引を多く手がけてきた会社に依頼することが重要です。
とりわけ、対象エリアの相場や開発の動きに通じた地域密着型の不動産会社のなかには、地元で購入を検討している顧客を抱えているところもあり、土地の売却で強みを見せる場合があります。
\ 査定額とその根拠を複数社で一度に比較 /
安心して任せられる不動産会社を見分ける5つの判断基準

依頼先の種類を把握できたら、続いて確認したいのが「任せてよい会社といえるか」という点です。
会社を比べる際に押さえておきたい観点は、大きく分けて以下の5つです。
1. 売りたい物件と同種の取引経験の多さ
買い手となる層や価格を評価する際の着眼点、売り方のコツは、マンション・戸建て・土地のそれぞれで違いがあります。
例を挙げると、マンションでは立地や何階にあるか、戸建てでは土地と建物それぞれのコンディション、土地では形や用途地域が重視されやすく、確認すべき項目は物件ごとに異なります。
売却予定の物件と同種の取引を数多く手がけてきた会社であれば、価格を適切に設定し、効果の見込める売り方を提案してもらえる可能性が高まります。
確認方法としては、各社の公式サイトで紹介されている売却事例に目を通すほか、相談の場で「同種の物件の取り扱い件数」を聞いてみる方法があります。
2. 地域の相場観と販売力への精通度
物件の種類が同じであっても、所在地が違えば不動産の価格には大きな差が生じます。
物件の所在地に店舗を構え、近隣の相場や買い手の動きを把握している会社であれば、相場とずれの少ない査定や、地域の特性を踏まえた売り方を期待しやすいといえます。
なかでも地域密着型の会社では、購入を検討している顧客を自社で確保している場合も見られます。
相談の際には、近くでの取引件数や地域の相場感について、具体的な説明があるかをチェックしてみてください。
3. 査定額の裏付けに関する説明の明確さ
不動産会社を比べるうえで大切なのは、提示額が高いかどうかではなく、近隣の成約事例やマーケットの動きを踏まえて「この金額になる理由」を説明してもらえるかという点です。
裏付けを示さないまま高い金額だけを伝えてくる会社には、慎重に向き合いたいところです。
後ほど解説する「釣り査定」の可能性もあるため、価格の理由をどこまで具体的に語れるかを見ておきましょう。
4. ネット広告などを含む売り出し活動への積極性
今は、物件探しの多くがポータルサイトをはじめとするインターネット上で行われています。
SUUMOといった不動産情報サイトへの出稿に加え、写真の撮り方や物件紹介の文章にも工夫を凝らしている会社であれば、より幅広い買い手の目に留まりやすくなります。
掲載先の媒体や売り出し方の中身は、会社ごとに違いが表れやすいポイントです。媒介契約の締結前に、どのように売り出すのかを聞いておくと安心につながります。
5. 担当者のレスポンスの速さと信頼性
実際の窓口となるのは、会社のブランドではなく担当者本人です。
返信のスピードや説明のわかりやすさ、疑問点への受け答えは、売却をスムーズに進められるかどうかを左右します。
宅地建物取引士をはじめとする資格を持っているか、売却の経験をどの程度積んでいるかも、担当者を見定めるヒントになります。
初回の問い合わせや査定の場面でどう対応してくれたかを、判断材料のひとつとして活用してみてください。
また、信頼できる1社にたどり着くためには、はじめから1社に限定せず、複数の会社の査定を見比べるのが基本的な進め方とされています。
何社かにまとめて査定を申し込みたい方は、おすすめの不動産一括査定サイト19選もご確認ください。
査定額のおおよその水準を知りたい場合は、家の売却相場の記事も役立ちます。
\ 各社の査定根拠を見比べてみませんか /
避けたい不動産会社を見極めるコツ|釣り査定と囲い込みの落とし穴

「避けたほうがよい不動産会社は?」「信頼できる会社をどう見分ければいい?」と悩まれている方は多くいらっしゃいます。
この章では、売却時にとくに気をつけたい2つのトラブルと、見極め方のポイントを順に取り上げます。
釣り査定(相場とかけ離れた高額査定)への警戒
媒介契約を結んでもらう狙いで、相場を大きく上回る査定額をあえて示してくる会社も見られます。
高額な提示を信じて任せたものの、なかなか買い手がつかずに価格の引き下げが続き、成約まで長引いてしまう例は珍しくありません。
見極めるには、何社かから査定を取り寄せたうえで、飛び抜けて高い、または低い額を出してきた会社に算出の理由をたずねてみるのが有効です。
囲い込みへの警戒
囲い込みは、売却を任された物件の情報をほかの不動産会社に回さず、自社で見つけた買主と取引させることで、売主側と買主側の両方の仲介手数料を手に入れようとする行為を指します。
この状態になると、物件を買いたいと考えていた人のもとへ情報が行き渡らず、せっかくの売るチャンスを失いかねません。
専任媒介契約や専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社には指定流通機構(レインズ)へ物件を登録することが義務づけられています。
会社から発行される登録証明書に目を通し、ご自身の物件が市場にきちんと公開されているかをチェックすることが、囲い込みに気づくきっかけになります。
出典: e-Gov法令検索 宅地建物取引業法
不動産売却の流れと媒介契約を選ぶポイント

売却を進める大まかな手順と、途中で不動産会社と結ぶ「媒介契約」の考え方を順に整理します。
最初に、査定を受けてから物件を手放すまでの流れを、5ステップに分けて見ていきましょう。
査定はいくつかの会社に頼み、提示された金額と算出の理由を見比べます。
比較した結果をもとに売却を任せる会社を選び、契約を交わします。
不動産会社が広告を出したり、購入を検討している方へ物件を案内したりします。
買いたいという方と条件をすり合わせ、合意できれば契約へ進みます。
売買代金を受領したうえで、買主へ物件を明け渡します。
流れをさらに細かく知りたい方や、各段階で気をつけたい点を確かめたい方は、家を売る方法と8つの手順をご覧ください。
ステップ2で結ぶ媒介契約は3つの種類に分かれており、どれにするかによって売却活動の進み方が変わることがあります。
3種類のうちどれを選ぶかで、複数の会社へ同時に頼めるかどうかや、レインズ(指定流通機構)に物件を載せる義務があるかどうかといった点に違いが出ます。
| 比較項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 |
|---|---|---|---|
| 複数社への同時依頼 | 可 | 不可 | 不可 |
| 自ら見つけた買主との直接取引 | 可 | 可 | 不可 |
| レインズ登録の義務 | なし(任意) | あり(7日以内) | あり(5日以内) |
| 売主への活動報告 | なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 最長の契約期間 | 規定なし(慣行3か月) | 3か月 | 3か月 |
いくつもの会社に広く声をかけたいなら一般媒介、依頼先を1社にまとめて集中的に売り出してもらいたいなら専任媒介や専属専任媒介を検討するとよいでしょう。
どの媒介契約を選んだ場合でも、売買が成立したときには仲介手数料の支払いが発生します。
※媒介契約や法令についての記載は、執筆時点(2026年8月)で確認した内容です。実際の契約条件は、依頼する不動産会社や専門家へお問い合わせください。
不動産会社の選び方と売却に関するよくある質問
査定は何社くらいに申し込むのが目安ですか?
目安としては3〜5社程度へ査定を申し込み、提示額とその根拠を見比べる進め方が一般的といわれています。
依頼先が1社のみだと、示された金額が妥当かどうかを見極めにくくなるため、複数の会社を比べることが基本的な考え方です。
大手の不動産会社と地域の会社では、どちらに依頼するのが向いていますか?
向き不向きは、物件の種別や所在するエリアによって変わります。
たとえば人気エリアにあるマンションであれば集客力に強みを持つ大手、郊外の物件や地域ならではの特性がある物件であれば地元に根ざした会社が合いやすい傾向が見られます。
大手と地元の双方に査定を申し込み、結果を比べてみるのもひとつの選択肢です。
信頼できる不動産会社かどうかは、どこで判断できますか?
判断材料としては、査定額の根拠をていねいに説明してもらえるか、似た種類の物件を売却した実績が多いか、販売活動の状況をこまめに報告してくれるか、といった点が挙げられます。
提示された金額が高いかどうかだけで決めないよう心がけたいところです。
少しでも良い条件で売却するためのポイントはありますか?
複数の会社の査定結果を見比べて適正な売り出し価格を決めることや、物件の良さを買主へ届ける販売活動に意欲的な会社を選ぶことなどがポイントになります。
くわしい内容は家を高く売る方法5選にまとめています。
売却時の税金が気になります。
売却によって利益(譲渡所得)が生じたケースなどでは、税金の負担が発生する場合があります。
利用できる控除の制度も設けられているので、不動産売却の確定申告の記事もあわせて確認したうえで、ご自身の状況に応じた判断は税理士をはじめとする専門家へ相談してみてください。
一括査定サイトは利用したほうがよいのでしょうか?
一度の入力で複数の会社へ査定を申し込めるため、手間を抑えて比較を進めやすい点が利点です。
とはいえ、提示額が高いという理由だけで依頼先を決めることは避けるよう気をつけましょう。
まとめ:売却後に悔いを残さないための不動産会社選びの要点
依頼する不動産会社をどう選ぶか、ここまでの内容を振り返ります。
- どなたにとってもベストといえる1社が存在するわけではなく、物件の種類や所在エリア、売却の目的に応じてふさわしい依頼先は異なります。
- 任せられる会社かを判断する際は、似た物件での売却実績、地域での販売力、査定価格の裏付け、販売活動の中身、担当者の応対という5つの観点が目安になります。
- 大手仲介10社は各社で強みが異なるため、ご自身の物件の種類とエリアに適した2〜3社に絞って比べる方法が向いています。
- いわゆる釣り査定や囲い込みのリスクを減らすには、査定価格の裏付けや販売活動に関する報告内容をチェックしておくことが重要です。
依頼先を決めきれないときは、複数の会社に査定をお願いして、提示された金額と算出の理由、担当者の応対を比べるところから取りかかってみてください。
納得できる売却に向けた最初のステップとなるはずです。
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